クラウドってどこがいいの? 毎月お金搾り取られているだけじゃない?
久し振りの投稿失礼します。
Ob(オビ)です。
コロナの流行が1年以上続いている今、私にとってこの1年間はリモートワーク推進との戦いでした。
皆さんの中でもリモートワークを急に強いられて大変だったという方がいらっしゃると思います。
苦境に立たされる人々が多い中、米国IT5社(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)では過去最高益を記録しました。
https://www.sankei.com/economy/news/210203/ecn2102030009-n1.html
そんな中、私が昨年お客様からのご質問をいただき、役員や経営者に対して説明をした中で最も多かった質問が、
「クラウドってどこがいいの? 毎月お金搾り取られているだけじゃない?」
というものでした。
これは実際多くの人が気にされていることで、なぜサブスクリプションモデルが最近の主流になっているかを説明する人間がいないままこのモデルが浸透したということが根底にあります。
一度買い切ってしまえばずっと使えるのに、なぜサブスクモデルがこんなに採用されているのか。
本日はここについてご紹介をしたいと思います。
1:サブスクを理解する
そもそもサブスクリプションって何でしょうか。
広辞苑や大辞林、様々な記載がありますがここでは、
「一定額を支払うことで一定のサービスを受けることができる。さらに追加の費用で追加のサービスを受けることができる」
という定義をさせて頂きます。
これをご覧になって、「ん??」と思われたかもしれません。
電気代などもこの定義に当てはまるからです。
実際、私たちもお客様に説明をするうえで、この電気代の仕組みを引用するケースが多いです。
2:身近な例で考える
「あなたは自分の家に発電機をもって発電をしていますか?それとも、電力会社から買っていますか?」
バカにしているのかといわれることもありますが、決してそんなことはなく、まじめに考えていただきたいと思ってしている質問です。
大抵の家庭・法人では電気は電力会社との契約によって成り立っています。
基本使用料、追加の費用、その他のサービスを電力会社に委託しています。
これはひとえに、「そのほうが楽で安いから」です。
発電機が壊れて修理をして再利用する、そういった非常に気の滅入る作業から解放されます。
Netflixなんかも、テレビで見ていてその続きをスマホでみられるかと思いますが、それはべつにテレビもスマホもただの再生装置で、どういったものを見ていたかというデータはクラウド上にあります。
FacebookもGoogleもAmazonも同様ですね。
プライベートではクラウドを利用されていることにあまり気づかず、ビジネスなどになるとその点を毛嫌いされる方も多いです。
一方で発電機を持っている個人・法人もいます。
UPSを持っている個人や、生命維持装置を抱える病院などが代表です。
いわゆる、ITの世界でいうクラウドの対義語であるオンプレミスのサービスがまだ必要とされているのも、このような方々のニーズが根強い為です。
3:それで、クラウドにする理由は?
このような前提を踏まえたうえで、前述の特殊事情の法人・個人以外は基本的にクラウドに移行したほうが楽です。
1,責任の所在が明確になる
オンプレミスでのトラブルは基本的に自分での解決が必須のため、情シスの方々へ様々な問い合わせがなされますが、クラウドの場合はその責任の所在がサービス事業者側に移るためです。
メールが送れない。ログインできない。データが消えた。
サービス事業者側ではSLA(=サービス品質保証)が設定されているため、正しく利用している限りそのような問い合わせは事業者側での責任となり、一定水準のサービスを提供できない場合返金対応となるためです。
その間、情シス担当者はより効率的な会社のシステム運用のために動けます。
2,「発電所」を自分で構築しないでいい。
ネットワークの構築、セキュリティ設定、ユーザーの追加削除、権限付与、外部アクセスの際の挙動、スマホでの利用、それらをサービス提供するサーバーの構築。
そういったサービスの提供にかかる膨大な工数を全部サービス事業者に丸投げできます。
例えばMicrosoftのOffice365が出てきたとき、何が一番衝撃的だったかというと以前はトヨタなどの大企業が数十億円かけて作ってきた様々なサービスを統合して自社で運用していたシステムが、月額1ユーザー500円前後から利用できるようになったという点です。
3,端末に依存しない
私はiPhoneを使って様々なクラウドサービスを利用していますが、先日不幸にも水没してしまいiPhone12 Pro Maxへ買い換えました。
その時にiPhoneが届いてから私がクラウドからのバックアップを初期設定で行うと、ほぼすべてのクラウドサービスがいきなりアプリ立ち上げを行ってそのまま利用できました。
これは会社の携帯として会社側に強力な管理をされている一方で、サービスが使えないというダウンタイムを防ぐような設定を事前にしていたためです。
これはLINEやメッセンジャーにも言えることです。
例えば、LINEはバックアップを取っていない場合は端末にデータが保存されるため、機種変更の際にトーク履歴がぶっ飛んだという人も多いでしょう。
一方でメッセンジャーは基本的にクラウドで保存されているため、私が確認しましたところ2010年1月のメッセージ(私が最初にメッセンジャーを使い始めた頃)まで遡れました。
※LINEももちろんクラウドバックアップ設定をしていれば問題ないですよ!
Mac、Windowsでもそのサービスにログインした瞬間に、以前と同じ環境で使える。
これが重要です。
急なリモートワークになって家のPCから作業しなければいけない、というご相談を頂くことが多かったですが、普段からこのツールを導入していた会社は問題なくリモートに移行できました。
※社内の制度はまた別の話ですが。。。
4,セキュリティ意識が高い人に向いている
セキュリティの問題は、常に最新のデータを利用しての防御を行っているかという問題と切って離せません。
現在では、1日で数十万種増えるというのが現状です。
これはハッカーがたくさんいてたくさんの種類が作られている、というものではなく、既存のウイルスの亜種を大量に作るツールなどを用いているためです。
クラウドでのセキュリティの考えは、そのウイルスに対して最新のデータを用いて検知をしてインシデントを事前に防ぐ、というモデルです。
そのため、買い切り型などでは対応が遅れがちな脆弱性修正のパッチ配布などを待つ必要がなくなります。
4:それでもクラウドを使わない人は?
それでもクラウドを使わない人たちは一定数いらっしゃいます。
それは「使いたくない」という理由の層と、「使えない」という層です。
これは、その層の方々のご意見はごもっともで、例えば、
「機密データを他社サーバーにあげたくないので使いたくない」という方でしたり、「政府機関のため、利用が省令で禁止されている」という部署の方々などです。
こういった方々はチャットツールなども自社で構築が必要なので、非常に大変な思いをされていることを目の当たりにしています。
ただ、大多数の方々が個人では自分の個人情報と引き換えにご利用をされているクラウドサービスを、法人では情報を渡さないためにお金を払って利用するということに抵抗がある、という状況です。
※この個人が個人情報と引き換えに無料でサービスを利用できる仕組みについて詳しく知りたい方は、Netflixの【監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影】をご覧ください。
https://www.netflix.com/jp/title/81254224
5:結論
クラウドが正義!ということは全くないです。
一方で、クラウドに移行したほうが効率的でもっと仕事の回転数を上げられる法人が多いのは事実です。
本日上げさせていただいたクラウドのメリットが刺さらない方はこれまで通りのご利用が一番満足できると思いますし、ちょっと気になる場合はAWS、Office365、G-suiteともに無料トライアルとかありますので、それで費用対効果を見ていただくことをお勧めします。
初歩的な記事となりまして恐縮ですが、みなさんの参考として頂けましたら幸いです。
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