お茶あれこれ305 2018.0422~0505
1. 江岑夏書Ⅱ
浪花野茨の花が、開いてきた。暫く硬いグリンの蕾のままだったのに、この二日ほどの初夏のような天気に慌てて咲いたのだろう。野茨と言えば、蕪村である。蕪村にとって、花茨は原風景を象徴する花であったと言われる。甘く爽やかな香り立つ花は蕪村の郷愁でもあったのだろうが、浪花野茨の棘は尋常ではない。
それが世間の壁を意味していたともいわれる。「花茨 故郷の路に 似たるかな」
「路絶て 香にせまり咲く 茨かな」 「愁ひつゝ 岡にのぼれば 花いばら」
野茨にしては大輪の白い花