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Netflix timelesz project -AUDITION- 第15回(ep16)の感想「0点を取ろう」
※この文章は「タイプロ」きっかけでSKE48ファンが書いた文章です。勉強不足の点が多々あると思いますが、ご容赦くださいませ。
菊池風磨さんの言語化
突然ですが、誰かに「『楽しむ』って何?」と聞かれたらあなたならどう説明するでしょう?
僕は、何も言わずに今回の「timelesz project -AUDITION-」 ( 以下 タイプロ )を観てもらうと思います。
エピソード16の「team MATSUSHIMA」は、美しい3幕構成になっていると思います。
まず第1幕は「楽しむ」ということを表現する難しさについて語られます。
キラキラとしたアイドル曲に挑むことになったteam MATSUSHIMAの皆さん。
この曲で重要となるアクティングについて、プロデュースする松島さんは、SexyZoneの楽曲である「LET'S MUSIC」のMVでのアクティングをヒントに挙げます。早速、僕も観てみましたが、メンバーの皆さんが楽曲の世界を楽しんでいて、その様子を見ている自分も自然と笑顔になります。
特に菊池さんが松島さんに「こっちこっち」と言う感じで手を「ヘイ、カモンカモン」とやる仕草や佐藤さんがドアをノックしている時の遊んでいる感じ。これが「楽しむ」をアクティングすることなのか、という感じがしました。
しかし、これをいきなりできるようになれるか、というと難しいですよね。僕はSKE48のファンなんですが、やっぱり、正規メンバーに上がる前の研究生時代、特に公演に出始めの頃は、メンバーがふと見せるパフォーマンス中の表情から、違和感を抱くことがあります。それは菊池さんの表現を借りるならば、「やらされてる」という感じでしょうか?あっ、今、楽しい系の曲なのに世界観から浮き上がってしまってるかも…という違和感を抱くことがありました。そうなると、観客のこちらも余計なことを考え始めてしまいます。なかなか難しいですよね。
こういう、言葉で捕まえて表現できるのが菊池さんの凄さで、そんな彼だからこそ、時々、語る感情の方が先にくる言葉にも心を揺さぶられます。この回だと、ある候補者の方について語る言葉で僕は泣きそうになりました。
さて、今回のエピソードでは、「楽しむ」ということの難しさが中間発表まで語られます。タイプロの良いところって、背筋がピンと伸びるような緊張感、48グループ風にいうならば「マジ」があると思います。ただ、この人生をかけたオーディションの中で、どう「楽しむ」のか?
「楽しむ」という手段を使って、どう曲を表現するという目的を果たすのか。しかし、中間発表では残念な結果に終わってしまいます。
ちなみに、中間発表時には、ある候補者の方が、仕事が忙しくて立ち位置が覚えられてなかったことをNOSUKE先生に注意されますが、自分自身にも刺さることが多々ありましてね。去年の10月末にプロデビューしたんですが、平日は働きながら文章を書いています。繁忙期は、インプットがほとんどできずに1日が終わることもあります。でも、このnoteを開いてくださる方や、本屋さんやAmazonで僕の本を手に取ってくれる方には、関係ないですよね。
本当に身が引き締まるNOSUKE先生の言葉でした。
うん、忙しさの中でもいいものは作れる。
そのために自分も創作や制作の中に「楽しむ」を入れなければ。
逆転!佐藤勝利、只今参上!!
すいません、佐藤さんの名前を呼び捨てにしたサブタイトルで。
元ネタはウルトラマンエースの「逆転!ゾフィ只今参上」です。
さて、第2幕では中間発表を終えて、team MATSUSHIMAは「コミュニケーション不足」を解消するために、もう一度話し合います。
そして、松島さん以外のメンバーにパフォーマンスを観てもらう時間が来ます。
その中で候補者の方々のパフォーマンスを観た佐藤勝利さんの言葉が非常に印象的でした。
「0点だそう!64点なんていらない。マジの0点出してみて」
すごい良い言葉だな、と思いました。
振り切る勇気をくれる言葉ですし、先ほども挙げましたが、やはり、このオーディションにかける思いが強ければ強いほど失敗できないな、という気持ちも強くなるのでは、と僕は思います。また、期待に応えなければ、という気持ちが大きくなればなるほど、失敗しない安全な選択肢を選んでしまうこともあるかも知れません。
それは、ひょっとすると、この番組を観ている我々にも言えるかも知れません。学校や職場、SNSのタイムライン上で、失敗しないように、失言しないように、と考えて、本来やりたかったことや言いたいことを自分の中に抱えてしまい、固まってしまうことはないでしょうか?
