読書⑯
1.発注いただきました! 作者 朝井リョウさん
企業とのタイアップや コラボ作品を集めた小説やエッセイです。
数年前にテレビか雑誌で紹介されていて、読んでみたいと思っていました。
①発注内容 ②作品 ③発注にどう答えたか、という構成で、楽しめる内容になっています。作品数は20。
例えば、森永製菓からの発注では、
人間を主人公とした、キャラメルが登場する小説。
「懐かしい」「親しみがある」「ほっと一息できる」といった世界観を主軸とし、読後に「いいね、キャラメル」と思えるような心温まるストーリー。
三話分なので、三箱揃えば一つの物語が楽しめるという仕組み。
といったような内容。
キャラメルを買うのが楽しくなりそうな企画ではないでしょうか。
角田光代さんもこの企画に参加されていたとのこと。
2.あなたの人生、片づけます 作者 垣谷美雨さん
短篇小説(4作品)。片づけ屋(家の)・大庭十萬里が、原因を探りながら、手助けをしていくというストーリー。
主人公たちは、汚部屋に住む独身OL、どこに物があるのかわからない、連れ合いに先立たれた老人、物が捨てられない資産家女性、ある理由により、一部屋だけ片づいた部屋がある主婦。
十萬里に寄り添われ、変わっていった主人公達。
片づけは、人を幸せにする、できる作業なのだと思いました。
とても読みやすく、最近は、よく、垣谷さんの作品を読みます。
3. 電話交換手たちの太平洋戦争 作者 筒井健二さん
多くの資料を忠実に参考・引用し、取材して執筆された11の短編小説。
東京、大阪、名古屋、沖縄、長崎、サハリンなどの年端もいかない女性電話交換手たちの物語です。
「死んでもブレスト(ヘッドホン式送受話器)をはずすな」と教えられた彼女たちの存在を知り、戦争の無残さを痛感しました。
平和を願わずにはいられません。