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食糧天使というゲームについての感想話③本編-2
本編-3
続きです。
本編はまだあと1パートあります。長い。
リンのモンペになりつつある自覚はあります。
翌日。いよいよ来てしまった。私まで緊張で手汗かいてきた。
なんで人間の死体なんて持ってくるんですか? 肉じゃないですよね?
こんなんリン絶句するに決まってるだろ。
私も初見は一旦深呼吸した。
この後、流れ的に絶対コロッケ加工があると思って。そのためのコロッケ加工ミニゲームなんだよね。きついです。でも、そういうの好きです。混乱する。
死体なのに目を閉じてあげてないってまじでどういうことなんだよ。まじで。嫌がらせすぎるだろ。
誰か確認するなーー!!!!! 念入りにーーーー!!!
覚えているかとか、どういう理由で恨んでいるかとか、丁寧に聞くな。恨んでいるから大丈夫ってなんだよ。恨んでたら捌きやすいっていうのかよ。そんな理屈通ってたまるか。
つつがなく仕事ができるか、は、うん、できてしまうんだよな、リン。
生きるために生きているから、そのためにはできてしまうんだろうな、リン。
それがこの試練じみたことをさせられていることに繋がるんだろう。素質はあるんだろうな。
大丈夫だって言って笑ってる。見ているこちらが苦しい。
死んでいるなら肉である。とんだ暴論である。一種の自己暗示、洗脳になっていないか?
幸福管理局の人も「素質ある」って言ってる。やっぱり適正があるんだろうか。
はじまった。
リンの過去の話である。
胸が痛くなる。
何もしない生き物だった父ってのは、身体的に自由に動けないから働けなくなったのか、それとも精神的に問題があって家に引きこもって働けなかったのか。この一文だけでいろんな状況を想定できるから、うまい表現だなと何度読み返しても思う。
一方、毎日疲れて泥になっている、という一文から、リンのお母さんは二人を養うために働き詰めだったんだろうというのが明確に分かる。対比だ。しかし、大きな事件が起こる前のこの現状からもう割と辛いのよ。八方塞がりを感じてしまう。
リンは両親のために料理しようとしたの、あまりにも健気で可愛くて、同時に胸が締め付けられる。善意がどうしてこんな運命を辿らなきゃならないんだ。
自分で自分のやったことをちゃんと言ったリンは一体どんな気持ちでそれを口にしたんだ。つらい。小学生が抱えられる問題じゃない。大人になっても抱えられるものではないけどさ。
田中……。小学生が故に……って初見のとき思ったけど、何歳だろうが、こうやって田中みたいに噂を広めるヤツはいる。防ぎようがない。苦しい。リンが孤独になっていく。
「知っていることを話す」ってのは、確かに悪いことではない。でもさあ。と私は思ってしまうよ。リンは客観的に言うけど、それがリンのいいところでもあると思うけど、プレイヤーの私はどうしてもやるせないよ。
まあ、田中のかーちゃんはそういうわな。表面的にしか見ていないから何も知らないものな。
まあ、でも、こちらはリンからみた視点でしか物事を判別していないから、田中たちとは違う、とも言えない、のかもしれない、気持ちはある。
本ばかり読んでたのは現実逃避もあるのかな。自分がその口だったから、そうかもしれないという考えが浮かぶ。
そうだよね、否が応でも罪悪感なんて持ってるよね。持たないわけない。そして誰よりも悲しかったと思う。
他の子どもたちの会話がさ……、リンの孤独さを際立たせるんだよ、ここ。
そして、田中がモテているのである。リンをより一層みんなが避ける原因をある種作り出した存在だとしても、そんなの関係ないのが現実。
まあ、田中が極悪人でもないからそりゃそうなんだけど。プレイヤーの私はやりきれない気持ちのままだ。
リンは、自身がいじめられたり嫌われたりしなかったというね。
でも、個人的に、リンは無意識に現実逃避する癖があるように思うから、もしかしたら主観的にそう思っているかもしれないという可能性を私は捨てきれない。
なぜなら、直接的に何かをされていなくても、そこに存在していないように振る舞われるのも、いじめられているのと同義だと思うから。第三者の意見に過ぎないけどね。
「ただ、自分の家族を自分で殺した子どもにすぎない」も、そんなシンプルに事実をいうだけに終わっていいことでもないと思う。
事実そうだったとしても、それでもリンに「あれは事故だったよ」って言ってあげる人が誰もいなかったのが辛い。リンの心を少しでも軽くしてあげられる人がいなかった。
そんなのリンがもっと自分のせいだと思い込んで言ってしまうに決まってるじゃん。
だからこそ、自分の罪をちゃんと理解した上で、そこから誰にも必要とされていないと余計に思い始めたのだろうか。
両親を亡くしてから、もしどこかで引き取られていても、リンは変わらずにこうだったのかな。
誰かがリンをかばっても、リンはこういう考え方のままだったのだろうか。
リン自身が全てを拒絶して、救いの手をつかもうともしなかったのか?
