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映像の世紀・バタフライエフェクト (NHK ドキュメンタリー)

カラシニコフ銃1億丁 史上最悪の殺人兵器

初回放送日:2024年5月20日

「人類史上、最も多くの人を殺した武器」と言われるカラシニコフ銃。80年前、ソ連で密かに生まれたこの銃は、誰でも簡単に扱え、故障知らずで、1丁10ドルから手に入る。それゆえ、世界へ広がった。アメリカが敗れたベトナム戦争でも、アフリカ内戦の無差別殺りくでも、そして繰り返されるテロでも、使われたのはカラシニコフ銃だった。人々の憎しみに取りつき、コントロール不可能なまでに巨大化したモンスターの記録である。
(以上公式HPより)

毎回多彩なテーマを取り上げて、とてもタメになる番組だと楽しみに視聴しているのだが…今回ほど"胸糞の悪い思い"をしたのは初めてだ。
番組はいつものように素晴らしい。しかし語られる内容が、あまりにも救いが無いのだ。
カラシニコフ銃のもたらす因果応報と劣悪な戦争の歴史を、冷静かつ淡々と綴るその内容に、私はひどく打ちのめされた。

1941年独ソ戦の最前線、ドイツ軍の最新銃サブマシンガンの凶暴性と掃射音に衝撃を受けた男・カラシニコフが開発したのがこの銃である。
戦争の恐怖が平和ではなく、更なる兵器の進歩につながりるとは、皮肉としかいえない。
単純で安価に製造されたカラシニコフ銃は、子どもにも扱える使いやすさと全天候型の頑丈さで結局世界中に広まった。
敵を倒す為の銃が、巡り巡って自国の兵士を殺す。死のオウンゴールを生み出したのはこの男であり、カラシニコフへの憎悪は止まらないが、仮に奴が作らなくても他の誰かが作ったかもしれない。
そう思うと、人はなんと愚かな存在かと下を向くしかないような気になる。

「馬鹿とハサミは使いよう」とも言うが、銃は殺傷以外に使い道のない、核兵器と同じく"究極の馬鹿兵器"である。
そんな武器を売買する事をビジネスだと嘯く輩も、究極の馬鹿であろう。
こんな奴らのせいで生命を危機に晒す事は許されない。どうすれば対抗できるのか、こんな奴らは死んでくれと思うのも、同じ穴の狢思想なのか。
勉強にはなったが、なんとも居た堪れない内容であった。


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