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5月最終週の日記 -後編-
前回の記事を読んでくださった皆様、スキをくださった皆様、誠にありがとうございました。
この記事は前回の続きです。
***
自分の体験したことや感じたことを形にして世に出したい。
そういった内側の微かな光りだけを頼りに、時に迷い、時に悩みがら、泥臭く私は文章を書いている。
それゆえ、読んでいただけることも、スキをいただけることも、飛び切り嬉しいし、これからも形にしていこうと、光が強くなる。
5月31日(金)
この日の朝、Kさんにお願いごとをされた。
Kさんが任されている案件がリリース直前ということで、急遽検証に入って欲しいということだった。
私は外側のさっぱりとした性分とは裏腹に、内側では白黒はっきりさせたいというか、気になることをそのままにしておけないというか、知る以上原理から知りたいという、こってりとした性分を持っていた。
そこへ「基本を一つ一つ押さえていくことこそ、最短で目標へと辿り着く道である〜急がば回れ」という経験則を掛け合わせることで、検証では多少実績を残せて来たように思う。
Kさんに腕を見込まれたというわけだ。
しかし、イベント尽くしの一週間最終日、気を抜くと失神しそうなくらい私は疲れていた。
それでも、少しでも力になりたいと思ったから、私はコーヒーをがちんと決めて気合を入れた。
──検証対象のシステムは、厳しい条件下で制作された。
人手も時間も足りていなかったことに加えて、チームワークがあまり機能していなかったことが原因となって、時間の経過と共に案件は炎上した。(ように見受けられた。)
炎上してからは、Kさんが全体をまとめる形となった。(ようだった。)
Kさんは熱血ではないけれど、基本的に前向きで、全体がゴールに向かっていけるよう統率を取ってくれる人だ。
そんなKさんは風氏の「帰ろう」という曲が好きだと少し前に教えてくれたけれど、「帰ろう」の歌詞の中には、Kさんの人柄を彷彿とするフレーズがある。
ああ 全て与えて帰ろう
ああ 何も持たずに帰ろう
与えられるものこそ 与えられたもの
ありがとう、って胸をはろう
少し脱線してしまったけれど、そのような事情のシステムの検証だったため、検証に入って少し経つ頃には、私の頭の中は疑問等で埋め尽くされた。
Kさんは夕方まで打ち合わせの予定が入っていたため、何かあれば、他のメンバーにチャットや会話要請をして質問するよう言い渡された。
思った以上に検証が進まないことに焦りを感じながら、ランチ会の刻は訪れた。
*
前回の記事で書いた通り、この日はランチ会を開催することになっていた。
北の拠点へ移動するいい先輩の子と、この日で退職するパートさんの二人をお見送りするためのランチ会である。
これまでの記事では触れてはこなかったけれど、この日で退職するパートさんと、私は4月のハードワーク明けくらいから親睦を深めて来た。
退職するパートさん(以降Sさん)は、Kさんの少し上くらいで、二児の父である。
Sさんが箱買いしたカップ焼きそばを会社で食べ始めたことをきっかけに、昼休みになるとおしゃべりをする間柄となった。
話すことは他愛もないことばかりだけれど、世代が近いことや、お互い地元の民ということもあって、話は弾んでいった。
話しているうちに、連想ゲームのように次から次へと話が飛躍し、ついにまったく想像がつかない場所へと着地して終了することが度々あった。それが最高におもしろかった。
そんなSさんと私のおしゃべりのリスナーが居たことをある日知った。私はゆめゆめリスナーが居るとは思っていなかったので、嬉しく思うと同時に、いっそうおもしろく話を届けていきたいと思った。
そうしてSさんとのおしゃべりは恒例行事のようになり、日常の中でおもしろい出来事があると、私は明日Sさんに話そうと思うようになった。
Sさんも話のネタを考えて来てくれているようだった。
マイペースにできないと自分を保てないうえ、結構な気にしいであることを自覚してから、私は人との関わりを避けるようになっていた。
けれど、Sさんとのおしゃべりは何にも縛られず自由で、その瞬間限りの純粋なコミュニケーションの楽しさを思い出させて貰った。
そんなSさんが退職してしまうことは少し寂しかったけれど、Sさんにぴったりの転職先と出会ったようで、彼の門出を心から祝福した。
ところで勤め先の食事会は、様々な事情から話が弾まない独特の空気感がある。
しかし今回は、話し上手のSさんが主役の一人であることと、私がSさんの転職先に関しておもしろネタをいくつか持っていたことと、親睦会の一次会で私の席の前に座っていた子が急遽参加したことなどもあって、いつもよりも少し話が弾んだ食事会となって、いとをかしかった。
*
私が幹事であるため、ランチ会は早めの解散となった。
解散のあと、話し足りない面々は小さく集まって、おしゃべりの続きをした。
私はSさんのところで、いつものように取り止めもない話をした。
Sさんも音楽やカラオケが好きな人だったので、「Kさんとライン交換でもして貰って、今度是非カラオケいきましょう!」と話した。
一方私を除く女子たちは、いい先輩のところで、おしゃべりの続きをしていた。
Sさんへの挨拶が終わったところで私も輪に入れて貰った。
いい先輩の子は、確固たる自分を持っているものの、人一倍声が小さく、我慢強いため、自分を主張することがあまりなかった。
それゆえ、いい先輩の子の気持ちは、一見して見え辛くもあるのだけれど、ランチ会が終わった後も彼女はしばらく滞在していて、名残惜しんでいるのカナ、と感じた。
すっかり午後の業務時間となっていたけれど、業務よりもいい先輩の子とのひと時を過ごすことを優先したメンバーでおしゃべりは続いた。
正直己の業務のことを思うと、胸が張り裂けそうではあったけれど、いい先輩の子と過ごせる時間は、今後もう簡単には訪れないだろうと思ったから、私も出来る限りおしゃべりに参加させて貰った。
おしゃべりの最後に、いい先輩の子とライン交換をさせて貰った。
そうしていい先輩の子は、この街のメンバーに見送られて、この街での出勤を終えていった。
ランチ会を開くことが出来て、本当に良かったと思う。
***
今週末で全て書き切るつもりだったけれど、なんと時間切れとなってしまった。
続きは来週末、後日談も付け加えた「Kチーム完全終了編」として投稿させていただこうと思う。
ここまでご精読くださり、誠にありがとうございました。
また続きも読んでいただけると、嬉しいです。