冬場リードを長持ちさせる方法について
かなり久しぶりの更新です。最近急に寒くなってきたので、今回は冬場オーボエの完成リードを長持ちさせる方法についてお話します。
…と思ってまず一般的にどういうことが言われてるかなと思って色々検索して調べていたのですが、こちらの動画に基本的なリードの手入れについてわかりやすく説明がされていましたので、ぜひ見てみるのをおすすめします。仙台フィルハーモニー管弦楽団の西沢澄博さん解説の動画です。
あと、自分も昔そんな動画をあげていたようです。こちらはリードのローテーションの話あたりが主ですね。
これらに加えて、特に乾燥する冬のリード事情について今回は記事を書きたいと思います。
前回の記事(とはいえ一年前ですね…)と重複する部分もありますが、冬の乾燥対策にご覧いただけると幸いです。
1.リードケースを密閉する
私の動画の最後の方にもありましたが、冬場はジップロックや100均のフリーザーバックなど、チャック付きポリ袋に入れることをお勧めします。その日使って無いリードが乾燥剤の役割を果たしつつ、さらにそのリードも乾燥を防ぐ形になりますので一石二鳥です。
ただ、3本入りリードケースで全部のリードを練習で使った…というような状況であれば密閉する必要はないかと思います。
夏場は湿度が十分にあるため、密封するとむしろカビの発生などの原因になりますので、密閉しないほうが良いです。
2.リードに水を十分に浸透させる
冬場リードがダメになる理由の個人的第1位は、乾燥状態でリードを振動させることで、組織を破壊してしまうことだと考えています。
全然開きがない、息が入っていかない、吹くたびにリードの横を抑えて開きだして吹く…というようなリードは組織破壊済みリードです。冬場はこうなりやすいです。
こうならないために、ちゃんと水分を浸透させるのが大事になってきます。
振動体となる先端の削ってある部分はもちろんですが、削ってない部分にも意識的に水をつけると良いかと思います。
水入れに多めに水をいれ、ワイヤーくらいまで水に漬けます。リードの深い部分まで水に触ったということが重要です。その後は普通に削ってあるところに浸透させるつもりで水をつけて吹いてみてください。
夏場は吹く度リードに水分が蓄積されますので、する必要ありません。
3.リードが乾燥してる時に絶対吹かない
よくあるのが、早く吹きたくてちょっとだけ水につけて、吹きながらリードの状態をよくしようとする感じで練習開始することです。冬場これをすると、その日1時間くらいはいいかもしれませんが、すぐリードがダメになります。
冬場の乾燥はかなり早いので、やや多めに水をつけても大丈夫です。吹きながら良くするというのは夏場は一定の効果はありますが、冬は絶対やめましょう。
冬と夏共通するのは、リードは常に適切な水分量で吹くということです。そのアプローチが季節で逆転することを意識すると、冬場でもリードが長持ちするかと思います。また、冬場は乾燥するのでやや多めに水を漬ける状態でスタート、夏場は蒸発していかないのでやや少なめにしてスタートするとよろしいかと思います。
番外編:冬場長期的に吹かなかったリードを復活させる方法
学生はテスト明けとか、社会人は日常的(?)にリードケースに使わないリードが蓄積していくと思います。全然使わなくて乾燥しきったリードを吹こうとしても、硬すぎて吹けないということがあるかと思います。
冷えてかなり乾燥した状態で放置することでもリードの組織はダメージを受けます。組織はダメージを受けているのにリードの油分や糖分などの成分は残っているので、ハリが強すぎる状態に陥ります。
そういうときに水をつけて吹こうとしても、全然水が浸透せず、水分不足のまま吹いてしまい致命的なダメージを与えてしまうことがあります。
そういう場合おすすめなのが、リードを温水につける、です。水温が高いと、水分がリードに浸透するスピードが格段にあがります。温水が出る水道は結構多いかと思いますので、リードを温水(35~40℃くらい)につけてみてください。あまり熱すぎると、リードの成分が流れ出てしまいますので注意してください。
夏場は乾燥によるダメージはあまりおきませんので、そんなに気にしなくても良いかと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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