消えていった投資家と、生き残った投資家
最近、投資家が減った?
最近Twitterを見ていて、タイムラインに流れる投資家のツイートが減っているような気がします。特にこの1ヶ月ほど。肌感覚ですが。
また、私のフォロワーさんの数があまり変化しなくなりました。新規フォロワーさん増加の通知がこれまで通りのペースで鳴っているにもかかわらずです。
ということは、既存のフォロワーさんが急に私をアンフォローかブロックし始めたか、垢消しする方が増えたか。
根拠は無いですが、後者ではないかと思っています。
株価と関係があるか
最近の株価と関係があるでしょうか。
全世界株式インデックスはこのように推移しています。2022年に入ってから下げ始め、年初来約10%の下落です。
全米株式指数に連動するVTIも、当然、同じような値動きを見せています。
Twitterの株クラスタで人気沸騰中の「レバナス」はどうでしょうか。年初から約30%の下落です。
ひっそりと消えていった投資家
本当に垢消しが増えたのかはわかりません。(調べていないので)
株価が低調になったことと垢消しが増えたこととの間に関連があるかどうかも、証拠があるわけではないのでわかりません。(直感的には、関連があると思っていますが)
一般的に言えることとして、人は、成功体験は他人に知ってほしいが、失敗は隠したがる傾向があります。
邪推すれば、この数ヶ月の下落を受けて、資産を売却して株式市場から退場してしまった投資家が相次いでアカウントを削除したものと想像できます。
投資の失敗と退場をわざわざTwitterで発表する人は少ないでしょう。ひっそりとアカウントを削除して元の生活に戻る人がほとんどだと思います。
普段見えているのは、生き残った投資家たち
そのこと自体はしょうがないと思いますし、笑うつもりも非難するつもりも毛頭ありません。
私はむしろ、ひっそりといなくなった投資家のことを、無視してはいけないと思います。それどころか、より強く意識すべきだと思っています。
失敗した投資家がひっそりと(SNSから)消えていくということは、別の見方をすれば、SNS上に残っているのは、下落に動じなかった投資家だということ。
私たちがSNSで交流している相手は、「生き残った投資家」の割合が現実よりも多いと言っていいと思います。
このことは、SNSで投資情報を集めようとしている人にとっては、常に念頭に置くべきでしょう。
生き残った投資家は、比較的、リスクを選好し、高リスクな投資方法を選ぶ傾向があるように思います。そんな彼らの投資スタイルを参考にした投資初心者などが、よくわからないままに自分の許容度を越えて高いリスクをとってしまっていた、ということが起こっていそうです。
それが結局「消えていく投資家」を増やしてしまっているのだとしたら、非常に残念です。
何につけてもリスク許容度
もしこのnoteの読者が、あまりリスク許容度のことを意識せず、誰かブロガーやインフルエンサーやYouTuberの投資方法を猿真似しているだけだとしたら……
今一度、見直してほしいと思います。自分にそんな高いリスクが必要なのか。「◯◯に投資すれば儲かる」というのは本当なのか。儲かる確率と損する確率はどれくらいあるのか。など。
自衛手段はあります。まずはとにかく資産配分を自分のリスク許容度に合ったものに作りかえることです。
この記事でも書きましたが、大事なのはリターンよりリスクです。
生存者バイアスの犠牲にならないために
SNSに限らず、本、ブログ、YouTube……どれも、ほとんどの場合「生き残った投資家」が発信しています。
書店の投資本コーナーには「低収入から◯億円稼いだ投資術」みたいな実体験を元にした本はあれど、「僕が投資で◯千万円損した投資メソッド」のような本はまずありません。
前者の人は、生き残ったから(成功したから)本を出せたというだけです。本当は後者の失敗した投資家の方が多いはずなのに、彼らは本を出版することがないので、失敗した投資家の情報が私たちの目にはあまり入ってきません。
生き残った投資家の発するものだけを見ていると、投資は簡単だと思ってしまいがちです。しかし、それでは正常な判断をしているとは言えません。
むしろ大多数の消えていった投資家がなぜ消えたのか、なぜ失敗したのかを学ぶことが、成功者に学ぶのと同じくらい重要だと私は考えます。
※ 生き残った者だけを対象として物事を調査したり判断材料にしたりしてしまうことを、生存者バイアスと言います。
失敗から学ぶ
メディアには生き残った投資家の情報ばかりがあふれているので、失敗した投資家から学ぶのは困難です。
『ビッグミステイク』は、著名な投資家たちが過去におかした大きな失敗談を紹介しています。反面教師にするのに最適な読み物で、おすすめです。
投資というよりは産業分野の様々な失敗事例をまとめたデータベースもあります。
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