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複合職種チームによる開発奮闘記
はじめまして、くふうAIスタジオ、買い物事業本部ビジネス開発部でエンジニアをやっていますobmです。
私が所属するビジネス開発部は、チラシアプリであるトクバイにチラシを掲載していただくクライアント企業向けのCMSシステムの開発等を担当している部署です。
私は2024年3月にトクバイチームにジョインし、チラシメーカーという新規のプロジェクトにアサインされました。
時間が経ってしまいましたが、私にとって学びの多い機会でしたので、今回はそのプロジェクトの開発過程について振り返ってみたいと思います。
チラシメーカー
チラシメーカーは、その名の通りチラシを作成するためのツールです。
こちらが当時のプレスリリースになるのですが、私たちはこのサービスを、企画から開発していきました。
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そもそも、トクバイに掲載しているチラシは、基本的には新聞の折込チラシを指し、各クライアント企業で作成いただき掲載させていただいているものです。
チラシ作成はクライアント企業ごとロングスパンで計画されていることが一般的であり、専用の広告会社や印刷会社等との連携も必要で、コストの高い作業です。
とはいえ取り扱われる商品は青果などの生鮮品なども多く、天候などの予想できない理由で、計画的に作成されたチラシには掲載されていないが売り出したい商品というものもしばしば発生します。
流動的に変わりうる売り出しをかけたい商品に対して、販促物を簡単に作れると良いのでは、という予測のもと、クライアント企業向けCMSシステムの一部としてチラシメーカーを開発することになりました。
開発期間は3ヶ月としてチームが発足しました。
チームの状況
私はビジネス開発部に参加した2週間後にこのプロジェクトに召集され、キックオフが行われました。
私以外のチームメンバーも、半年以内にトクバイチームに参加された人が多く、1年以上製品に関わっている人がほとんどいませんでしたが、開発メンバーだけでなく営業や企画等の他部署のメンバーも参加していました。
初期の課題
チラシメーカーはチラシを簡単に作ることができるツールと言うのが大枠です。
チラシメーカーで作るチラシをどういった形で使ってほしいのか、というところは、議論の余地がありました。
きれいなチラシを作って印刷して配りたいのか、とにかく簡単にデジタルの定型チラシができればいいのか、SNSなどにも利用できるようにしたいのか、デジタルだけでなく店頭での掲出などを視野に入れるのか…。
デザイン性が高くカスタマイズ性の高いチラシを作ればリッチにはなりますが、シンプルな操作性を保つのは難しくなる恐れがあります。
大型の店頭ポップに耐えるように作るには、高解像度での出力を考慮しないと利用しづらいものになる可能性があります。
商品投稿と言う既存のExcel入稿を利用した仕組みを活かすのか、それとも新たに商品を登録する仕組みを作るのか、といった点も議論の対象でした。
簡単にチラシを作ることへのニーズは感じているものの、ファーストリリースでどういった点を特に重要視するかと言う所について絞り込むのが難しく、最初の1ヵ月は議論が発散に向かいがちで、要件もなかなか固まらずあれもこれもとなりがちでした。
目標を見つける
そんな中で営業チームから出てきた要望が、「とにかくクライアント企業に負担をかけたくない」「簡単に使える手間の無いツール」でした。
toBプロダクト、とりわけトクバイのように直接クライアント企業と接点が持てるプロダクトの利点は、直接クライアント企業にどう使いたいか聞けるところかと思います。
過去には作ったけれども、操作の複雑性も相まってあまり利用されなかった機能があったことも話していただき、クライアント企業はチラシを作ることが仕事ではなく、チラシは売り上げを上げるための手段であることを忘れないことが重要であると感じました。
またユーザーファーストを目指すには、機能を利用するユーザーの像がしっかりしていないといけないということも改めて感じました。
これを受けて、チラシメーカーのMVPとしてのビジョンが「ユーザーが簡単に商品を選んでチラシを作成できる、マニュアルを見なくてもわかるシンプルなアプローチ」に方向性が固まりました。
動くものをつくる
また同時に、発散しがちな議論の中からそれでも核となりそうな部分をベースにプロトタイプの作成を行いました。
トクバイのクライアント企業向けCMSシステムは機能も多く、 どこからチラシ作成画面につなげるかと言う部分も難しかったのですが、「シンプルに・見たらわかる」を軸にすることで、既にある商品投稿機能からチラシが作れるようにすると言うアプローチを取りました。
プロトタイプではどういうことができるかがわかればよかったので、トクバイのステージング環境上で使える、既存のRailsアプリケーション上にjavascriptとCSSで作成しました。
デザイン等のないシンプルなものでしたが、簡単にでも動くものを作ることで、抽象的な議論から抜け出せたのもよかったと思っています。
トクバイではGithubを使った開発を行っていますが、Pull Requestごとに個別のステージング環境にデプロイされる仕組みがあるため、プロトタイプも既存システムを前提とした同じ環境で動かすことができました。
また、デザイナーメンバーにはこのタイミングから参加していただいたのですが、実際に動くものがあることでコミュニケーションも取りやすく、その後の開発がスムーズに行くきっかけになったと思います。
進める
トクバイは10年以上開発運用されているプロダクトです。
複雑なビジネスニーズに応えるため、また多くの機能を提供するため、複雑になった結果暗黙知となっている領域も多くあると感じています。
新規にジョインした身では現状把握やそれに応じた実装が難しく、他のメンバーには本当にたくさん助けていただきました。
私が所属するビジネス開発部では、毎朝各人の疑問点や相談事を共有する朝会を行っていますが、毎日カジュアルに質問できる場があることで既存メンバーに知識ギャップを埋めていただく機会が多くありました。
リモート中心での開発でしたが、oViceなどのオンラインツールにエンジニアやプロジェクトメンバーが常駐してくれていたことで、コミュニケーションを取りやすくしてもらっていたと思います。
Pull Requestのレビュー、Slackや他チームのバックエンドエンジニアとの共有会などを通して、考えるべき部分について質問していただいたり一緒に考えていただいたりと、数え上げるときりがありませんが、開発を進める上で大きな助けになりました。
リリース
様々な人の助けを借り、2024年6月末になんとかリリースすることができました。
ありがたいことにリリースした翌日にクライアント企業から感想の連絡などもいただくことができました。
toB向けのプロダクトは他にも経験がありますが、リリース直後に感想の連絡をいただける事は初めてで、会社としてのクライアント企業との関係性の良さ、これまで築いてきた信頼感を感じられました。
まとめ
現在はリリースしてから半年程度時間が経ちました。
開発時に考えてはいたけれども、特に重要そうでないものや、重要では無いかもしれないと思っていたのに、多数お声をいただく機能などもあり、今後の改善点なども見えてきています。
すべての開発が複合チームで行われるわけではないですが、営業チームなどの直接お客様と接点のある部署と関わりながら、みんなでユーザファーストを考えていけることもくふうの強みかと思います。
くふうAIスタジオでは、採用活動を行っています。
当社は「AX で 暮らしに ひらめきを」をビジョンに、2023年7月に設立されました。
(AX=AI eXperience(UI/UX における AI/AX)とAI Transformation(DX におけるAX)の意味を持つ当社が唱えた造語)
くふうカンパニーグループのサービスの企画開発運用を主な事業とし、非エンジニアさえも当たり前にAIを使いこなせるよう、積極的なAI利活用を推進しています。
(サービスの一例:累計DL数1,000万以上の家計簿アプリ「Zaim」、月間利用者数1,600万人のチラシアプリ「トクバイ」等)
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