ダーティーハリー・3 (映画 1976)
2に続いて、3も視聴。
今度の相棒は女性ってところが、なんとも昨今のわが国の様相と重なって...。
いやいや、そんな事を言っては本作の女性刑事・ケイト=ムーアに失礼である。
政治だけでなく、どこの世界にもコネや忖度がつきまとう。
信念や実のある人物には、そんなものは不要だと、改めて思わせる一作だった。
ムーアは「現場に女性を増やそう」という名目しかない市の方針で刑事に昇格するが、凡例や条例に明るい聡明さを持っている。
ハリーもその点には一目置いているのが、昇任試験のシーンでわかる。
またバズーカ砲の試撃ちシーンでは、ハリーがさりげなくムーアの立ち位置を安全な場所に変える。
それは女性だからではく、一緒に仕事をする相棒を守る先輩として、当たり前の行動を見せたのであろう。
ハリー、カッコイイよ!
そんなハリーとムーアの心が通い合いそうになった、その矢先に事件が勃発するのが、何ともせつない。
見せかけだけのドンクサイ市長を、必死で救うムーア刑事。
ダーティーハリーシリーズでは、相棒が死んでしまうのが定石なので、あぁやっぱり...。
そんなムーアの為にリベンジに燃えるハリーは、やっぱり熱いハートを持った刑事なのである。
前作よりも、かなりコンパクトでスピーディーな展開だった。
公開から45年も経っているというのに、未だ女性の社会進出が遅々としている日本を映すかのような1本だった。