1月28日 脱ピエロ
バイト先から家に帰るには、真っ暗な農道を下らなくてはならない。何も見えない。皆、スマホのライトを照らしながら歩いている。それが滑稽に見えた私は、暗闇を暗闇として受けて立ち、真昼間の農道を思い起こし、その記憶を目蓋に貼り付け、VRを体験しているかのように坂を下る。農道の幅は人間2人分もない。1.5人分程のコンクリートが山の上にひかれている。先程1.7人分目の所に足を置いてしまい、挫き、右足の端のみが水溜りに浸かり、不快で、その上手く行かない感じが、なんかこう現状の自分と重なってしまい、鬱々とした気持ちになってしまった。ちょっとだけ糞をしたいことを思い出し、元気が出てきた。レッドブルを飲んでみた。夜に飲むことはないのだが、飲んでみた。もっと糞をしたいなと思ってしまい、嫌な気持ちになった。
そう言えば今日、いつも仲良くお話をしてくれるおばちゃんがレジに来た時、「誰とでも喋れるってどう思う?誰とでもというか、分け隔てなくというか。どう思う?俺は最近気さくな自分が嫌いなんだけど、どう思う?ねえ、どう思う?」と突飛なことを言ってしまった。彼女は確か「いいじゃん、いいことだよ。」みたいなことを言ってくれたと思う。そうゆうしかないし、それが彼女の本音かもしれないし、ていうかやっぱりそうゆうしかないのに、私はその回答に物凄くイライラして、というのも、75点みたいな回答をしようとして、75点を出した彼女の姿勢に腹が立ったし、何か変な質問してるんだから、変な回答をしてくれよと退屈に思ったりして、がしかし、「いいじゃん、いいことだよ」というべきで、現にそれ以外のちょっと食ったような回答をされたからには、私は本気で立ち向かうだろうし、とか考えている内に、なんか本当にムカついてきて、「二度とあなたとは口を聞きません!」と俺は言っていて、それから俺はアワアワし始めて、隣のレジのお姉さんが思わず「極端かっ!」と突っ込んでくれたことで生じた間に高校球児並みのヘッドスライディング、「なーんてね!」を滑り込ませたのである。おれ、きしょい。けど可愛い。ノリが良いだけの人は、阿保だ。自分を阿保に見せてる。自ら進んで階段を降りている。相手を舐めているのにも等しい。毅然としなくては。馬鹿にすんな、ボケ。
落合諒です。お笑いと文章を書きます。何卒よろしくお願いします。