御法度落語 おなじはなし寄席 #4 (BS朝日)
今回はお客様の心を取り込む泥棒ネタ、「だくだく」と「書割盗人」。
どちらの話もちゃんと聴いたのは初めてだが、展開の面白さと所作の写実性にハートをがっちり持って行かれた。
先攻は江戸の弁天小僧・桃月庵白酒師匠。
色白の丸いお顔と風体がドラえもんを思わせる師匠は、見るだけで幸せを運んでくれそう。
まくらで何故「3D」の説明を始めるのか?
不思議な気がしたが、本編「だくだく」につながると気づいた時は膝を打った。
まくらにも本編にも、人間国宝・柳家小三治師匠の名前を出していた師匠。やっぱり尊敬しているのだろうか。
掛け字に"ワクチン""ファイザー"とくるところがイマドキだが、まさか御自身が疫病になられるとは想定外だった事だろう。
ご回復を切にお祈りしています。
後攻の桂南天師匠、これまでに登場した上方勢とは少し感じが違う。
うるささが無いというか、やや上品で聴きやすいところが桂文珍師匠に近い。
「掛け軸の山水の中に、川で洗濯しているお婆さんを描く」なんてのは、上方ならではの面白さ。
扇子で絵を描く所作の細やかさ。
べっぴんの嫁さんが漬物石を抱えている様子まで描かせようとするのも、上方らしい。
壁猫を懐にいれてニャーニャー言う南天師匠、とても可愛くて面白かった。
同じ話でありながら、江戸と上方のちょっとした違いを比べられる。
これがこの番組の最重要ポイントであり、存在意義なのだと、改めて感じ入った。
それにしても、住人も泥棒もなんて馬鹿で良い人なんだろう。こういう大らかで洒落のわかる人ばかりならば、世の中もっと住みやすいだろうに。落語って、落語の世界って、本当に良いな〜と心底思った。このネタを挙げてくれたスタッフさんに大感謝である。
さて、今回のアフタートーク。「他の噺家のネタをパクるのかどうか」について、ちょっとしたルールがあるのは興味深い。
サゲが違うから噺のタイトルも違うのか、と思ったら...南天師匠のオリジナルサゲだったことに驚いた。話の結びとしてもスッキリ綺麗で、すごく良いと思った。白酒師匠、是非ともパクってあげて下さい!
次回は個性派師匠の古今亭文師匠と月亭遊方師匠が、定番の「まんじゅうこわい」対決。
誰もが知ってるお馴染みネタで、どんな勝負を見せてくれるのか。
お饅頭とお茶を用意して、来週を楽しみにしている🍵
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