自動車学校を無事に卒業できたので、
久しぶりに文章を綴ろうと思う。
気が向いた方は読んでいただけると嬉しい。
免許取得自体はまだ完了していないけれど、一昨日の10月26日を以て、約9ヶ月通った自動車学校を卒業する運びとなった。
自動車学校の皆様、通学を応援してくれた勤め先の皆、学校代を貸してくれた母に、心から感謝をしたい。
今回はリハビリ的に、少しだけ自動車学校の思い出を綴ろうと思う。
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文章を書かなくなってから約3ヶ月経った。
8月に担当教官にシメられて以降、私の意識は「取らせて貰う」から「取りに行く」へと変わっていた。運転するのは他でも無い私自身だった。
担当教官は通常優しい人だったけれど、危機的状況下においても余地が見出される限り私がチャラチャラしたため、私への対応を変えざるを得なかった。
8月以降、担当教官の第二階層、第三階層と言えるようなパーソナリティと接した。
教習の進捗が危機的なだけでなく、路上に出て人の命に関わる時期を迎えていたから、当然といえば当然の流れでもあった。
ただ、全力でチャラチャラしていた頃のやりとりも、変わってしまった後のやりとりも、担当教官との掛け替えのない思い出であると同時に、私の人生に必要な経験であったと思う。
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私の自動車学校生活は3つのフェーズに分けられた。
1.最初の担当教官の元、技能だけ進めるフェーズ。(学科はさぼっていた。)
2.最初の担当教官が人事移動になったこともあり、遅れていた学科を進めることになったフェーズ。(しかしここでもさぼり倒してしまった。)
3.担当教官が変わり、遅れていた学科を進めるとともに、技能も1からやり直すことになったフェーズ。
ここで綴っているのは第3フェーズの話で、何を隠そう私は担当教官のことが好きだった。
第一印象としてまず素敵だと思ったのと、色々なことに目を瞑ってくれ、楽しい時間を過ごさせて貰ったことがとても嬉しかった。
私の自動車学校生活は、毎週土曜日に技能教習を2時間受ける形となっていた。
ただこの2時間の間に、担当教官は毎回みるみる疲弊した。そして私は毎回己の言動を深く反省した。
あまりに疲弊するから、嫌われているんじゃないかとも思っていた。
しかし一週間が経つ頃には、担当教官は感情をリセットしてくれていた。
そのような中のある日、担当教官は突然私を「○ちゃん」(○の中は苗字からの一文字)と呼ぶことにすると宣言してきた。
私はこのような性格であることから、男性にちゃん付けで呼ばれることは殆どなかったし、そもそも私自身の男性への免疫があまり無いため、このことには結構な衝撃を受けた。
また、出会った頃は付けられていた指輪が、いつの間にか外されていたことを観測した時も動揺した。
ただ、今思うと色んなことが気分だったのかなとも思う。
でも、本当に笑い合っていたと思う、最初の頃はとても楽しかった。
と、担当教官を好きになって良かったことがあった。
私がKさんに対して抱いていた異性としての好意は昇華され、私のKさんへの思いは、純粋なリスペクトと愛で構成されるようになった。
未だ己が身を固められていない現実に落ち込むことはあるけれど、こうして好きな人が変わりながら存在することは、有難いことだと思うに至った。
結果的に破れるような形であっても、私は誰かを好きな気持ちで前に進んでいけるから、好きでいさせてくれたことに心から感謝だ。
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担当教官の対応が180度変わってしまった後も、私の気持ちは大きくは変わっていなかった。
むしろ第二階層、第三階層のパーソナリティで接されていることで、自分は特別な存在なのかもしれないとさえ思っていた。
少なくとも、担当教官は私の好意を分かっていたと思う。
そのような話を一つしたい。
・・・自分の教習まで少し時間があったある日、私は待合ロビーの奥の隅のロッカーの隙間に挟まって呪術廻戦を立ち読みしていた。
授業開始時の混雑をやり過ごすためだった。
少しして授業開始の放送が流れて、待合ロビーは教官と教習生の合流で賑やぎ始めた。
そのような中、私の後方から足音が迫って来ているなと思うやいなや、担当教官が「ばあ」と言って話しかけて来た。
その後少しだけ言葉を交わして、担当教官は教習へと旅立って行った。
この時私は「変わっていないのかもしれない」と思ったし、嬉しいというかくすぐったいというか、きっと今時のメンズは「ばあ」とは言わないだろうとな思った。
とはいえ、第二階層、第三階層のパーソナリティで接されることで、毎回教習を終えるたびに寂しい気持ちになり、気分も塞ぎ込んでしまった。
具体的に言うと、車内には葬式ムードが漂い、時間の経過と共に担当教官の苛立ちが募り、それに伴って少々乱暴で一方的に感じられる指導となった。そもそも不安な路上での運転は混迷を極めた。
が、そのような状況を指を咥えて看過することは出来ないため、私はYoutubeで自学自習を行うようになった。結果的にこの取り組みがとても良かった。