ちょっとだけカント哲学の力を借りると、一般的な楽しいと自分の中の楽しいがあって、「みなさんが考えている楽しいってこれですよね?」という表現と、「僕が考えている楽しいってこうですけど、どうですか?」という表現の違いとでもいいましょうか。自分の考える楽しいを表現してもいい、というヒントをくれる言葉だったと思います。
佐藤勝利さんが、言ってくださった「0点だそう!」は、まさに価値転倒の一言で、一般的には0点かも知れないけれど、それを出しても良いという空気を作り出せた佐藤さんのパフォーマンスが、また色々なMVやコンサートで見たくなりました。
「楽しむ」ということが手段ではなく、目的になり始めた気もしてきました。
あと、NOSUKE先生の「おせえよ」に心を持っていかれたのは、僕だけでしょうか?
プロデューサー松島聡さんが作った循環
さて、松島さんは中間発表後の解決策として、コミュニケーション不足の解消を上げました。松島さんと候補者の方々とのコミュニケーション、候補者同士のコミュニケーション、それが好循環していきます。
このチームをプロデュースする松島さんの「楽しめなかったら、それまでだから」という言葉、そして、4日目に語られる休んでいた頃に一人の観客として観たステージの話。笑顔で人の気持ちは変えられる。
なんで自分はアイドルを観ているのか、コンサートに行くのか、そんなことをふと思い出しました。
元SKE48の古畑奈和さんが、キャッチフレーズで「私と笑顔の交換しませんか?」と言っていました。今なら、その言葉の意味が凄く分かります。
「SWEET」を野外で踊りたいと候補者の方々がいうシーンが共同生活3日目であります。これは、踊ることが楽しくないと言えることではないですよね。
松島さんは、プロデュースのコンセプトを当初「自分たちで気付く」ということを挙げていました。それは、佐藤さんのナイスアシストを得て、徐々に浸透していきます。それはパフォーマンスだけではなく、松島さんへのサプライズの手紙のような心配りにまで。
もう合同生活4日目からパフォーマンス本番までは、何度も松島さんを見て、こちらも泣きそうになりました。彼だからこそ出来た優しさの循環が最高の形で候補者の方々に浸透していったと思います。これは、松島さんのファンの方だけではないですが、先日、ライブBlu-rayの感想を書いた時も、timeleszのファンの方って本当に優しい方が多くて、じゃあ、自分は今度どんな優しさで返せるかな、と考えました。それは、多分、メンバーの方々が色々な場面で心が丸くなるような姿を見せてくれているからなんだろうな、とも感じました。
「凄くしんどくても楽しかったことのことを思い出したら笑える」
これも松島さんの言葉ですが、最近、昼間の仕事が繁忙期でなかなか文章を書くところまで行けなくても、頭の中でライブBlu-rayの1曲目「RUN」の菊池さんが歌う「君がいなきゃ何も始まらない」の部分が流れていて、自然と口角が上がり、早く帰って文章書こうという気持ちになるんですよね。多分、アイドルファンって、僕も含めてそういう「楽しかったこと」の貯金が沢山あるんだろな、とも思います。
「楽しむ」とは何か?
きっと、それは、みんなの顔色や評価なんて関係なく、自分の最高を出していくことなのかな、と今回のエピソードから感じました。もちろん、それが誰かの最高を変えられたら、更に楽しいですよね。
あなたの「楽しむ」時間や場所はいったいどこでしょう?
※過去回の感想はこちら!
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