【整形外科専門医が解説】扁平足について
扁平足とは?
足の裏は通常縦にアーチを形成していますが、
扁平足ではこのアーチが低下し、足の裏が扁平になります。
引用:日本整形外科学会
扁平足の原因は?
扁平足は先天性のもの、小児期に発症するもの、成人期に発症するものに分類され、
それぞれ原因は以下の通りです。
先天性扁平足・・・先天的な踵の骨の配列異常
小児期扁平足・・・関節周囲の靭帯の緩み
成人期扁平足・・・足の縦アーチを保持する後脛骨筋腱の変性断裂
引用:日本整形外科学会
扁平足の症状は?
小児期から扁平足が存在する場合は痛みを伴うことが少ないですが、
成人期に発症した後脛骨筋腱の変性断裂による扁平足では足の痛みが出現します。
初期には、後脛骨筋腱に沿って内くるぶしやや下方に腫脹と痛みが出現し、
進行すると、踵の骨が外側に傾き、外くるぶしの骨と踵の骨に挟まれた皮膚の下の組織に痛みが出現します。
また、進行するとつま先立ちが難しくなっていき、
さらに進行すると関節が固まってしまい歩行障害を来します。
扁平足の診断は?
視診にて、足の裏の扁平化、踵の骨の外反(外側に反る)を認めることで容易に診断できます。
また、
患者さんに両足を揃えて立ってもらい検者が足を後ろから見ると、
扁平足の足では逆の足と比べて多くの足の指が見えたり、(too many toes sign)
片脚立ちの状態でつま先立ちができなくなる所見(single heel rising test)
も診断に有用です。
レントゲンでは足の縦アーチが低下しているのが確認できますし、
MRIでは後脛骨筋腱の断裂を確認することもできます。
扁平足の治療は?
アーチサポート付き足底板を装着します。
アキレス腱のストレッチや足部内在筋の筋力強化運動(足の指を良く動かす)もあわせて行います。
引用:日本整形外科学会
※下肢痛を来す疾患についてマガジン「下肢痛」にまとめていきます。