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手をつなぎながら、旅する

 皆さんは、今年イタリアで行われたヴェネチア・ビエンナーレの展示はもうご覧になったでしょうか?
 1985年から始まった現代美術の展覧会で、名前の通り「ビエンナーレ(隔年開催)」で建築や映画、様々な美術が町中に展示されます。
 本来、2020年に開催予定だったこの展覧会はコロナの影響で2021年の今年に延期されましたが、国別展示には約60か国、テーマ別展示には46か国、112組の参加がありました。
 なかでも国際建築展は興味深いものが多く、スペイン館の展示は驚かされました。

 個人的には、デンマーク館の館の内外に配管を巡らせて、館の中に湧き水や川を作り、植物を育てたり、お茶を入れる展示なんかが好みでした(詳しくは、公式ページへ!イタリア語で表示されるので、翻訳機能をフルに使って読みましょう。それでもちょっと読みにくい翻訳が多いですが)。

 さて、我らが日本館はどんな感じだったのでしょう、キュレーターは建築家の門脇耕三さんでした。
 展示の概要をびっくりするぐらい雑に説明すると、日本古い木造建築住宅を解体し、イタリアまでおくり、部品それぞれにその家の方の写真も展示して、その家の持つヒストリーを感じられるようになっています。
 また、分解された家のパーツは、職人さんたちの手で住宅の廃材を新しく家具に変えてまた持ち主のところに送り返されたり、現地の展示を見に来たイタリアの方が、ワークショップで小さな家具を作り、それがイタリアの都市の中に溶け込んでいくそうです。

※詳しくは、こちらをご覧あれ、ブルーバックのところを矢印通りに進んでいくだけで、絵で内容が分かる親切設計!

 最初から日本語だとこちらのサイトがおススメ。


 実は、各国の展示やビエンナーレだけでなく、アルセナーレもカッコいい展示が多いです。

 現在、コロナ禍で国外に出ることはなかなか大変で勿論、僕もwebを通してしか見ることは出来ないですが、ふと気づかされることもありましてね。
 僕ら人間は今、移動することがなかなか出来なくなっています。
 でも、上記の展示のように、モノは自由に行き来を続けています。
 なんなら、別の地に行って別の意味や文脈を獲得して、帰ってくることもあります(実は、古い日本住宅の台所の床やトイレの床の模様が向こうでは、家具を作成するパーツとしてわりと人気だったそうです)。
 美術の分野だけではなく、日常生活でも僕らはAmazonやウーバーイーツを利用して、人間が移動する代わりにモノを移動させて暮らしを豊かにしています。
 2010年代の人の集合の時代から、2020年代の物の移動の時代に移り始めているのかもしれません。

 じゃあ、SKE48ではどうでしょう?
 実は、あるメンバーの記事を書いている時に、ついでと言っては失礼ですが、「手をつなぎながら」というSKE48の2th公演についてゆるーく調べたんです。その時に、この曲が知らないうちに様々なところを旅していることを知りましてね。
 思えば、2009年からチームSで始まったこの公演、K2がやった後、HKT48の2011年後半から行われるようになります。
 愛知から博多へ旅立ったんですね。
 その後、チームHとしても公演をした後、今度は東京へ行きます。
 AKB48の峯岸チーム4の公演として2013年11月から行われます。


 そして、2014年5月2日。
 愛知に「手をつなぎながら」公演は帰ってきます。
 須田チームEです。
 さらにさらに、「手をつなぎながら」の旅は続きます。

 2015年3月15日、JKT48のチームTの1st公演です。
 ううむ、ついに日本を飛び出してしまった。
 JKT48の公式にあったんで、ちょっと聴いてみましょう!

 わりと無理して言葉をメロディーの中に入れてくれているところもあるものの、日本語版の「厳しい授業の後で」ぐらいのところは綺麗にフィットしてますね。日本版と比べて声がより若い感じもします。
 

 さて、「手つな」がジャカルタに行った数か月後に、今度は上海で「手をつなぎながら」が歌われ始めます。
 そう、SNH48です。
 チームH2の2nd公演として歌われることになります。

 なんか、言葉の空気感からかも知れませんが、「マンゴー№2」との相性が凄く良い感じがするのは、僕だけでしょうか。日本語よりも滑らかな感じがします。これまで日本語前提で考えていましたが、英語とか中国語とか、他の言語で魅力がさらに拡張される曲があるかも知れませんね。
 あと、「手つな」のイントロでミックスが聞こえてきた時は、何故か感動して泣きそうになりましたよ。海の向こうでもやってんのかい、と。

 さて、話を戻すと、「手つな」は2016年12月21日に日本でも再び歌われ始めます。
 HKT48のチームT2です。

 ううむ、2018年ということもあって、辛うじて地頭江さんと松岡はなさんは分かるものの、残りのメンバーがほとんど分からない…。豊永さんはこっちのチームじゃないのね。
 途中のメンバーが発する掛け声が独自の進化ですね。特に2番なんかは印象的です。

 さてさて、今度は博多から再び東京へ「手つな」は行きます。
 2018年6月6日からAKB48の村山チーム4の公演曲になります。

 ううむ、村山さん「それでも彼女は」が大好きなんですが、公演でも輝いてますね。岡田奈々さんとか、やっぱり目を引きますね。公演を楽しみながら、ちゃんと曲のヴィジュアライズ化もしています。なんで彼女がAKB48のセンターを任されるのかも、少しだけ分かった気もします。

 ちなみに、SKE48でも2018年10月2日に2年ぶりに「手をつなぎながら」がリバイバルで踊られます。
 さらに、2019年7月9日から再演が始まり、2019年11月からはランダムにメンバーが出演するようになりました。
 そして、コロナの影響で2020年2月21日以降、この公演は休止となります。

 しかし、12周年公演フェスで久しぶりにこの公演は復活します。

 ちなみに、この動画はるーちゃんの魅力が爆発しているのでおススメです。

 というわけで、「手つな」の旅を見てきましたが、色々なところで歌われてそれぞれの土地の色をまといながら、その土地(グループ)に残っていってますね。
 うんうん、良かった、良かったと終わらせたいところなんですが、問題はこれからですよ。
 多くのグループの間を旅してきた「手をつなぎながら」。
 じゃあ、次はどこに行けばいいのか?
 ふと考えた僕はこんな試みを見つけたわけですよ。

 ううむ、運動会や体育祭に新日本プロレスのレスラーの入場曲を無償で提供という熱い試み。ううむ、確かに僕が子供の頃の綱引きでも長州力選手の入場曲が流れていた記憶が。

 これは、SKE48でも出来るんじゃないでしょうか?
 今、情報に限らず音楽も興味があるもの以外、どんどん聴かなくなっているという方も多いのではないでしょうか。それはSKE48ファンの方以外でSKE48の曲に、ある意味事故的に出会う機会をどう作っていくか、そう考えた時にこういう試みは良いのではないでしょうか。
 想像してみると、徒競走やリレーの時に「手をつなぎながら」のイントロは盛り上がりそうです。別に公演曲に限らずに「恋落ちフラグ」や「ソーユートコあるよね?」なんかも合いそうですね。綱引きの時に「FRUSTRATION」とかね。
 

 運動会や体育祭以外にも、偶然の出会いを生む機会はまだまだ眠っていそうです。

 皆さんは、「手をつなぎながら」を次はどこへ旅させたいですか?
 


こんな大変なご時世なので、無理をなさらずに、何か発見や心を動かしたものがあった時、良ければサポートをお願いします。励みになります。