ASMLの2024年第3四半期決算解説 - 半導体製造装置大手の業績と業界展望
1. 決算発表の概要
きらく:「みんな、ASMLの2024年第3四半期決算が発表されたわ。半導体業界の巨人、ASMLの業績は業界全体の健康状態を示す絶好の指標なのよ。まずは市場予想と実績を比較してみましょう。ちなみに、ASMLは最先端のEUV(極端紫外線)リソグラフィ装置や次世代のArFiイマージョン装置などを製造している会社よ。」
銭太郎:「おっ、それは楽しみだゼニ!EUVやArFiって何かは分からないけど、すごそうだゼニ!どんな結果だったんだゼニ?」
2. EPSと売上高の分析
あおい:「はい、まず1株当たり利益(EPS)ですが、市場予想が5.36ユーロだったのに対し、実績は5.28ユーロでした。わずかに予想を下回っています。」
きらく:「そうね。でも売上高は予想を上回ったのよ。予想が74.5億ユーロだったのに対し、実績は74.67億ユーロだったわ。」
銭太郎:「へぇ、EPSは予想より低いのに、売上は予想より高いのかゼニ。これってどういうことだゼニ?頭がクラクラしてきたゼニ...」
あおい:「そうですね、銭太郎さん。これは、売上は伸びたものの、予想以上にコストがかかったか、または税金などの影響があった可能性があります。例えると、お祭りで売り上げは増えたけど、出店料が高くて利益が思ったほど出なかったようなものです。」
3. 将来の見通し
きらく:「その通りよ、あおいちゃん。そして、今後の見通しも重要ね。第4四半期の売上高ガイダンスは88億から92億ユーロよ。これは市場予想の89.5億ユーロの範囲内ね。まるでマラソンランナーが予定通りのペースで走っているようなものかしら。」
銭太郎:「おお、それは良さそうだゼニ!でも、2025年の見通しはどうなんだゼニ?未来のことが気になるゼニ!」
きらく:「そこが少し気になるところね。2025年度の売上高予想が、以前の300億から400億ユーロから、300億から350億ユーロに下方修正されたのよ。これは業界全体の転換点となる可能性があるわ。」
あおい:「そうですね。これは、半導体業界の回復が予想よりも緩やかだという見方を反映しているようです。ちょうど、経済の天気予報で、晴れマークが曇りマークに変わったようなものかもしれません。」
4. 長期的な成長トレンド
銭太郎:「えっ!それって大変なことじゃないのかゼニ?ASMLの株価が暴落したりしないのかゼニ?」
きらく:「落ち着いて、銭太郎くん。確かに短期的には懸念材料かもしれないけど、長期的な視点で見ることが大切よ。成長のペースは少し遅くなるかもしれないけど、長期的な成長トレンドは変わっていないわ。これは、マラソンでペースを少し落としても、最終的にはゴールを目指して走り続けるようなものね。」
あおい:「そうですね。実際、今回の決算では、売上高が74.7億ユーロで前年同期比11.9%増、純利益が20.8億ユーロで9.7%増となっています。これは決して悪い数字ではありません。」
5. セグメント別売上高の詳細
きらく:「そうね。それでは、これらの数字の背景にある詳細を見ていきましょう。」
あおい:「はい、まずはセグメント別の売上高を見てみましょう。システム売上が59.3億ユーロで前年同期比11.6%増、サービスとフィールドオプション売上が15.4億ユーロで12.9%増となっています。」
きらく:「そうね。これはまるでテニスのダブルスで、サーブとボレーの両方が好調な状態ね。システム販売という強力なサーブと、サービス部門とフィールドオプションという巧みなネットプレーの組み合わせが、ASMLの強さを支えているのよ。」
6. フィールドオプションの説明
銭太郎:「へぇ、なるほどゼニ。きらくさんのスポーツの例え、いつも的確でためになるゼニ。さすがだゼニ!でも、ちょっと待ってくれゼニ。フィールドオプションって何だゼニ?」
あおい:「あ、そうでしたね。フィールドオプションについて説明させていただきます。フィールドオプションとは、すでに顧客が使用している装置にアップグレードや新機能を追加するサービスのことです。」
銭太郎:「へぇ、そうなのかゼニ。具体的にはどんなものがあるんだゼニ?」
あおい:「例えば、既存の装置の処理能力を上げたり、新しい種類のウェハーに対応できるようにしたり、あるいは省エネ機能を追加したりするんです。これは、古い車をカスタマイズして性能を上げるようなものですね。」
