御法度落語 おなじはなし寄席 #2 (BS朝日)
今回のおなじはなし寄席、2回目にして「長屋の花見」と「貧乏花見」なんて!
しかも桂対決。疫病禍で気軽に寄席に行けない落語ファンにとって、願ったり叶ったりのプレゼントだった。
まずは桂文治師匠の「長野の花見」。
きっちり着こなした黒紋付きは、江戸落語の威厳を感じさせる。なのに、高座に上がるときから既に笑顔の文治師匠。
そんな師匠の明るいお人柄がにじみ出るというより、むしろダダ漏れな一席は、ステイホームの私たちを少し早めの楽しいお花見に連れ出してくれた。
そして桂文治塩鯛師匠の「貧乏花見」。
初めて聴いたのだが、江戸と上方の違いが判りやすくて面白かった。
まず、大家に無理やり連れ出される花見ではなく、各自が残り物などを持ち寄って出かける設定であること。
そしてさらに大きな違いは、噺に女性が登場する。これは驚いたというより、さすが上方やってくれるやん!と思った。
男ばかりで花見に出かける江戸版と違い、上方版は奥様同伴。
さらに幔幕の代わりに、嫁さんの腰巻きを出させるなんて。しかもこの場面、演者が手ぬぐいを顔に被る!江戸よりも上方の方が大らかというか、庶民的なのだろう。
同じ話なのに、噺し方がこんなに違うとは。
前回の笑福亭たまさん「時うどん」のうどんの食べ方も凄まじかったが、上方落語は語り口だけでなく目で見ても楽しめる。まさに"ビジュアル芸"なのだなと感心してしまった。
アフタートークで桂文治師匠が話していた、「花見はみんなでやるものです」by 四代目三遊亭圓遊師匠のエピソードは、とても良い話だった。こういう噺家の裏話が聞けるのも、この番組の素晴らしいところである。落語以上に楽しみにしている、と言ったら怒られるかな?(^^;)
次回は待ってましたの男女聴き比べ。
古今亭菊之丞師匠と桂あやめ師匠の「ちりとてちん」対決、見逃せませんね。
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