こうして、徐々に自立的マインドで免許取得を進行するようになっていく中、一時的に担当教官の元を離れ、他の教習生との合同教習を受けたり、別の教官から路上教習を受ける機会があった。
結果的にこれらの機会がものすごく良かった。
他の先生がた、他の教習生と交流したことで、様々な事柄を客観視することが出来るようになった。
またその中でも印象的な教習があって、その教習が最高に楽しくて、その後から担当教官へ抱いていた異性としての好意が驚くほど消失した。
どのような形であっても、自分が凹むようなコミュニケーションを、愛として認識すべきではない。
勤め先の日常で、ふとKさんの深くてあたたかい愛情に触れる折があって、そのことに気付けたことも大きい。
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担当教官への異性として好意が消失してからは、担当教官、ひいては自動車学校、自動車学校の教官という存在に対して、純粋なリスペクトと感謝の思いを抱くようになっていた。
同時に改めて反省をしていた。担当教官とのやりとりを思い返すと、己のおこがましさが恥ずかしくて、卒倒しそうだった。
しかし、担当教官に対して不用意に萎縮することはなくなった。
路上運転に慣れて少し余裕が出ていたこともあったのと、担当教官と私のコミュニケーションはこのくらいがちょうど良いと思うに至っていたからだった。余計なことは話さないほうが心地良い。
そうして卒業試験の前日(10月25日)、担当教官と最後の教習時間を過ごした。
金曜日だったので、私は日が暮れる頃に仕事を上がり、学校へと向かった。初めての夜の路上運転ということもあり、緊張していた。
しかし、この日の担当教官は、変わってしまった世界の中で、一番丁寧に教えてくれたように感じた。これまで100度指摘されている同様のミスも、厄落としみたいに普段やらないようなミスも、全部丁寧に指導してくれた。
路上駐車の練習をした。駐車した状態で少し話をした。内容は運転のことだけれど、少しだけ時間が長く感じられた。もし好意を抱いたままの私だったら、そのまま告白しかねないようなひと時だったかもしれない。
この日の教習が終わった後、担当教官は「教えられることは全部教えたから」と言っていた。確かに全部教えて貰ったと私も感じていた。
翌日は用事があって、私の試験が終わる頃にはいなくなるから、別の先生を訪ねるように、とも伝えられた。
これは修了検定の時と全く同じくだりだった。修了検定の時は翌日の試験を落としてしまった。再度受け直して、担当教官がいる時に合格した。その時は担当教官に見守られているような気がして、でも今回はもう、その時の自分とは違っていた。
その後担当教官から卒業検定の説明を受けていると思っていたら、気付かぬうちに解散の形となっていた。
颯爽と職員室へ戻ろうとしている担当教官を追いかけて、名前を呼んで呼び止めた。
そう、私は贈り物を渡そうとしていた。
色々あったけれど、担当教官にはどうやっても世話になったし、私の担当教官は担当教官が一番ぴったりだったから、どうやっても感謝しかなかった。
贈り物をこの日のためにこつこつ準備した。
「なんもいいのに〜」
「明日合格したら受け取るよ」
と担当教官に笑顔で言われて、確かにそのほうがいいなと思うと同時に、異性としての好意が消失していても、このシチュエーションはなんだかエモーショナルで、少し泣きそうな気持ちになった。
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そのようなわけで、翌日の卒業試験は、それはそれで色々あったけれど、天気に恵まれ、運に恵まれ、無事合格する運びとなった。
合格の後、訪ねるように言われていた先生の元を訪ねた。
こちらの先生にも度々こうしてお世話になっていたので、感謝の旨を伝えた。
その先生からハガキを2枚渡され、住所と担当教官へのメッセージを書くように言い渡された。
卒業してからしばらくすると、担当教官からのメッセージが届くシステムとのことだった。
何度も口頭で伝えた反省の言葉と、お詫びの言葉と、感謝の言葉をハガキに書いた。
そしてその先生に、担当教官への贈りものを託した。「OK」と快く引き受けてくれた。
明日には担当教官は贈り物を受けることと思う。
他にもお礼をしたいと思っていた先生がたには、おおよそお礼をすることが出来た。
だけど、長らく通っている間に出来た顔見知りのような愛らしい方々への挨拶が不十分だったため、雪道運転講習を受講する際にしっかりと挨拶をしようと思う。
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いつも恋愛感情に軸足を置いた内容となり、読んでくださっている方には恐れ多いけれど、私は誰かを好きな気持ちで生きていけるので、これからも感謝の気持ちや謙虚な姿勢と共に、前向きにやっていこうと思う。
文章を書くことに精を出し過ぎ本日は寝不足で仕事を遂行したため、この後は一刻も早く就寝する。
ここまでご精読くださり、誠にありがとうございました🙇🏽♀️