「偽りの“神の手” 旧石器発掘ねつ造事件」 (アナザーストーリーズ)
何か不思議な事があれば「それは神の手の仕業だ」などと、半ば揶揄するように言っていた。仲間内での他愛ない出来事ならば、そんなオフザケも許される。しかし、真剣な学術的研究の中でそのようないい加減な物言いは、決して許されない。
今回のアナザーストーリーズは、そういえばそんな事もあったなぁという、懐かしい題材だった。結局は「ズルをしてはいけない」という、子どもに言い聞かせるようなオチになるのだが。そのせいで人生を狂わせられた考古学者もいるし、事業が失敗し、多額の借金を抱えたものもいる。そこがなんとも、やりきれない事件ではあった。
そういえば、STAP細胞なんてのも同じく捏造だ。
人は自分の見たいものを見て、信じたいものを信じてしまう。そこに捏造の入口があるのだろう。大切なのは冷静にまっさらな心で物事を見ること。熱狂を盲信して追わないこと。同調圧力に屈しないこと。狭い世界での凡例を追随しないこと。そんなことを思った。