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アリスインタビュー(9) 公爵夫人役/松岡多恵さん

オペラカッフェマッキアート58公式noteです。

5月5日(木・祝)に北区滝野川会館で公演の、木下牧子作曲のオペラ『不思議の国のアリス』。「アリスインタビュー」と題して、キャスト・スタッフのインタビューの更新を続けております。

不思議な国を旅するアリス。歩き続けると、調子はずれの歌をうたう帽子屋や優しいジャックがお客として招かれた奇妙なお茶会に迷い込みます。お茶会の主は、かんしゃく持ちの公爵夫人。公爵夫人は、歌あそびを始めます。

インタビュー第9回は、公爵夫人を演じる松岡多恵さんです。


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───松岡さんが『不思議の国のアリス』で演じられる公爵夫人。どのようなイメージをもって役作りにのぞまれていますか?

「公爵夫人は原作にしか出てこないキャラクターなので、ご存じない方も多いかと思います。非常に醜い女性で、ぶーぶー鳴く赤ちゃん(The Pig Baby)を抱いている設定で、チェシャ猫の飼い主でもあります。

不機嫌なときは暴力的で、何かとすぐに「平手打ち」で解決(?)させようとしますが、逆に上機嫌なときは理解力が高く、賢い女性であるように思えます。

オペラでも、お茶会の歌遊びでは頭の回転の速さを参加者に求めていますし、知的なイメージです。それと同時に、気まぐれ、気分屋、自分勝手…わがまま、というイメージもありますね。

また、「公爵夫人」とは称号がそのまま役名になっているわけですが、おそらく女王と親戚関係にあるとみています。だからこそ、彼女だけが女王に対して強気に出られる。

ほとんど全ての登場人物が恐れている女王陛下をひっぱたいて笑っていられる、そこに公爵夫人のプライドと自信を感じています。

原作通りの「おかしな人々」としての表面はそのままに、言動の端々にあらわれる知性や自信を見失うことなく演じられれば、と考えています!」


───原作『不思議の国のアリス』への思い出や、なにかエピソードがあったら教えていただければ幸いです。

「原作は大人になってから、というか以前このオペラに携わったときから、いろいろ調べたり読んだりしたような気がします。

子供の頃はアニメ映画を観たかな…というぐらいですが、アリスのファッションが可愛くて好きでした。アリスの世界観をモティーフにしたものは人気があると思うのですが、私は10代の頃KERAやゴスロリバイブルといった雑誌を読むのが好きで…今でいうサブカル系ファッションを通して、アリスのモティーフにはたくさん触れてきました。

あとは2010年の実写映画でしょうか。

『不思議の国のアリス』の世界観は本当に色鮮やかで、いつになっても童心に返ってしまいます。世界観を彩る小物や登場人物のモティーフ全てが、楽しくて面白いんですよね。

…と、ここまで書いて思い出しました!中学生の頃、英語の読書課題があったのですが…そのひとつとして言語でぱらぱらとかなーりざっくりと(笑)斜め読みをしました!

アリスが穴に落ちていくシーンは声に出して読みたい英語です!」


───『不思議の国のアリス』の作曲家である木下牧子先生への思いをお聞かせください。

「木下先生には5年前くらいでしょうか、レッスンをして頂いたことがあります。そのとき、先生の歌曲を何曲か演奏していて…〈ほのかにひとつ〉や、《晩夏》といった作品ですが、先生の作曲したときのお話などお伺いでき、本当に勉強になりました。ハンサムウーマンでいらして、素敵な先生です(笑)

実は今も木下先生の歌曲をひとつ勉強しています。木下先生の曲は、とても耳馴染みが良かったり、聴きやすかったりしますが、演奏者にとっては決して楽ではない。演奏者を選ぶ作品だと思います。

おそらく、多くの木下先生ファンの方々にとって、木下先生は「合唱曲の木下牧子さん」という印象が強いのではないでしょうか?

私にとっては、木下先生はまさにコンテンポラリー、現代音楽の作曲家です。器楽作品に先生の根があり、歌曲作品でもピアノがとにかく雄弁。オーケストラの響きを持つ曲も多く、そのために決して軽くない。むしろ本当に重いんです!

