アリスインタビュー(12) 女王役/小暮沙優さん
オペラカッフェマッキアート58公式noteです。
5月5日(木・祝)に北区滝野川会館で公演の、木下牧子作曲のオペラ『不思議の国のアリス』。「アリスインタビュー」と題して、キャスト・スタッフのインタビューの更新を続けております。
不思議な国を旅するアリス。お茶会のあとにたどり着いたのはたくさんの白いバラが植えてある庭園です。そこではトランプの庭師たちがバラを一生懸命ペンキで赤く塗っています。「女王様は赤いバラが好きなのに、間違えて白いの植えちゃったんだ!」「俺たち、首をはねられちゃう!」
そこへ女王たちの行列があらわれます。女王はバラを見てびっくり仰天。「この者たちの首をいますぐはねよ!」
インタビュー第12回目は、女王役を演じる小暮沙優さんです。
───小暮さんが『不思議の国のアリス』で演じられる女王。どのようなイメージをもって役作りにのぞまれていますか?
「ルイス・キャロルが『手に負えない怒りの化身』として女王のキャラクターを造形したというのを読んだことがあります。実際、『首をはねよ!』が口癖のハートの女王は、あらゆる横暴な専制君主のカリカチュアだとも感じます。そんな女王が最後アリスのひと言でただのトランプに戻っていく可笑しみを感じていただけるように、またアリスや白うさぎさんたちの愛らしさとの対比を出せるように心がけています。」
───原作『不思議の国のアリス』への思い出や、なにかエピソードがあったら教えていただければ幸いです。
「小学生の頃、『不思議の国のアリス』の続編である『鏡の国のアリス』が大好きでした。その影響でチェスにも憧れました。けれど、『不思議の国のアリス』を読んだのは大人になってから。綿密に作り込まれた『鏡の国』とはまた違う魅力を感じます」
───『不思議の国のアリス』の作曲家である木下牧子先生への思いをお聞かせください。
「中高のコーラス部で木下先生の作品には多く親しみました。また高校生の頃に東京藝大に下見に行った時に、音楽学部の中にある〈大関〉という売店で木下先生の歌曲集『晩夏』と出会い、いつかこれを歌えるようになるんだ…と思いながら買って帰りました。30代になってようやく、その歌曲集を歌える機会をいただけたのも忘れられない思い出です。木下先生のオペラに出られる日が来るよ!って、中学生の頃の自分に教えてあげたいですね。」
───最後に、皆様へのメッセージをお願いいたします。
「2020年のストリーミングコンサートでの皆様からの厚い応援のおかげで、今回の公演にこぎつけられました。また、公演にあたっては公益財団法人さわかみオペラ芸術振興財団様の『みんなの寄付』のご支援もいただきました。さまざまな方々の応援のお気持ちがあって、ここまでたどり着けたことにただただ感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。
今回キャスト・合唱・スタッフのみんなが素晴らしいカンパニーです。ここでしか見られない『不思議の国のアリス』の世界を、ぜひ体験していただけたら嬉しいです。5月5日はぜひ、滝野川会館にいらしてくださいね!」
小暮沙優(こぐれ さゆ)
東京都出身。東京藝術大学卒業、同大学大学院修士課程修了。昭和音楽大学大学院博士後期課程修了。二期会オペラ研修所第58期マスタークラス修了。
学部卒業時に、アカンサス音楽賞ならびに同声会賞を受賞。第46回日伊声楽コンコルソ入選。二期会オペラ研修所修了時に、優秀賞を受賞。
2018年にソプラノ・ドラマティコに転向。以来、ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスなどの作品を中心にレパートリーを広げる。特にブリュンヒルデやトゥーランドットは、メトロポリタン歌劇場をはじめ海外の主要な歌劇場の音楽スタッフから非常に高い評価を受ける。
NHK「若冲を発掘したアメリカ人」主題歌担当。2020年二期会オペラ公演《フィデリオ》にレオノーレ/フィデリオ役のカヴァーとして参加。また、文筆活動においても活動の幅を広げる。
オペラカッフェマッキアート58メンバー。日本ワーグナー協会会員。東京二期会会員。
小暮さんの演じる女王、どうぞお楽しみに!
5月5日(木・祝)『不思議の国のアリス』公演詳細は、以下のとおり。
オペラカッフェマッキアート58主催公演
オペラ『不思議の国のアリス』
台本:高橋 英郎、木下 牧子
作曲:木下 牧子
日時:2022年5月5日(木祝)13:30 開演 / 12:45 開場
場所:滝野川会館 大ホール
(最寄り駅:駒込駅・上中里駅・西ヶ原駅、旧古河庭園前)
アリス:宍戸 茉莉衣
姉・ユリの花・庭師:別府 美沙子
白うさぎ:横内 尚子
笑い猫:野村 光洋
ドードー鳥: 大槻 聡之介
公爵夫人: 松岡 多恵
ジャック:又吉 秀樹
帽子屋: 吉田 連
女王:小暮 沙優
王: 山本 悠尋
けしの花・庭師:加藤 早紀、藤原 唯
アンサンブル
ソプラノ:吉田 愼知子
アルト:持田 温子
テノール:岸野 裕貴
バス:甲野 将也
コーロ・マッキアート
指揮:谷本 喜基
ピアノ:松井 理恵
舞台構成:塙 翔平
舞台監督:三浦 奈綾
プロジェクションマッピング:荒井音楽企画
チケット:
一般券/5,000円
学生券(中学生以上)/3,000円
学生券(小学生)/1,000円
※誠に恐れ入りますが、未就学児の入場はご遠慮いただいております。ご了承いただきますようお願いいたします。
今回、チケットは感染予防対策も兼ねて電子チケットを導入しております。
おそれいりますが、こちらのパスマーケットのwebサイトから、電子チケットにあたるQRコードをご購入いただければ幸いです。当日は受付で、そちらのQRコードをアプリで読み取りいたします。
ご購入が難しいお客様は、operacaffemacchiato58@gmail.com までお気軽にお声がけください。事務局スタッフが対応にあたらせていただきます。
風薫る五月、皆様方にお会いできますことを楽しみにしております!