二つの全天星座図
二つの全天星座図
galaxy20,000yearslaterseries
第2弾
ミーターの大冒険
第六部
地球へ
第8話
エピソード 150
ミーターが手元のホログラフィック・ディスプレイを操作しながら歓喜の声を上げた。
「やったぞ、イルミナ!ついに見つけたんだ、『太陽系』の座標がわかったぞ!」
その声に、部屋の空気が一瞬、緊張感を帯びた。
イルミナは驚きつつも、落ち着いた声で応じた。「『太陽系』ですって?それに、メルポメニアから見上げる『全天図』でしょうか?」
彼女の目が微かに輝く。ミーターがどれほど長い時間をこの探求に費やしたか、彼女は知っていた。
すなわちメルポメニアの全天星座図ともう一つの地球の全天星座図とを照らし合わせると太陽系や母なる大地「地球」へのアプローチが可能なる。ミーターの予測は正解であった。2人(?)にとっては『図星』とはそのまま「二つの全天星座図」であった。
「そうだ、イルミナ。『カビレ』は、もともと『太陽』と呼ばれていた星だったんだ。そして、地球はその『太陽系』の三番目の惑星で、完璧にハビタブル・ゾーン内にある。まさに奇跡的な星だよ。」
ミーターの声には興奮があふれていた。
「本当に素晴らしいです、ミーターさん!やっぱり、あなたは流星のように速くて的確な人でしたね。まるで、『狙った的は絶対に外さない』っていうのが当たり前のようです!」
イルミナは微笑みながら、ミーターの成果を称賛した。
「何でも訊いてくれ。今、この頭脳に詰め込んできたばかりだからな。」
ミーターは胸を張り、彼女に目を向けた。
「そうですねぇ…それでは、地球の位置はどこですか?」
イルミナが興味深そうに訊いた。
「10.47光年先だ。」
ミーターは即座に答えた。
「じゃあ、太陽系に最も近い、人類が居住可能な系外惑星のある星系は?」
イルミナの目がさらに輝きを増した。
「ケンタウルス座のアルファの近く、プロクシマ・ケンタウリだ。」
ミーターは自信満々に答える。
「その星系は太陽系からどのくらい離れているんですか?」
イルミナはさらに問いかけた。
「4.246光年の距離だよ。」
「まあ!それは素晴らしい!とても近いわね!」
イルミナは感嘆の声をあげた。
「シリウスやカノープスといった星々は、地球の天体図で一番輝いている星だというのは、本当でしょうか?」
彼女の好奇心は尽きなかった。
ミーターは微笑んだ。「その通りだ。シリウスはおおいぬ座にあり、カノープスよりも2倍の明るさを持っている。シリウスは地球から8.6光年の距離だよ。ちなみに、カノープスはりゅうこつ座にあって、地球から310光年も離れている。」
彼の声には、達成感とともに知識を共有する喜びが感じられた。
「本当に流星のような情報ですね、ミーターさん!」
イルミナは冗談めかして言ったが、その言葉には真の感謝と驚きが込められていた。
次話につづく . . .
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