未来を走る人へ
2022年1月から雑誌製作を行っています。
クラウドファンディングも終了し、おかげ様で出版費用も集まり、現在はISBNコードや雑誌コードの取得と印刷に向けての確認という最終フェーズに入っています。
この雑誌製作と同じく2022年1月から僕が重点を置いていることがあります。
それは、メタバースとWeb3です。
おそらくこれからは、上記の2つを上手く活用することで、ビジネスだけでなく趣味も楽しくなるのでは、と思い勉強しています。
自分だけの身体や世界の創造主となれる反面、自由な空間の中での創造力が問われるな、と僕は思っています。
それに対して、web2時代を加速させた偉人は徐々に退場しています。
スティーブ・ジョブズは2011年10月5日にカルフォルニア州パロアルトで亡くなりました。ケイン岩谷ゆかりの「沈みゆく帝国 スティーブ・ジョブズ亡きあと、アップルは偉大な企業でいられるのか」は、アップルのCEOであるティム・クックが名指しで批判した著書です。流石、ウォールストリートジャーナルのエースだった岩谷さんだけあって、「創始者亡きあと、新しいイノベーションが生まれるのか?」ということを200人以上の取材から我々に考えさせます。2014年の著作ですが、今読んでもヒントになることが沢山ある本だと思います。残念ながら、ジョブズの死から10年以上経った今、アップル社から彼が生み出したような、少なくとも人類の首の角度を変えてしまうようなイノベーションはまだ生まれていないのでは、と僕は思っています。
創業者がいなくなった後に、その企業は新しいイノベーションが生まれるのか?
思えば、48グループも秋元康の主導から離れ始めたぐらいで薄味になったのでは、と僕は思います。また、アイドルグループで考えると、欅坂46は1期生が作り上げたものが大きいと思い、グループのアイデンティティーを1期生が作ったと思います。それに対して櫻坂46は2期生を中心にグループカラーを作り、新しいアイデンティティーを創出しているのでは、と思います。
では、SKE48はどうでしょう?
最後の1期生である松井珠理奈が卒業して、もう1年以上が経ちました。
現在、1番キャリアが長いのはキャプテンの斉藤真木子ですが、キャリアが近い須田亜香里は卒業してしまいますし、同じくキャリアが長く総選挙選抜ランクイン組の古畑奈和もいなくなります。
過去のSKE48を知らないメンバーも増えています。
これは決して悪いことではないと僕は思っています。
2022年4月5日に刊行された田宮寛之さんの「何があっても潰れない会社 100年続く企業の法則」の中でも新規事業は若手メンバーでやった方がうまくいくことが語られます( 手芸専門店の小野株式会社の章を参照 )。新しいイノベーションが生まれやすいわけですね。SKE48で言えば、「カミングフレーバー」のような劇場のチームでもシングルの選抜でもない新しい場所で活躍するユニットの形は、若い期のメンバーたちの方が新しいアイデンティーを生み出すことが出来るのではと僕は思います。
でも、この流れでいうと、既存事業を上手くやっていくには、ベテランメンバーが活躍しなければいけません。その事業の成功や失敗の物語やノウハウを知っている人物。しかし、アイドル業界の場合は、若手からベテランになる頃には、卒業という問題があります。現在、女性アイドルの卒業年齢は年々引きあがっていますが、セカンドキャリアを考えると、もう少し早くしておいてた方が安全では、と個人的には思っています。
話を戻すと、SKE48の既存事業とは何か?
SKE48が大事にしている場所とは?
おそらくそれは、「劇場」と「握手会」ではないかと思います。
48グループの基礎であり、この2つがあるからこそ、「外仕事」に打って出ることができると思います。
SKE48の歴史を知りながら、劇場や握手会も任せられる若手とは?
僕は真っ先に8期生の倉島杏実ちゃんを思い浮かべました。
彼女は幼少の頃からSKE48に親しみ、推しメンである松井玲奈の背中を追いかけていきました。彼女が入った時、もう松井玲奈はいませんでしたが、彼女は松井玲奈の卒業シングル曲でセンターを務めた「前のめり」をキャッチフレーズの中にも入れています。彼女なりのリスペクトであり、目標としての松井玲奈を僕は感じます。
彼女は、2022年6月28日にZeep Nagoyaの8期生単独公演で「前のめり」のセンターを務めます。
この曲を披露したあと、客席からは彼女のドラマを知っているファンの方々から惜しみない拍手が送られたそうです。
この「前のめり」センターは彼女の到達点の一つだと思いますし、次のフェイズへのスタートだと個人的には思っています。同期の目からはどう見えていたんでしょう。
2022年7月1日に行われた彼女の生誕祭での手紙を読んでみましょう。
「あみちゃんへ
17歳のお誕生日おめでとう!
ついに私と同い年だね。
いつの日からか一緒にいる時期が増えて、チームも同じで、同期で、年齢も同じで、考え方や過ごし方も似てきて、一緒に過ごす時間はいつも楽しくて、あみちゃんのことがどんどん大好きになってるよ。
チームEの同期がどんどん卒業していって、もう二人になってしまったけれど、あみちゃんがいる安心感はとても大きくて、私にとっていなくてはならない存在です。あみちゃんと出会えて良かった!