7. エンドユース別売上の分析
きらく:「そうね。それでは、エンドユース別の売上を見てみましょう。」
あおい:「エンドユース別では、ロジック半導体向けが47.8億ユーロで32.8%増、メモリ半導体向けが26.9億ユーロで15.7%減となっています。」
きらく:「これは興味深い傾向ね。ロジック半導体が大幅に伸びている一方で、メモリ半導体が減少しているわ。まるでサッカーチームで、フォワードの得点力が上がった反面、ディフェンスが少し緩んでしまったような状況ね。」
8. 技術別売上の解説
きらく:「そして、技術別の売上を見ると、さらに興味深い傾向が見えてくるわ。最先端のEUV装置の売上が20.7億ユーロで11.9%増、次世代のArFi装置が28.4億ユーロで26.2%増となっているのよ。」
銭太郎:「おっと、それはすごいゼニ!でも、EUVってさっき聞いたけど、もう一回教えてくれゼニ。ArFiも何のことかさっぱりだゼニ...」
あおい:「そうでしたね。EUVは"Extreme Ultraviolet"の略で、極端紫外線という意味です。これは、半導体の回路をより細かく作るための最先端技術なんです。例えると、とても細い筆で絵を描くようなものです。一方、ArFiはアルゴンフッ素イマージョンの略で、これも非常に精密な回路を作るための技術です。水中で絵を描くようなイメージですね。」
9. 地域別売上の分析
銭太郎:「へぇ、すごいゼニね。でも、地域別の売上はどうなってるんだゼニ?」
あおい:「地域別では、中国向けが35.1億ユーロで127.9%増、米国向けが15.7億ユーロで100.0%増と大幅に伸びています。一方で、韓国と台湾向けはそれぞれ11.2億ユーロで11.1%減、日本向けは1.5億ユーロで11.8%減となっています。」
きらく:「これは世界経済の動向を如実に反映しているわね。中国と米国が大幅に伸びている一方で、他のアジア地域が苦戦している。まるで、オリンピックで一部の国が金メダルラッシュを起こしている一方で、他の国がメダル獲得に苦戦しているような状況ね。」
10. 今後の展望と投資判断
きらく:「ASMLは2025年の売上高予想を300億から350億ユーロに設定しているわ。これは以前の予想よりも下方修正されたものだけど、それでも成長を見込んでいるのよ。」
あおい:「そうですね。また、2025年の総売上高利益率を51%から53%と予想しています。これは、効率的な経営を続けながら、高付加価値製品にフォーカスする戦略の表れかもしれません。」
銭太郎:「へぇ、なんだかワクワクしてきたゼニ!これはASMLの株を買うチャンスかもしれないゼニ!」
きらく:「ふふ、そう慌てないで、銭太郎くん。投資判断は慎重に行う必要があるわ。でも、確かにASMLの動向は半導体業界全体の行方を占う重要な指標ね。今後も注目していく価値は十分にあるわ。」
11. まとめと今後の注目点
あおい:「本当にそうですね。ASMLの業績は、私たちの身の回りのテクノロジーの進化にも大きく関わっています。今後も新しい技術や市場動向に注目していく必要がありそうです。」
きらく:「その通りよ。半導体業界は常に変化し続けているわ。私たちも、ASMLのように先を見据えながら、柔軟に対応していく必要があるわね。さて、次はどんな技術革新が起こるかしら?楽しみだわ。」
銭太郎:「おっ、なんだか将来が楽しみになってきたゼニ!でも、こんな難しい話を聞いたら、今夜は居酒屋で一杯やらないと頭が冷えないゼニ!」
きらく:「ふふ、相変わらずね、銭太郎くん。でも、たまには良いんじゃない?今日の話をよく消化して、明日からの投資戦略に活かしてね。」
あおい:「そうですね。私も今日の話を整理して、レポートにまとめておきます。では最後に、今回の決算のポイントを簡単にまとめましょう。」
12. 決算ポイントまとめ
売上高:74.67億ユーロ(前年同期比11.9%増)
EPS:5.28ユーロ(市場予想を若干下回る)
2025年度売上高予想:300億〜350億ユーロ(下方修正)
注目ポイント:
EUVとArFi装置の売上増加
中国・米国向け売上の大幅増加
ロジック半導体向け売上の好調
メモリ半導体向け売上の減少
フィールドオプションビジネスの重要性
2024年第3四半期決算を踏まえた、ASMLの評価(投資判断、目標株価を踏まえた上昇余地など)
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