川を見にゆく
ここのところ、天候に振り回される毎日。高温が続いたと思えば、ゲリラな雨が。そういや、春先はやけに暖かかったり、季節が戻ったかのようなこともあったね。で、今回は台風。
東北地方はあまり台風の影響を受けないことが多かったけど──こちらにくるまでに力を使い果たしていることが多くて──近頃は東側から直接いらっしゃるこようになってドキドキですよ。
先週の台風6号なんてまさにそれで、うちの方に向かってくるんで本当にびっくりドッキリでした。さいわい、わたしンチのあたりは大した被害はなかったですが、山形秋田両県をはじめ多くの地域で大変なことになったのは記憶に新しいところ。
で、今度は7号。最大級の勢力で迫ってきて、またもやドキドキですよ。当地は内陸なので風の被害はあまりありませんでしたが、雨がちょっと多かった。氾濫するまでではなかったですがね。隣町では8月1ヶ月分が1日で降ってしまったとか。
台風と休日が重なったときは、できるだけ向かうところがあるの。山間の狭隘な地形も相まって迫力満点な観察ポイント、飯野堰堤公園。公園とは言いつつもいつもだあれもいなくて、それでも台風が去ったとなると、わたしらだけはいると。
ここに行くと感じられる「生命の危機」、それがポイント。公園の駐車場で車から降りると、あたりに満ちている轟音。鉄製で滑りやすく、もしかしたら錆びてて崩れるんじゃないかという階段。立ち込める水煙は渋そうな匂いがする。近づくにつれ聞こえてくる波の砕ける音。川面は三角波で覆われ、堰から落ちる水は大きく跳ねている。
「まだ生きている」。あと数歩も進めばきっと死んじゃうところに立っている。アドレナリンが分泌され心拍数が上がっていく。気分がちょっと高揚して、足が地につかないな、と感じたら引き返すことにしている。長居は危険。慣れたら危険。
カン、カン、と音をたて階段を登っていく時、ふと振り向くと褐色の濁流が手招きしているような気が……は気の迷い。
山を降り、おそい昼食をラーメンで済ませた。