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Dearにっぽん 野球ができてよかった ~東京・青鳥特別支援学校の挑戦~

公式サイト

東京・世田谷区にある青鳥特別支援学校の「ベースボール部」が、この夏、全国高校野球・西東京大会に出場した。知的障害のある生徒が通う特別支援学校が単独チームで大会に出場するのは史上初めてのことだ。部員12人の多くが初心者。「硬式野球は危険なのではないか」という声もある。それでも球児たちは「高校野球がやりたい」と懸命に白球を追う。かけがえのない青春の一コマを記録する。
(以上 公式サイトより)

この夏の甲子園も、残すは明日の決勝のみとなった。
個人的には島根県の大社高校vs早稲田実業戦をMVG(most valuable game)に挙げたい。
ここまで来るには地方大会を勝ち抜いてこなければならないわけで、大社高校は第1回から皆勤との事。
ちなみにこの皆勤15校には我が母校も含まれていますが、甲子園への道はやっぱり厳しいのね。

今回はそんな地方大会に、特別支援学校が単独チームとして史上初めて出場するお話。
もうそのテーマだけで胸に迫るものがある。
前年春にできたばかりのベースボール部。6人の部員にこの春新入生6人が加わり、レギュラー争いも発生。

硬球の危険性から野球部創設に二の足を踏んでいた久保田監督は、白子君のやる気に背中を押される。「やる気をくんであげなきゃ、教員じゃないなと思って」…これが真の教育者の姿勢だなと、まず涙。

キャッチャーの2年生・後藤君は自習ノートに戦術を書いて、寝る前は復習も欠かさない。一般家庭でも"野球部の親は大変"という先入観がある私には、彼が児童養護施設で生活している点も驚きだった。
サポートする職員さんにも頭が下がる。

手足の筋肉が萎縮してゆく病をもつキャプテン白子くんは、ランニングも大変そう。下級生に「負けるわ〜」と笑顔で声をかけながら、部活のない日もひとりバッティングセンターで練習を重ねる。
さらに試合への抱負をきかれて「みんなが笑って終われる最後にしたいですね」こんな事なかなか言えないよ、流石キャプテンだとまた涙。
自分の出場機会も、あるかどうかわからない。
初戦にして、既に負ける事を覚悟している。
せつなすぎるよ、白子くん。

そして初戦の日。
いきなりランニングホームランを打たれ、スコアボードに並ぶ大量得点。それでも、白子くんはベンチから明るく声かけを続ける。

そして最終回に代打出場した白子くん。
速球に手を出せず、試合後は楽しかったと言いつつ悔し涙も流す。それでも「やっぱり全員で頑張ったと思います」と締めくくる。
白子くん、悔しいのは君が一生懸命やったからだよと、声をかけたい。最初で最後の地区大会出場は、貴方の心にずっと残る大切な勲章です。

キャッチャーの後藤くんのやり切った表情も、清々しくて素晴らしかった。
来夏は副キャプテンとして、新チームを率いて地区大会に出てきてほしい。

「野球ができてよかった」と語る白子くんは、野球を通して自信を得たという。
そうよ、その自信を胸にこの先の未来を力強く進んでいってください。

人は、一生懸命な姿に胸を打たれるという事。
そして一生懸命やることで、新しい自分になるという事を改めて実感させられた番組でした。
「もうひとつの甲子園」を見せてくれて、ありがとう。


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