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「86歳、やっとひとり」 ~ #51 二度目のお正月

すっかり更新をサボってしまいましたが、このブログのテーマである”高齢者施設で暮らす母の生活”は百年一日の如し。年末~新年といっても、これといった変化はない。予定外と言えば、私と妹の正月訪問がコロナ禍で叶わなかったことくらいだ。

母はことさら訪問をねだる人でもないので、「まあ春頃には何とかなるかしらね~。」
と鷹揚なもので、母も私たちも早々に&アッサリと訪問予定をとりやめていた。

「あけましておめでとう!」

元旦の朝、妹の家から二人で電話をすると、母もさすがに退屈していたのか
「あら~、あと10分掛かってこなかったらこっちから電話しようと思ってたところよ。駅伝見てたけど、」と待ちかねた声。
ひとしきり新年の挨拶と、恒例のお天気のやりとりの後、母があちらで暮らすようになって2度目になる年末年始の様子など聞いてみる。

「今年はクリスマス食事会も24日と25日とあって、私は両方出たからチキンもケーキも2回も食べちゃった!お酒飲む人にはワインも出たし、とっても良かったわよ~。去年のクリスマスとは全然違って、すごく素敵な会だったわ。」

調理スタッフが代わったとかで、最近は施設の食事の評判もすこぶる宜しい。去年はコロナで年間行事がほとんど飛んでしまったことから、予算にも余裕があったのかもしれない。

さらには、「新しく来た施設長さんがなかなか洒落者で、その日はいつもとちょっとちがうお洋服で来て、クリスマスソングやサンタルチアとか唄ってくれちゃうのよ。大したもんよ~。私も忘年会ってことで4人で年末最後のカラオケして。。。」云々云々。

何のことはない、私たちの訪問キャンセルなどものともしない訳だ! 完全に新しい環境に馴染んで楽しんじゃっている。「去年より素敵💛」なのは、要は楽しむ余裕が出来たってことではないか?

2019年11月の入居だから、ちょうどワンラウンド/丸一年を過ぎたところでのお正月。初めての環境、初めての一人暮らしで、そこへもってきて想定外のwithコロナ…。母が慣れるまでこちらも多少の気遣いはしたものの、これはもうとりあえず「大丈夫!」の大きいハンコを押してもいいのではないか?

というわけで、今年も、来年も、その次も…、この調子で母が健康で楽しく過ごしてくれることを祈る私と妹にとって、何とも有難く嬉しい年明けだった。

とはいえ「年寄りに明日はない」
今日と同じような明日が来るとは限らない高齢者の一日の重みを思いつつ、今年も母との良い距離よい時間を大切にしようと思います。

ブログにお立ち寄りいただいた方へ、本年もどうそよろしくお願いいたします。

「86歳、やっとひとり」 ~ 母の「サ高住」ゆるやか一人暮らし
「何も起きないのが何より」の母のたよりと、「おひとりさまシニア予備軍」(=私と妹)の付かず離れずの日乗。

【ここまでの展開】
「最後は(故郷)〇〇山の見えるホームで暮らすの💗 」 60代前半から”終の棲家”プランを温めていた母が、86歳と10か月、ついに東京に住む私と妹を残しN県に移住した。
予想外のコロナ禍の中、母はホームでの二年目を迎えた。

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