そんなことないと思いたいけど、そんな私の勝手な考えも、全部たらればだ。
眼の前のこの状況がリンの現実には変わりない。
「誰も俺のことを見なくなった」ってのがつらい。リンを孤独にさせない人が誰かいてほしかった。リンがたとえ人との関わり方を忘れてしまっていても、そういう人がいてほしかった。どうしてもそういう考えに行き着く。
むしろ、私がなりたい、ならせろ。頼むよ。
リンはずっと誰かのせいでもないって言うよな。自責的すぎる。でも、その自責的すぎる考えを覆してくれる存在がいなかったが故に、ひどくなってそれが当たり前になったんじゃないかとやっぱり思う。つらい。
二十歳。成人式。
大人になったことを祝われる日。
だけど。
リンは成人式に行けない、よなあ……。
一百零一番。
イー・バイ・リン・イー。
数字の名前になっているのは、当初偶然かと思ったけど、どうやら、そもそものリンの名前が別にあって、これが本当にだたの番号名称っぽいと見ている。人とカウントしてない。ものとしてカウントしている。最悪。
何が君を迎えに来たよ、だよ。
じゃあ、逆にあまつか精肉店ってなに?あまつかリンとかじゃないんだね?という疑問。
長年、誰にも必要とされていないリンのもとに、あくる日、誰かが迎えに来る。
字面だけみればハッピーエンドの第一歩みたいだけど、実際は施設の野郎が道具として迎えに来ただけだったっていう現実に私が打ちのめされそう。
もう私がリゥを背中に乗せて白馬に乗って来てやろうか!?!? なあ!??!
そんなやけな気持ち。
なーーーーーーにが、君しかしないだよ!!!!!キイイイイイ!!!!! 肉屋になって人々を幸せにする???? リン個人のの幸せはどうなるんですか!!!!! ねえ!!!!
しかも、リンの同意なく連行。存在価値のない人間だからなにしてもいいってわけじゃないと思うんですけど???? キレそう。そこからこの肉屋にいて、それからずっと肉屋から一歩も出られない??? 拉致じゃん。キレそう。
リン、どうして全部自分のせいって思うんだ。因果応報だとでも思っているのか。
そんなわけないだろーーーーー!!!!!!!
でも、この場面でそう言ってくれる存在はいない。まじで最悪。
田中のせいじゃない?? リン、ゼロではないよ。田中のせいはゼロじゃない。ミリでもある。私はそう思うよ。何回でも言うからな。
きた。
きたよ。
このトラウマを作るコロッケ作りが。
わかる。こんなん作りたくない。
ここ、本当に演出が個人的にめちゃくちゃ怖すぎて、初見の時はしばらく引きずった。
そして、ここの田中の目。見れる人はよく見てほしい。目が二重ぱっちりなのである。モテそうな目をしてやがる。(偏見)
なんかもう、この目を見ていると、余計なこと言うからこんな目に遭うんだ!とかまで言いたくなってくる。(言い過ぎ)
でも、重罪人ではないんだよな田中はよ。もやもやする。でも、ゼロではないんだ。わかるかね、リン。
手癖で乗り切ろうとするリン。うん。これはもう手癖で乗り切るしかない。
全くピロリロリンではない。(でも、ミソポイント)
肉の塊、かあ。
まあ、肉の塊、だよね……うん……。
ああ、リンがとうとうバグってしまった。
人間をコロッケにしてしまっても誰も見向きもしない。田中だけ5円。めちゃくちゃ安い。安すぎる。逆に怪しさ満点だと思うのは私だけだろうか。
田中の死とリンの仕事に、存在に、意味があってほしいがために安くした田中の肉。しかし、いつも通り誰も買いに来ない。知ってた。知ってるけど、めちゃくちゃつらい。誰もリンの心を晴らしてくれない。
そうね。これ以上どうしようもないよね。
どうしようもないなりに、頑張ったリン、たとえそれが田中という人間の肉をさばいたことであっても、私はえらいねと言う。君は偉い。
それが普通では受け入れられないことだとしても。偉いと思うよ。
外にも出られないから田中を埋めてやることもできないってというけれど、埋めてあげようって心があるのがまず優しいよ。いや、まあ、埋めないと肉にしてしまった以上、霊となって逆恨みされても困るって話が大部分だろうけど。
でも、人によればその思考にさえも行き着かないと思うから、ある種、優しいなと私は感じる。甘ちゃんフィルターは否定しない。
自室に戻ってきたリン。
奥歯を噛んで満足できずに頬の裏を噛んで、血の味がして……っていう描写、こちらまでぐぎぎぎってなってくる。言葉にならない。
何の利益も得てないのに給与をもらっていたっていうけど、ちゃんと働いてるんだから、もらって当然なんだよリン。
利益を生み出せないのは君のせいじゃない。悪いのは幸福管理局です。そうさせているコイツらが悪い。君は悪くない。キレそう。(キレてる)
初見はこの時、給与で何か注文して生活を潤すことができるんですか!?と当時の私は期待に満ちていたよ。部屋の片隅にあるリン専用カタログと電話を取ってさ……何注文するんだろうって思ったのにさ。
また唱えるように「生きていくために生きる必要がある」と言っている。初見の時は意識してしなかったけれど、結構そう言っているよな。
だから、私は今、そこまでして生きることに執着するリンは、ある意味ちょっと狂気じみているなと初めて感じたかもしれない。
独り言でも声に出して喋っていないと余計に自分の存在がなくなるんじゃないかと思う気持ち、少しわかる。
レベルは違うけれど、一人暮らしで家に引きこもっていた頃、似たような気持ちになっていた。わかるよ、リン。ちょっとだけだけど。
卒業アルバム?何を言っている?
