アリスインタビュー(1) アリス役/宍戸茉莉衣さん
オペラカッフェマッキアート58公式noteです。今週から毎週水曜日には更新を続けてまいります。
5月5日(木・祝)に北区滝野川会館で公演の、木下牧子作曲のオペラ『不思議の国のアリス』。今日から「アリスインタビュー」と題して、キャスト・スタッフのインタビューをお届けしてまいります。
第1回目は、タイトルロールの少女アリスを演じる宍戸茉莉衣さんのインタビューです。
───『不思議の国のアリス』であなたが演じるアリスは、どのような少女だと思いますか?
宍戸:「アリス」と言えば、多くの方が子どもの頃に1度は出会った女の子だと思います。私も例に漏れず「不思議の国のアリス」の絵本やアニメは子どもの頃から何度も観ていました。
世界に散りばめられた小さな不思議に気づき、体当たりでぶつかっていく「好奇心旺盛な女の子」というのは既に台本の設定としても書かれていますが、どんな相手に対しても(すぐに首をはねようとする怖い女王様にも!)物怖じせずに思ったことを発言する大胆さを持ち合わせています。
また独りぼっちの寂しさから年相応に泣き出してしまうことはあっても、興味を引くものが目の前に現れると、すぐに涙は引っ込んでどんどんと先に進んでいきます。そんなコロコロと変化する表情が彼女の大きな魅力です。
どこかチグハグでカラフルな風景に生きる、チェシャ猫や帽子屋、ハートの女王などキャッチーなキャラクター、そんな珍妙な世界に偶然とは言え自ら飛び込んだアリス。普段の生活に欠伸が出るほど退屈していた彼女の興味をひくには十分すぎる素敵な世界だった事でしょう。そしてそこから帰ってきた彼女は、もっと素敵なレディになっているはず...。
そんな大人への階段を目の前にしたアリスと共に、素晴らしい音楽のうねりに飛び込んで行きたいと思います。
───いま作品への理解を深めている過程と思いますが、宍戸さんにとって特に印象的な場面を教えていただけますか?
宍戸:印象的なシーンはいくつもあるのですが、今の時点でのお気に入りの曲は、オペラの冒頭、アリスが1人で散歩に出かけた時に歌う「ねえねえ教えて!」というナンバーです。
アリスが徐々に奇妙な世界に足を踏み入れていることを、前奏部分からオーケストラが見事に表現していますし、1つめの質問でお答えした「アリスのコロコロと変化する表情」がよく読みとれ、彼女がいま何に、どう興味を持っているのかを読み解くのがとても楽しいです。
その他にも笑い猫の「イカれた猫の歌」や、ジャックの「タラがカタツムリをダンスに誘う歌」など、キャラクター性がよく出ている曲が沢山あります。野村さんや又吉さん、そして他のキャストの皆さんがどう歌われるのか、ご注目ください!
───作曲家の木下牧子先生の印象をお聞かせいただけますか?
宍戸:木下先生の曲は、爽やかで美しい曲調が以前から大好きで、歌曲を中心にコンサート等でも歌わせていただいていました。
また、昔入っていた児童合唱団で「愛する歌」から数曲を歌っていたのですが、「海と涙と私と」や「誰かが小さなベルをおす」など、成長してからもつい口ずさんでしまうほどお気に入りの曲でした。(それが木下先生の楽曲だったと知ったのは大分後の事でしたが...)
ただ今回の「不思議の国のアリス」は、私が今まで触れてきた木下先生の歌曲とは全く違う雰囲気で、音程やリズムの難しさに譜面を開いたばかりの時は面食らいました。
しかしピアニストにも協力して貰いつつ練習を重ねていくと、いつしかすっと身体に馴染む瞬間があり、そこからはアリスの音楽に魅了されています。
オーケストラが表現している世界観が私のイメージする「不思議の国」そのもので、目まぐるしく変わっていく音楽の波に乗って冒険していけるのが楽しくてしょうがありません。
───最後に、皆様へのメッセージをお願いいたします。
宍戸:原作では7歳前後(!)と設定されているアリスですが、年相応なアリス、オマセなアリス、可愛いアリス...色んなアリスの表情をお届け出来るよう、これから更に理解を深めて参ります。
プロジェクションマッピングでの演出という事で、私も今からどんな舞台になるのか期待で胸がいっぱいです。
まだまだ先の見えない不安な世の中ですが、お客様を巻き込んだ全員で、明るく不思議なワンダーランドを満喫出来ることを楽しみにしております。
宍戸茉莉衣
福島県出身。東京藝術大学声楽科卒業。二期会オペラ研修所第58期マスタークラス修了。これまでにオペラ『フィガロの結婚』スザンナ役、『コジ・ファン・トゥッテ』フィオルディリージ役、『魔笛』パミーナ、侍女Ⅰ及び童子Ⅰ役、『奥様女中』セルピーナ役、『こうもり』アデーレ役等を演じ、『フィガロの結婚』(宮本亜門演出)花娘Ⅱ役にて二期会オペラデビューを果たす。また、宗教曲の分野では、シューベルト作曲『ミサ曲第2番ト長調』、モーツァルト作曲『レクイエム』のソプラノソリストを務める。二期会会員。
宍戸さんの演じるアリス、どうぞお楽しみに!
5月5日(木・祝)『不思議の国のアリス』公演詳細は、以下のとおり。
オペラカッフェマッキアート58主催公演
オペラ『不思議の国のアリス』
台本:高橋 英郎、木下 牧子
作曲:木下 牧子
日時:2022年5月5日(木祝)13:30 開演 / 12:45 開場
場所:滝野川会館 大ホール
(最寄り駅:駒込駅・上中里駅・西ヶ原駅、旧古河庭園前)
アリス:宍戸 茉莉衣
姉・ユリの花・庭師:別府 美沙子
白うさぎ:横内 尚子
笑い猫:野村 光洋
ドードー鳥: 大槻 聡之介
公爵夫人: 松岡 多恵
ジャック:又吉 秀樹
帽子屋: 吉田 連
女王:小暮 沙優
王: 山本 悠尋
けしの花・庭師:加藤 早紀、藤原 唯
アンサンブル
ソプラノ:吉田 愼知子
アルト:持田 温子
テノール:岸野 裕貴
バス:甲野 将也
コーロ・マッキアート
指揮:谷本 喜基
ピアノ:松井 理恵
舞台構成:塙 翔平
舞台監督:三浦 奈綾
プロジェクションマッピング:荒井音楽企画
チケット:
一般券/5,000円
学生券(中学生以上)/3,000円
学生券(小学生)/1,000円
※誠に恐れ入りますが、未就学児の入場はご遠慮いただいております。ご了承いただきますようお願いいたします。
今回、チケットは感染予防対策も兼ねて電子チケットを導入しております。
おそれいりますが、こちらのパスマーケットのwebサイトから、電子チケットにあたるQRコードをご購入いただければ幸いです。当日は受付で、そちらのQRコードをアプリで読み取りいたします。
ご購入が難しいお客様は、operacaffemacchiato58@gmail.com までお気軽にお声がけください。事務局スタッフが対応にあたらせていただきます。
風薫る五月、皆様方にお会いできますことを楽しみにしております!