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叙事詩的梅酒
7月もあっと言う間に15日が過ぎようとしております。
折しも東京ではお盆の眞っ最中でありまして、そんな中で去年作った酒を解禁する事に致しました。
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それがこちら。
ブランデーで作った梅酒、その名も「ギルウメッシュ」であります。
去年の6月13日に製造し、昨日解禁したのであります。
作り方は梅の實と酒と氷砂糖で以って作る至って普通の梅酒と同じですが、焼酎ではなく少々違った酒を使うとまた風味も独特で樂しいものです。
こう云う物は最初だけ手間が掛かりますが、あとは放置しておけば旨い物が出來上がるので忙しい毎日でも良くしたものであります。
時々瓶を揺すって様子を見たりすると愛着や樂しみもまた廣がります。
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この様にして實家の納戸で放置 慈しみ熟成していたのですが、その間1年と1ヶ月と1日…。
そして解禁時の画がこちら。
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これだけ漬けると味もまろやか且つ濃厚にしてその香りも絶佳であります。
ラベルはパソコンを用いて自作致しましたが、こう云うところにこだわるとまた面白いものです。
新造時に浮いていた梅の實も今は充分に成分を抽出して瓶の底に沈んでおります。
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これまでに幾つもの果實酒を作って參りましたが、こう云うところも余すところ無く愉しんでおります。
こうして見ると呑む樂しみも生まれます。少量ずつ日頃の樂しみに…。それが健康の秘訣なのです。
先程の画像に仏壇の前の提灯の脚が寫っておりますが、最初の1杯はご先祖様の分。お仏壇にお供えしてから戴きます。
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今年は瓜が大きな物しか賣っておらず、仏様の乗り物の牛が巨大になってしまいました。
さあ、愈々戴きましょう。
夕飯の精進料理にこの酒は食前酒として最適です。
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梅の實も柔らかく味わい抜群です。
廣口瓶から直接専用の柄杓で以ってミニジョッキになみなみと注いでロックで戴いております。自分で作る果實酒はこれが樂しいのです。
こうして仏様にお供えした物を一緒に愉しむのがご供養になるのだとか…。
棚經にお見えになった御前様との會話も弾み、今宵の酒もまた一段と旨く感じるのでありました。
納戸にはまだまだ藥用人參酒と柚子酒が眠っておりますが、それはまたいづれかにお目見えする事でございましょう。
コレクションの様に新聞紙に包まれた廣口瓶が並ぶその光景は見ていて樂しいものです。
ギルガメッシュ。
それは古代メソポタミアの叙事詩か、それとも北海道の競走馬か、若しくは石ノ森章太郎先生の漫画か、或いはかの名作ファイナルファンタジー5の好敵手か、はたまた昔密かに観ていた深夜番組か…。
それは貴方の思い出次第………。
あの頃の思い出と共に梅酒の味わいもまた深まります。