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時をかけるテレビ 池上彰 (ドキュメンタリー NHK)

お母さんに会いたい~フィリピン・ムスリムの兄と妹

7/19(金) 午後10:30-午後11:30

公式サイト

お母さんに会いたい…。それが故郷を離れて家族のために働く幼い兄妹の願いだった。フィリピン・ルソン島の市場でビニール袋を売り歩く10歳の兄と8歳の妹。ムスリムの少ない地で差別や偏見にも耐え、わずかな稼ぎを数えては家族に仕送りする毎日。故郷は1300キロ離れたミンダナオ島。宗教を巡る紛争が絶えず、貧しい暮らしの大家族。そしてようやく船代をためた兄妹は、久々に帰った故郷でどうにもならない現実に直面する…
(以上公式サイトより)

はっきり言って、感動というより憤慨した。
なんなんだこの環境は!
10歳の遊びたい盛りの男の子・ノラルディンは学校にも行けず、市場で買い物袋を売り、居住費と妹の学費を差し引いた収益は全て離れた地に住む家族に仕送りする。
親は親で貧乏子だくさんのうえ、母は死産で手術して借金を増やす。あの状況でまだ子ども作るか?と呆れた。継父は身体壊してさほど働けず、家には借金取りが押しかける。コテコテの貧乏ドラマかと思うほどの現実に、病む〜と言いそうになった。

兄妹が離れて暮らす要因でもある、ムスリム対クリスチャンの宗教対立=ミンダナオ紛争についても無知だったが、本当に宗教って何のためにあるんや?と。
子ども同士でもムスリム対クリスチャンの喧嘩は絶えないそうだが、この番組内で唯一のホッとしたのは、心ある先生がムスリムとクリスチャンの子どもを招いてパーティを開催するくたりだ。
お互いがお互いの事を知らないと、相手を敵対視してしまいがちである。だからこそ、みんな集まってわかり合おうという働きかけが素晴らしい!こういう大人が増えると、余計な対立は減る。
そう思うと、結局のところ宗教というのは為政者が無知な民衆を煽動するための、都合の良いインチキなイデオロギーに過ぎないのではないか。
そういう点では、日本のようにいろんな宗教がテキトーに混じり合い乱立しつつ、そこそこ仲良くやっているのが最も平和的だなと納得。

とにかく20年前の番組とはいえ、このように知見を広げ考えさせられるプログラムは貴重である。
最後にノラルディンの現在が映る。大統領にはなれていないが、靴を売り子ども達と幸せそうに暮らしており安心した。
生きていくうえで、やはり教育が大切だと改めて思った。

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