秋葉原に五十嵐早香というタグを付ける
あなたは人生の中でどうしょうもないピンチが訪れた時、どんな言葉を言って自分を落ち着かせるでしょうか?
劇団ポツドールの三浦大輔が手掛けた「そして僕は途方にくれる」という舞台は、その内容の素晴らしさから映画化もされていきます。僕も好きな映画の一つで、中でも印象的なセリフがあります。もう本当にダメ人間な主人公が人生に追い詰められて、家庭を捨てたもっとダメ人間な父親とある場所で再会します。めちゃくちゃダメな人なんですが、不思議な魅力のある父親は主人公に印象的な言葉を教えます。
僕は人生の中で普通の人ならスムーズに出来ることが出来ないせいで失敗したり、理不尽なことで何か諦めなければいけなくなったりした時は、この言葉を呟きます。
しかも、生きていると大事な日に限って、普段なら起きないトラブルが起きることってありますよね。
2024年2月16日。
ちょうど、五十嵐早香さんの配信の中で僕はこの言葉を呟きました。
その前に少しだけ昔話をさせてください。
あれは2年前の春のことです。
ソロになったばかりの僕の推しである五十嵐早香さんは、SHOWROOM主催のあるイベントに参戦しました。
48ファンには馴染み深いSHOWROOMというプラットフォームでの戦いだったので、SKE48のファンの方々の応援もあり、彼女は善戦しましたが、残念ながら2位で初のイベントは終わってしまいます。
あの夜、2位が確定した後の回り続けるミラーボールの光は忘れられません。
あれから、2年。
様々な配信イベントで彼女は結果を出していきます。
名古屋にあるタピオカ屋さんの看板娘になるイベントで結果を出したり、
同じく名古屋の金山にあるビアガーデンのポスターになったり、
キャリアを積んできました。
特に主戦場を配信アプリである「Pococha」に移してからは、一度、なかなか上位ゾーンのB2帯というところまで上がりつつも、その上位クラスを維持するために、リスナーである我々の課金の負荷を想像してくれて、「自分のペースでやりたい」とあえて、C2帯という下のグループで配信を続けることを選択しました。
マイペースに配信を続けていた彼女が2月9日の配信でガチイベントに参戦を表明します。イベントの景品は、JR秋葉原駅の大型ポスター広告に2024年4月中旬から6月上旬の中で一週間ほど掲載されるそうです。こういう駅前の広告は、偶然の出会いを生みます。そして、僕は2年前の春の戦いの仇を討つ時が来たか、と拳を握りました。
と、言っても、僕なんか五十嵐早香さんのファンの中では、本当に末端も末端なので、本当に微力な助けしかできません。しかし、努力しない理由にはなりません。初めて僕は五十嵐早香さん以外の配信を観に行き、7分ぐらい観ていたらもらえるコインを集めまくりました。気を付けなければいけないのが、声が聞こえる状態にしていると、「栄、覚えていてくれさ~ん、初めまして。私が唄う曲を一曲だけリクエストしていいですよ」とか声をかけられ、気まずい気分になってしまうので、なるべくミュートして、画面も観ないようにしました。いや、別に女子十二楽坊とかリクエストすればいいのかも知れませんが、お願いしてすぐいなくなるのは罪悪感もあります。
なので、デビュー予定作の原稿直しをして、一息ついて、ボックスのコインを回収。紙の雑誌「かける人」の原稿のチェックをして、一息ついて、ボックスのコイン回収。読書の合間にコイン回収ということを続けました。なんとか最終日に良いアイテムを投げたいとこれを一週間続けました。
嬉しいことに五十嵐早香さんは一位をキープしたまま進んでいきます。
そして、迎えた最終日。
19時30分から21時30分までの2時間。
そして、22時から24時までの2時間。
この2枠で勝負することになります。
配信では、画面を長押しすることでハートの数値が上がっていき、アイテムを投げた時のポイントも上がるそうです。
これは押し続けるしかない!
ハートの数値20万を目指して僕らは長押しをしながら配信を観ていましたが、突如、マイクにトラブルが起こり、配信中、ヘリコプターが近くに到着したようなバリバリ音がするようになってしまいます。すでに15万近くポイントがたまってたいのではないかと思います。時刻は21時。あと30分、このバリバリ音と共に続けるか、一度、配信を切って、ハートの数値を0にリセットされてしまいますが、音質を回復させた上で、22時から勝負するか?
配信でのイベントで、2位の方に後ろからまくられる怖さを早香先生も僕らも経験しています。
バリバリとした音の中、様々なことを試してみますが、音質は直りません。ストレスがリスナーの中に漂っていないか心配でしたが、流石は早香先生のファンの方々、この状況を楽しむコメントを書かれている方が結構みられました。
苦渋の末、彼女は予定より30分早く配信を切ることを決断します。
ハートもゼロに戻ります。
2位の方はそのまま連続でやっていくようです。
これは、ピンチではないでしょうか?
いや、そうではありません。
「面白くなってきたぜ」
思わず、僕はコメントしていました。
彼女にはどうか、焦らないで欲しい。
そう願いながら、僕は22時まで原稿に戻りました。
そして、始まった22時。
ラジオ配信で開始してしまったみたいで、ここでも動画配信に切り替えるために、いったん止めて5分間でためたハートをリセットすることになります。
しかし、五十嵐早香さんとファンの方々は強かった。
一気にアイテムを投げていき、追いつこうとする2位の方々に一度も後髪すら触れさせず、20万もの差をつけてイベント終了時刻の24時を迎えました。
ついに、東京でも彼女の顔がプリントされた広告が登場するのか!
四国の田舎に住んでいる僕としては、よほどのことがない限り、東京まで出ることは無いと思いますが、きっと通勤などで秋葉原駅を利用される方の目に彼女が止まるといいな、と思っています。
僕たち五十嵐早香ファンにとっては、秋葉原に新しいタグが出来た日でした。
そして、この日の五十嵐早香さんファンの方々の頑張りは、彼女のランク帯のあるC2の1位はもちろん、ひとつ上のランクのC3の1位すら抜いていました。
彼女のランクはB2になりました。
かつて、無理をしていたくないと宣言したB2にファンの方々との頑張りで再び、返り咲きました。
「頑張ったねえ」と言いながら、「なんか、安心しきった頃に衝撃がやってきて」と涙がこらえらなくなってしまった早香先生は、少し顔画面から顔を隠すように泣きました。
「数字をみたら急に心配になって」と我々ファンの負担を考えられる彼女の優しさにこちらも泣きそうになります。自分だけじゃなく、人のことも考えられる人だからこそ、もっと報われてほしいと応援したくなるんでしょうね。「馬鹿でマヌケな私」ですが、と彼女は言います。でも、不器用でも頑張って進んでいくあなたは、やっぱりカッコいいと思います。
次はどんなチャレンジを挑むか分かりませんが、配信者としての実績が一つ増えたので、どうか、この頑張りが報われる場所へ事務所さんは連れて行ってくださったら、嬉しいなと思います。
出来たら、彼女が目指している配信者兼グラビアアイドルとしての実績となるような場所へ。
その時、僕はきっと本来の意味でつぶやくでしょう。
「面白くなってきやがったぜ」
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