カーネーション 〈第85作〉 第15週 (80)「愛する力」感想 (朝ドラ BSNHK)
昭和20年暮れ。糸子(尾野真千子)は八重子(田丸麻紀)にパーマをあててもらい、改めて頑張ろうと思う。大みそかには、来年はよい年になるようにと祈った。年が明けた昭和21年。まだ生地は不足ながらも、洋裁の仕事が忙しくなってきた糸子。ある日、夫・勝と同じ部隊に属していた復員兵が訪ねて来た。糸子の脳裏に勝の思い出がよみがえる。勝が常に身に付けていた、と渡されたのは、勝と糸子、娘たちの家族写真だった。
(以上公式サイトより)
終戦後、日本国民はどのようにして立ち上がっていったのか。
働き盛りのお父さん、学問を修めた未来ある学生たち、これからの人材を兵士として無駄に消費した馬鹿な日本。
大黒柱を失い、愛する者と引き離された女性たちは、過酷ながらも生きていく道を模索していく。
文字にすると陳腐なことも、このドラマはほんの15分で見事に表現してくれる。
登場人物の表情、セリフのやりとり、そして家族写真や赤いストールといった小道具にいたるまでを総動員して、映画以上に訴えてくる。
悲しみや絶望を乗り越えて、無理矢理にでも笑顔を作り希望に繋げる姿は、ドラマなのに現実のようで心を打つ。
「カーネーション」が屈指の名作と呼ばれる所以が、とてもよくわかる回だった。