初見の私ははてなマークが浮かんだ。
家族写真?
注文できるのは『俺がかつて持っていたもの』だけ????????????
はい??????
なんで自分の持ち物を働いた文の給与でしか入手できないんですか??? おかしいですよね?????
何度見ても同じ感想を抱く。どういうことだってばよ。
どうして新しいものが買えないんですか。こんなの囚人じゃないですか。本当に。
リンはものすごく無欲だし……。プレイヤー私、苦しい気持ちでいっぱい。
本人が関わったっていう縁がないと、この異世界に取り寄せることができない、みたいなシステムなんだろうか。わからん。
かつて持っていたものだけって、それはもうリン自ら新しい刺激を得ることさえもできないってことじゃないですか。
前向きに気持ちを切り替えるきっかけをことごとく妨害するのなに???? どうやってもリンのメンタルを壊したいんか???? キレそう。
リンは何もいらないのか。そうか。じゃあ、このシステムほとんど意味ないじゃないですか……。
そうだね。本はいいね。いくらでも読んでくれリン。
なんなら私がどうにかして君がかつて持っていた本リストを大幅に増量してカタログ偽装したいぐらいだよ。偽装させろ。
リンが夜寝ている間に本いっぱい握らせて縁作っておくから。妖怪本握らせマンになるから。怯えないでリン。
私は何を言っているんだろうね?
ここに来るまでにたくさん本を読んできたんだねリン。それは良かった。本はいつでも色んな世界に連れて行ってくれるよね。リンの大きな心の支えになっていたんだろうな、本。
たくさん注文しよう。そうしよう。ね、リン。
は?
注文すませたらすぐに来たんですけど? どういうことなんです?
届く速度おかしくないですか?部屋のすぐそばにでも置いてたんですか?????
いや、この場合はもしかしたら召喚してるのかもしれない???なんだんだこのシステム。
ていうか、リンのかつて持っていたものしかないってことは、一回すべての持ち物、検閲的なことされてませんか? 下手したら一部抹消されていませんか。私はそれが気がかりです。殴り込み待ったなし。
神様についての本……?
それ、重大なこと載ってませんか……?
リンが読んだことない本? ますますなにかあるのでは?と思えて仕方ない。
しかし、おそらくこれ以降出てきていないから真相は謎だ。
私達が知らないことがしれっと載ってそう……。リンたちにとっては当たり前のことだとしても、プレイヤーの私達が知らないことが……。読みたい……後ろから覗かせてくれないか、リン。
そりゃ、苦しみから解放されたいよな。リンだって嫌だよな。助けたいよ〜〜。
田中で作ったコロッケを罪悪感から一口だけ食べるリン。すごすぎないか。罪悪感がたとえ募っていたとしても、普通は口にできない。
ここらへんの異常さもこの試練を受けている素質がある故なのかなあ。
リンは優しすぎるというか義理堅いというか、見捨てきれないのか。孤独を知りすぎているから、弱者に対して冷徹な態度を取れないというか。たとえ、それが過去自分を孤独に追いやった一因の人物だとしても、見捨てられないのかも。だから、田中を埋めてあげたいという思考にたどり着いたりする。
そして、私はこれがリンの優しさだと思っている。君は優しいな。
ただの肉の味。
……この異世界、肉として加工されたら原材料は何であれ、肉になるとかいいませんよね?
胃酸が上がってくるのは、身体が田中という人間の肉を食ったことによる拒絶反応を示していてくれているのか、前述した事柄とは別にリンが田中の肉と思い込んでるが故なのか。
吐き出さずに飲み込むのが、唯一田中にしてやれること。
やっぱ、優しいよ、リン。