お誕生日当日にあった8期生単独Zeepライブでは、またたくさんの思い出ができたね。
その中でも「前のめり」は本当に最高でした。自分が披露していいのか悩んでいたけれど、鳴りやまなかった拍手が答えだと思うよ。
あみちゃんが初期からキャッチフレーズでも言ってる『前のめり』っていう言葉はきっとあみちゃんにとっても特別な言葉で、ファンの方にとっても特別な言葉です。だけど、あみちゃんが一番似合う言葉であってほしいと私は思ってます。
あみちゃんは必ず選抜に入ると思う。悔しいこととかつらいことがあっても、すぐに前を向いて走り出すあみちゃんの姿を私は隣で何度も見てきたから絶対に諦めないでいてね。
前に一度だけ『諦めなければ叶うようね?』と私に聞いてきたことがあったけど、私がそのときに何て答えたか覚えてる?あみちゃんだったから私は胸を張って『絶対叶う』って答えれたんだよ。
大好きだった先輩が立っていたポジションを目指して、ずっと前のめりでいてください。立ち止まりそうになったらいつでも私が背中を押しにいきます。
これからも変わらず一緒に夢の階段を上って行こうね。
本当は8歳も年齢が離れているのに私と仲良くしてくれてありがとう。
いつまでも8期の赤ちゃんでいてね。
生誕委員の皆様、あみちゃんのことが大好きなのでお手紙を任せていただけてとても嬉しかったです。
チームE・佐藤佳穂より」
前のめりに進む杏実ちゃんの姿を見守るさとかほの優しい手紙でしたね。
既に選抜にいるさとかほ。さとかほがいる間に杏実ちゃんと選抜で共演するところが見たいですね。あとは、杏実ちゃんといえば、「前のめり」ですが、8期といえば「夢の階段を上れ!」だということも思い出しました。
どちらの曲も止まってしまっても、諦めずに走りつづける、上り続けられる努力について考えさせられます。
この手紙から杏実ちゃんは、誕生日にZeep単独が出来たことの喜びを語ります。そして、トーク会に来てくれるファンの方が増えたことが嬉しかったことも。11歳でSKE48に入って、最初は「子供だから」という理由で握手会に来てくれなかった人も、高校生になって来てくれるようになったというエピソードは、彼女がSKE48に居た時間を考えさせられます。更に、17歳の1年はキラキラ17歳にしたいと語ります。
そして、公演に来てくれるファンの方が増えて、幸せをかみしめているという話をします。それは公演だけではなく、大富豪イベントでも多くのファンの方の温かさを感じたそうです。
常にドライで、ちょっと一歩下がるような人間だと、彼女は自分を評しますが、沢山の愛を届けたいと語り、スピーチを終えます。
公演での自分のお客さんが増える、トーク会の列が増える。
それは、当たり前のようでいて大事なことだと僕は思います。
48グループの日常であり、これからも続いていくことだと思います。
11歳から始まった彼女のキャリアは、17歳の若さで既に中堅の域に入っていると思います。
彼女が憧れていたSKE48は、今、彼女の目にはどう映っているでしょう。
いつかの生誕祭で語った「あの場所」のことはもう誰も語らなくなりましたが、彼女の中ではどうなっているのでしょう。これは本人しか分からないことですが、まだ心の中にある手前の目標ではなく、ずっと先の夢としてあったら嬉しいな、と個人的には思います。
大人になればなるほど、現実を知り走ることを止めてしまいます。それでも、まだ彼女なら走ってくれる、とさとかほと同じように信じています。
倉島杏実ならSKE48の大事な部分を守っていきながら、新しいアイデンティティーを生んでくれると信じています。
そういえば、2022年4月11日にNHKで放送された「阿佐ヶ谷アパートメント」でメタバースの特集がありましてね。その中で芸人のずん飯尾和樹さんが、メタバース空間を体験します。メタバース空間内でのアカウントの見た目と、ゴーグルを被っている自分の精神の話になり、「そりゃ、モテますよ、17歳でおれの3つ下の50歳の経験値を持ってるんなんて」とある方に対して語っていました。
若いけれど豊富な経験値。
もしや、倉島杏実ちゃんは、SKE48におけるメタバース環境の体現者かも知れません。
えっ、妄想が広がりすぎました?
いえいえ、テクノロジーでカバーすべきところを、自分の勇気と選択で補ってみせる稀有な存在だと僕は本当に思っています。
過去から学び、新しい世界を目指して走り続けられる人が新しいイノベーションを生むんだとも。
今はSKE48だけでなく、アイドル業界もまだまだ苦しい状況だと思います。
それでも、倉島杏実ちゃんには走り続けてほしいと思います。
「前のめり」の歌詞のように、彼女の公演での姿やトーク会での笑顔を見て、もう一度人生を進む力をもらえる人がいると信じていますから。
「未来を見て、点を結ぶことはできない。過去を振り返って点を結ぶだけだ。だから、いつかどうにかして点は結ばれると信じなければならない」スティーブ・ジョブズ
なんとなく、イメージした曲を貼ってお別れです。
※ 過去の倉島杏実ちゃんの記事はこちら!
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