私のせいで他所の子供が怒られちゃった
私は折り紙が好きで、ストレス解消にしょっちゅう折っています。作った後は子供やペットに遊ばせて割とすぐ処分します。
ある日、保育園の娘のお友達に折り紙作品をあげました。
横で見ていた子が「えっすごい、いいなぁ!」と言うので、その子にも作ってあげました。
その子が折り紙を周りに自慢し、いつの間にか他のクラスの子にまで噂が伝わり、すっかり折り紙の人と認知されてしまった私。
名前も知らない子から出会い頭に「何か作って来た?」と言われるようになり、作っても作っても瞬ではけるほどになってしまいました。
もう誰にあげたかわからないくらい作ったし、一部の子は貰いすぎて家にコレクションされているらしい。
親御さんからお礼を言われることも、逆に子供におねだりしないよう注意する姿を見かけることも増えました。
隙間時間にちょこちょこ折るだけなので最近は数が足りないことが多く、今度私にも作ってと遠慮なく言える子はいいとして、貰えた子を羨ましそうに見ている子や貰えなくてしょんぼりする子にも行き渡るよう、ごく簡単なものを量産するようにしました。
作品のアイデアをくれる子や、混雑を避けて静かに予約しに来る賢い子もいたりして、こっちが勉強させてもらっています。
折り紙を通して沢山の子供と接することで見えてきたこと。
早い時間にお迎えに行くと、子供達と雑談する時間が取れて需要調査ができます。
その時間帯は、私はもう持ってるからと他の子に譲ったり、友達にあげるために複数の作品を依頼するような、優しくて目の輝いた子が多い印象です。
遅い時間にお迎えに行くと、我先にと奪い取って行く子や、貰っても貰っても足りないという子の割合が少し高くなる。
忙しくて作ってない日なんか、「なんで無いの!?」と怒られ平謝りする事もあります。仕事と言っても子供には通じないですしね。
欲しがる・満たされない・愛情不足
この辺りが少し気になります。
折り紙作品を見慣れたうちの子に関しては、折り紙以外の、例えば友達が着ているが自分は持っていないタイプの服やアクセ、テレビCMやYouTubeで見かけたおもちゃ等に目が向くので、そういう物に執着が見られる時はコミュニケーション不足も視野に入れて、子供達とその物が必要かよく話し合うようにしています。(それが正解かは知りません)
家族のことでも思うようにいかないんだから、他所の家の事にまで首つっこもうとは思わない。
けれど、あの子が貰った作品を私も欲しい、そのくらいのお願いは叶えてあげたい。
地味に時間と費用はかかるけれど、楽しいからやっている。
折り紙なんて小さいうちしか遊ばないし、そのうち勉強漬けになるんだから、今のうちにいっぱい触れて欲しいと思います。
同時に、うちでも折り紙が散らかるように、園や各家でも掃除が大変になるだろうと思ったので、先生方や親御さんと話す機会があれば迷惑になっていないか尋ねたり、遠慮なく捨ててくださいと伝えるようにしています。
こないだ別室移動のために並んでいた子供達の列が、タイミング悪く私が登園したことで乱れて大騒ぎになりました。
私の手に負えない問題が増えたので「もうやめた方がいいんじゃないか?」とパパには言われました…。
それとまた別の事件。
うちの荷物をお友達が勝手に開けた瞬間を先生が見ていたんです。
ぶっちゃけ、勝手に荷物開ける子なんてその子だけじゃないんですけどね。
私の手提げ袋の中に折り紙が入っていることを知っている子供達は寄ってたかって覗きに来ます。
大抵親御さんや先生は遠巻きに見るだけで、私が「ちょっと待ってね」と制すればその場は収まります。
逆にうちの子がお洒落なママさんのバッグを覗いてお詫びすることもありますが、大らかな方ばかりで問題にされません。
しかしその先生は何故か大ごとにし、親御さんに報告したようです。
後日その子が先生と親に背中を押され、ボロボロ泣きながら私の前に立ちました。
なんてことしてくれるんだと思った。先生と親御さんは、きちんと謝る子供の姿が見たいらしい。
しかしその子はプレッシャーに負け、ごめんなさいの言葉が出てこない。
仕方なく「大丈夫だよ」と手を握りながら謝罪の言葉を待った。辛かった。
そういえば今度の遠足ってどこに行くんだっけ?と話を逸らすと、引きつりながらも「水族館」と答えてくれた。
この子は特に沢山、キリがないくらい欲しがる子。
親御さんは厳しくも優しい善良な方だけれど、この子は満たされているようで満たされていない、私の乗客さん。
試練かなにか?どうするのが正解だったのか分からない…。
子供に欲しがるだけ与えることについての影響を検索しました。
何でもかんでも与えていると、手に入らない状態を許せない我儘な人間になりがちだそうです。
しかし欲求を満たすことも必要。我慢を教えながらもバランスよく報酬を用意するのが良さそうです。
なるほど。
いやー…
「紙」だしなぁ。
後日、別の親御さんから、「いつもありがとうございます、こんなすごい作品を…!」と声をかけてもらったので、ただの紙とは思われていないことに気付きました。
我が家では今日も、ビリッと破られぐしゃっと踏み潰されボロボロと噛まれた元作品がちりとりに集められてゴミ箱に送られていますが…。
他所の方は私の折った紙に価値をつけてくれているんだなぁ、こちらこそありがとうと感謝が沸き上がってきました。
今度は私の手提げからどんな作品が出て来るのか、毎日楽しみにしてくれている子が大勢います。
こないだ泣かせてしまったあの子も、もしかしたらもう欲しがらないようキツく怒られているかもしれない。
それでも作ってあげたい。
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