でも、だからこそ、自分の楽器に合っている作品だとも感じています。不思議なんですが、生理に合っている…というのでしょうか。難しいですが、苦しくはなくて、とにかく身体に入りやすいです。

今回はオーケストラでの上演ではありませんが、オーケストラの音にこそ、木下先生の音の世界があります。その響きを忘れることなく演奏出来るように、しっかりと準備していきたいです!」


───最後に、皆様へのメッセージをお願いいたします。

「『不思議の国のアリス』は児童文学の金字塔ですが、大人もたくさん楽しめる作品です。木下先生のオペラも同じく!音からあふれる面白さを、子供から大人まで、皆さんに楽しんでいただけるように頑張ります。

私にとって、この作品をオペラカッフェマッキアートで演奏できることは本当に夢のよう。コロナ禍になり、演奏を控えなければならなくなった私たちにご支援をくださった皆様には、本当に感謝しかありません。

劇場に足を運んでくださる方にも、アリスと一緒におかしな世界の夢を体験して頂けるよう頑張りますので、たくさんの方にいらして頂けましたら嬉しいです!」


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松岡多恵

東京藝術大学、同修士課程修了。現在は同博士後期課程に在籍し、萩原朔太郎の詩を中心に日本歌曲の演奏研究を進める。修士課程在学中に「芸大モーニングコンサート」に出演、藝大フィルハーモニア管弦楽団と共演。博士課程では毛利準賞、長野羊奈子賞を受賞、2018-2020年度に公益財団法人尚志社より奨学生として助成を受ける。第24回奏楽堂日本歌曲コンクール奨励賞、第9回横浜国際音楽コンクール第2位。東京二期会オペラ研修所第58期マスタークラス修了。これまでにペルゴレージ《奥様女中》セルピーナ役、プッチーニ《ラ・ボエーム》ミミ役等でオペラ出演、ベートーヴェン《交響曲第九番》ソプラノソリストを務める。横浜市民広間演奏会、二期会会員。


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松岡さんの演じる公爵夫人、どうぞお楽しみに!


5月5日(木・祝)『不思議の国のアリス』公演詳細は、以下のとおり。


オペラカッフェマッキアート58主催公演

オペラ『不思議の国のアリス』

台本:高橋 英郎、木下 牧子

作曲:木下 牧子


日時:2022年5月5日(木祝)13:30 開演 / 12:45 開場

場所:滝野川会館 大ホール

(最寄り駅:駒込駅・上中里駅・西ヶ原駅、旧古河庭園前)


アリス:宍戸 茉莉衣

姉・ユリの花・庭師:別府 美沙子

白うさぎ:横内 尚子

笑い猫:野村 光洋

ドードー鳥: 大槻 聡之介

公爵夫人: 松岡 多恵

ジャック:又吉 秀樹

帽子屋: 吉田 連

女王:小暮 沙優

王: 山本 悠尋

けしの花・庭師:加藤 早紀、藤原 唯


アンサンブル

ソプラノ:吉田 愼知子

アルト:持田 温子

テノール:岸野 裕貴

バス:甲野 将也

コーロ・マッキアート


指揮:谷本 喜基

ピアノ:松井 理恵

舞台構成:塙 翔平

舞台監督:三浦 奈綾

プロジェクションマッピング:荒井音楽企画


チケット:

一般券/5,000円

学生券(中学生以上)/3,000円

学生券(小学生)/1,000円

※誠に恐れ入りますが、未就学児の入場はご遠慮いただいております。ご了承いただきますようお願いいたします。


今回、チケットは感染予防対策も兼ねて電子チケットを導入しております。


おそれいりますが、こちらのパスマーケットのwebサイトから、電子チケットにあたるQRコードをご購入いただければ幸いです。当日は受付で、そちらのQRコードをアプリで読み取りいたします。

ご購入が難しいお客様は、operacaffemacchiato58@gmail.com までお気軽にお声がけください。事務局スタッフが対応にあたらせていただきます。

風薫る五月、皆様方にお会いできますことを楽しみにしております!


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