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ボウリング・フォー・コロンバイン (2002 映画)

米国の次期大統領がバイデン氏に決まり、カマラ・ハリス氏の感動的なスピーチに胸を熱くした翌日。この映画を見てしまった。

公開は2002年。20年近く昔の映画なのに、今見ても全然古く感じないのは米国が変わっていないからだろう。米国だけではない。現代の日本も同様だ。

前半はコロンバイン銃乱射事件の舞台となった、コロンバイン高校の卒業生が話していた。「やり直しがきかない学生生活はすぐに終わる。当時の優等生が保険の外交員になり、落ちこぼれが出世する、それが現実だ。それを知るには大人と接することそれが大切」

後半はムーア監督の故郷で起きた、痛ましい事件をメインに進んでいく。6歳男児が叔父の家にあった銃を学校に持って行き、同級生女児を撃ち殺してしまう。そもそも何故幼児が銃を手にしたのか、その理由を探る先に横たわる貧困問題、その上に成り立つ資本主義の闇。これも、現代の日本で起きている事態と構造が非常に似ている。

アメリカも、日本も、そして世界全体が、脆い土台の上に成り立つ見せかけの安穏に、危ういバランスで辛うじて立っている。いつ倒れるかわからない。そんな気にさせられた一本だった。

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