再吟詠 第一回
1.きっかけ
私は趣味で短歌を詠んでいる。中学生の頃から詠んではいたけれど、SNSで詠み始めたのは一年ぐらい前のことだ。
同じサーバーの人が短歌を詠み始めて嬉しい反面、私の中にある思いが湧き上がってきた。根拠のない劣等感だ。
他の人の短歌に対して「〇〇さんの短歌は良すぎる、私の短歌はダメなんだ」という気持ちが日々募っていく。でも、どうしてダメなのかわからなくて、もやもやとしていた。
羨ましい妬ましいという漠然とした感情に溺れていく私に、尊敬している友人からアドバイスをもらった。
「嫉妬をするのなら、他の人の短歌や俳句の良いところを真似すれば良い」と。
だから、Misskeyで「短歌や俳句を投稿している人は何に気をつけているんだろう」と思いながら研究をしていた。
すると、紙を使ってアイデアを広げて行ったり、想像をさせる構成を作ったりしてることがよくわかった。そこで私は、一回思いついた短歌を練り直して投稿してみることにした。
2.再び詠んでみる
例を挙げるとしたら以下の通りだ。
①最初に思いついたもの
日が沈み少し膨らむ月出づる夜と光の境目見惚れ
②みすでざに投稿したもの
繊月の夜と月光混ざり合い端に惹かれて眺める秋に
③ちょっとやりすぎた
二日月空と光のマリアージュ愛を感じて目を奪われて
④②と③を受けて練り直したもの
繊月や目奪われているマリアージュ空と光の際目が「見えた」
①は、三日月よりも細い月が出ていて、空と月の光の境目が綺麗だな〜素敵だな〜って思って詠んだ短歌だ。どうにかこの光を見た時の感動を別の形にしたい。
そう思って練り直したのが②。類語辞典を開くと、「繊月」という言葉を見つけ、三日月よりも細い二日月のことを示すということを知った。
③はどうにか空と月の光が混ざり合ってる様子を表現したかったけど、やりすぎた感じがする。ここで「月が出てるから『夜』以外にこだわりたい」「マリアージュ(結婚)だから『愛』を入れなくても良いのでは?」と思った。
④で②と③の合体版みたいのができた。友人にも好評だった。ちなみに私にしては珍しく切れ字を使っている。
3.感想
正直いうと、とっても楽しかった。自分の短歌の可能性がまた広がった気がするからだ。初めて使う言葉や表現に挑戦するのも楽しい。
この「再吟詠」は私の色んな短歌を生み出していく挑戦の記録だ。これをくりかえしていくことで、益々自分の短歌の表現を広げていたい。