めそめそ人間めそ美さんのnoteから目が離せない!日記とウツウツ編
はじめに
めそめそ人間めそ美さんこと、加藤結さんのnoteをご存じでしょうか?
1年以上前に自分のラジオでもその魅力を話したんですがね。
最近、新たに更新されたnote2本が非常に興味深いものになっていましてね。まずは、こちらの2本をチェックしていただきたい!
日記編
1本目の「歌詞を作るために日記をつけはじめました」という内容のnote。ここでは簡易的に「日記編」と呼ばせてください。まず、こちらは、自分のオリジナル曲のために作詞する必要がある、そして、「こんなの書いてみたいなあ」が日常の中で沢山出てくるので、スマホの日記的なアプリに残して行った記録を公開してくださっています。
日記の内容に入る前に、凄く素敵な表現がありましてね。
ここ、すんごく分かるといいますか。
生意気にも今月からちゃっかり書き手としてプロデビューした僕も、他のプロの方から評価していただけたのは、やっぱりこの「カッコいいものにしたい!」という思いを捨てた時に書いたものなんですよね。
さて、話をこの3本の日記。どれも歌詞のAメロというか、歌い始めのシチュエーションに良いのではと僕は思いました。
1日目の他人と自分との時間の流れ方の違いから寂しさを感じた彼女は外に出ます。そして、サイゼリアでのオタクの女の人たちのBL話を聞いて、ドキドキします。同じ罪を背負っているようで。共感性羞恥に近いものでしょうか。意識の方向が少しだけ内から外へ変わったからなのか、彼女の熱は下がります。理由は書かれていません。でも、このはっきりとした理由がさかされていないけれど「もしかしたら」と想像できるところが素敵ですね。
続いて2日目ですが、後輩の亜和さんとご自分との比較、そして、五十嵐早香さんから見た加藤結さん評が読めます。自分の心がぐらついた時やそんな中でも生きていることについて書かれています。
他の人の行動や他の人の言葉を借りながら、自分の輪郭を浮かび上がっていく感じがとても良かったです。
そして、3日目。
自分のライブチケットが売れるペースが下がっているというところから始まります。そこから、またまた登場する五十嵐早香さん。彼女は芸能界の仕事を株に見た立てて上がり下がりはあるものの、知名度は裏切らないという名言を語ります。そこから、「知ってくれる人」と「応援してくれる人」の違いについて、そして、好きという感情(嫌いも)限りがあるということを書きます。僕はここの表現がとても好きです。ずっと好きでいるのは大変だし、ずっと嫌いでいるのも大変かも知れない。なんだか、この辺りは、1日目の日記のタイトルともリンクしそうな気がするんですよね。
3日分の日記はとても断片的で、別々の短編集を読んでいるようでした。この日記のような日々の、油断したら忘れてしまうような、でも大事な生活の断片を書き残していって、時々みせてくださったら嬉しいなと思います。
ウツウツ編
バンプオブチキンの曲で「真っ赤な空をみただろうか?」という曲をご存じでしょうか?
ずいぶん昔の曲ですが、他者の痛みや悲しみを理解するには、それを開示してもらわないと分からない切なさからこの曲は始まります。
彼女の辛さの一部でも文章で開示してくださったのは、まずありがたいですし、書くことで何かウツウツの解像度が上がるなら、なおさら良いと思います。
がんばるきっかけを逃してしまったり、甘えが自分の中に居座ってしまったりというのは、皆さんも人生の中でご経験があるのではないでしょうか?
そこから少しずつ「それは本当?」と自分の考えを見つめる強さも手に入れていきます。やがて、このウツウツは「からだの症状」かもという可能性も考えられるようになってきます。なんだか前半の辛い描写があったからこそ、この辺りは読んでいるこちらも心が穏やかなというか、ちょっとホッとするんですが、僕はこの後の表現にやられました。
これはもう、当事者じゃないと書けない。
想像では書けない。
それぐらいヒリヒリするけれど、心を揺さぶられる文章でした。
あと、最後まで読んでみて思ったのは、やはり、加藤結さんの書かれる言葉は、今、しんどい誰かや上手く行ってない誰かに寄り添える言葉だと思います。
彼女が昔の自分に言ってあげたかった言葉が、もし、歌詞になったら、きっと「彼女を応援してくれる人」はもちろん「知ってくれる人」も「応援」側に変えられるのではないかと思いました。
こことか、歌詞の中にあったら、今、町を歩いているウツウツとした誰かの心を救うかもしれないな、と二つのnoteを並べて読んで思いました。
おわりに
感情を捕まえて言葉にしていくのって、本当にスピード勝負の時があって。その鮮度を逃さず冷凍保存しておくのが日記かもしれません。そして、日記に書かなくても、ずっと自分の中にある大変だった記憶や体験。それは時間と共に違った形に見えてくることもある。時として、あの頃の自分に今なら伝えられる言葉もあるかも知れません。
でも、全部、noteに書いてくださったから、我々は知ることが出来るわけで。書いてくださった彼女に感謝しながらも、もし、辛くなかったら、これからも日記タイプもエッセイタイプも書いて欲しいなと思います。もちろん、歌詞も楽しみです。案外、ペルソナを自分にしてみるのも面白いのでは、と僕は思いました。
あと、ただの五十嵐早香さんファンのたわごととして聞いていただきたいんですが、いつか二人が文章を持ち寄って作った歌詞か物語を読んでみたいな、と思いました。
「青空を見上げるな」と「Liar」と並ぶ曲というと大変かも知れませんが、色々なことを乗り越えたり、今も頑張ったり、傷ついたり傷つけたりした中で生まれた言葉は、きっと誰かのお守りになる優しさをもっていると僕は信じています。
こんな大変なご時世なので、無理をなさらずに、何か発見や心を動かしたものがあった時、良ければサポートをお願いします。励みになります。