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フッ素コーティングのフライパン

買ったその日が1番コンディションがいい

フライパンと聞いて
一般的に知られているのが、フッ素樹脂コーティングのフライパンではないでしょうか?

食材がこびりつきにくく、とても扱いやすいのが特徴です。

「永遠に焦げつかないフライパンがあったらいいのに・・」と言われますが

鉄やオールステンレス素材のフライパンが、一生ものであるのに比べ
フッ素樹脂コーティング素材のフライパンは、あくまで消耗品になります。

どんなに丁寧に使っていても、表面のコーティングは劣化し最終的には剥がれてきます。

フッ素樹脂コーティングのフライパンのイメージを思い浮かべると・・
フライパンの中で目玉焼きがスルスルとまわり薄焼き卵がスルッとお皿にすべるといった感じでしょうか?

確かに、フッ素樹脂コーティングの表面は氷以上にツルツルで、フライパンにいれた食材は気持ちよく滑り、使った後の食材や油の汚れも簡単に落とせます。

これがフッ素樹脂コーティングの大きな特徴である「こびりつかない」です。
調理をしていて大きな失敗はないので、簡単に調理するにはとても便利です。

何で?
こびりついたり焦げついたりするようになるのでしょう?

原因のひとつ目に
「適温で使用していない」があります。

フッ素樹脂の熱の伝わりは、鉄やステンレスに比べ格段に悪く、熱を遮断する性質を持っており
熱伝導は鉄の1/217と言われ、熱効率が悪いとも言えます。

ついつい強火でしたくなるのはこんな理由からかもしれません。
そして、強火調理を繰り返していると、フッ素樹脂の劣化が早くなってしまうのです。

ふたつ目は、
「調理時の油」についてです。

フッ素樹脂コーティングフライパンは「油は使わなくていいのよね?」とよく聞かれますし、
確かに料理番組や雑誌を見ていると油を使わなくても大丈夫と言っています。

そう、最初のうちは大丈夫なんです!

でも、油を使わないで使っていると
「すぐダメになっちゃうのよね〜」と言われるフライパンになってしまうのです。

そして油を使わずに使用すると、フッ素樹脂コーティングの劣化が早まり・・
こびりつきやすく、焦げつきやすいフライパンに早くなってしまうということです。


白子


<使い方>

次からは、フッ素樹脂コーティングのフライパンの 使い方・お手入れの仕方をお伝えしながら
「なぜ?なぜ?」を解決していきます。

1. 調理時の油

「油はいらないフライパン」
「油なしでつかえるフライパン」
こんな風に思われている方が多いかもしれません。

しかし、フッ素樹脂コーティングは「から焚き」「から焼き」が天敵です。

なぜ油が必要なのか?

フッ素樹脂コーティング(PTFE)の耐熱温度は260℃、食用油を熱して煙が出てくるのが200℃「から焼き」や「空だき」をすると、この耐熱温度である260℃を超える高温になります。

これを防ぐために油は必要なのです。

お気づきの方も多いと思いますが、
フッ素樹脂コーティングは油を入れても表面には、馴染まず油があちこちに流れてしまいます。
少し手間がかかりますが、油をコーティングするようにペーパーで塗りつけてあげるとさらによいでしょう。

また、180℃を適温とするフライパン調理では油は欠かせません。
油は水と比べると短時間で高温になります。
油によって手早く、効率よくフライパンを温めることができ、フライパンの底面〜側面の熱ムラも解消してくれます。

