変わりゆく渋谷 (よしなしごと)
東京といえば、渋谷・新宿・池袋。関西から上京した時、この3つの都市はそのまま"憧れの東京"を象徴する地名だった。
関東に住んで、はや30年。今でもその3都市は煌びやかなイメージのままであるが、なかでも渋谷は別格だ。やはり"若者が多い流行発信地"と思うせいか、"住む場所ではなく訪問する場所"として、いくばくかの距離を感じてしまう。
そんな渋谷に勤めることになり、数年が経った。駅から職場への数分間は、毎日が遠足のような気分である。
昨年から進んでいる駅前再開発は、そろそろ佳境を迎えているようだ。歩道橋のルートが日に日に変わり、かつて書店があったその場所は地底深くボーリングされている。
どんな街になるのか見届けたかったが、職場移転のためそれも叶わなくなってしまった。少しずつ距離を縮めてきたつもりが、結局ヨソモノのままお別れすることになる。ひと足早く、青ガエルも他の地へ旅立ってしまった。
いつかまた、完成したこの街を見に来よう。
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