IHでいうと発熱する部分(中心〜直径約10cm)
ガス火なら炎の当たる部分に、
熱が偏りやすいので油によって熱の偏りを軽減してくれるのです。

※IH使用※
底面に当たる部分が11cm以上でないと反応しない

油はフライパンと食材の間で熱伝導をよくしたり、料理を美味しくします。
少量でもいいので必ず使ってください。

2. 使用する温度

焼く、炒めるの美味しくつくる適温は180℃

購入するときや、取扱説明書にも「中火・中火以下でお使いください」とあります。

最近のフライパンはとても熱効率・熱伝導がよく、中火でもすぐに予熱ができます。
蓄熱性がよければ中火で使っても十分に調理ができます。

美味しく調理ができる温度帯は60〜180℃
食用油を熱して煙が出始める温度が200℃
フッ素樹脂コーティングの使用上限温度は260℃です。

つまり
適温の180℃からさらに80℃も高くても、耐えれるのです。

ですが・・・
うっかり強火で3分以上、から焚き・から焼きしてしまうと簡単に360℃〜の世界に行ってしまうのです。

早く熱して、早く調理してしまいたい気持ちはわかりますが、
中火・中火以下で予熱→調理 する習慣が身につけばフッ素樹脂コーティングの劣化を遅めることができるのです。

中火ってどれくらい?

「中火で使ってます」という方も、実はまだ火力が強いこともあります。
フライパンの底に炎が当たるくらいの火加減が中火になります。

中火以下となれば、弱火よりちょっと強いくらい。ガス火をお使いの方は、コンロのつまみの中火ではなく実際の炎を見てみてください。

確認して見ると思っていたよりも強いことがあります。つまみの1/3程度だと火力は強いです。

また、蓋をつかって調理すればさらに効率よく火が通ります。

炎の強さよりも大切なのはフライパンの表面温度です。
火力を弱くしていても、熱伝導の良いフライパンであれば、表面温度が高くなり焦げつきの原因になります。
今までよりも弱め・弱めを意識してみてください。

3. 焼くときのポイント

できるだけいじらない

ちょいちょい動かしたり、かき混ぜたりせずに
下の部分にしっかり焼き目がつくまでじっくり焼いていきます。

炒めるときも、かき混ぜたりせず、じっくり焼き、全体をひっくり返していくといいです。

いじっていた方が全体にムラなく火が通るように思いますが、それは逆で素材にちゃんと熱が伝わらないのです。

余熱でフライパンを適温に熱しても食材を入れると表面温度は下がります。
片面が焼けても、食材がフライパンに接してない部分は常温です。
この焼けていない部分が表面に触れる回数が多ければフライパンの温度は下がってしまいます。

また、焼き目がつかないと素材から水分が出てベチャっとなる原因でもあります。

4. おすすめアイテム

金属のフライ返しや、金たわしは使わない

最近は、金属のフライ返し使用OKのフッ素樹脂コーティングもありますが、ほとんどがNGです。

コーティングに傷がついてしまうと、その箇所が焦げつきやすくなり劣化が早くなります。

「私は使わないんだけど家族がね・・・」と
聞くことが多いのですが、フッ素樹脂コーティングのフライパンしか使わないのであれば思い切って手放すのはどうでしょうか。

あると使ってしまいますよね・・

オススメは、木・プラスチック・シリコン素材

プラスチック・シリコン素材のものは
耐熱温度(200℃以上)を確認して購入するようにしてください。

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私のオススメは、
OXOのシリコンターナー(耐熱温度280℃)
ステンレスの上にシリコンで薄くカバーしてあり適度にしなるので返しだけでなく、ソースをぬぐったり、とろとろのオムレツを作るのにもとっても便利です。

1番の良いところは卵料理をしてもターナーの先端にこびりつかないこと!
このこびりつきがストレスって方、けっこう多いんじゃないでしょうか?


<まとめ>

フッ素樹脂コーティングフライパンは、
使い続けられるフライパンではありませんが、日常使いには、使い勝手が良く、日々活躍する道具となってくれること間違いなし!

少しでも長く、快適に使えるように、
基本的な使い方を心に留めておいていただけたら嬉しいです。

コーティングが剥がれたり、こびりつきなどの使いにくさをを感じたら、買い替え時期かもしれません。

お気に入りのフライパンに出会えますように。
道具選びの参考になりますように。





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