【改めて考える】公務員っておいしい仕事だろうか。
お久しぶりです、obです。
2016年に執筆した以下の記事が比較的人気なため、この議題を6年ぶりに掘り下げてみたいと思います。
僕は、新卒で入った会社を激務過ぎて2か月で過労で倒れ、「試用期間中なので、休みは取れない」との理由でクビになりました。
その後、地方公務員となり債権の差し押さえなどに従事しました。
仕事では、Excelのマクロで仕事を効率化したら上司に激怒された経験や、債権の時効管理を紙でなくシステムで行う提案をしたところ、紙よりも信頼性が置けるというプレゼンをしろと言われたりしてきました。
その時に感じたのは、「生産的に働く人間が増えると仕事が奪われて困る人がいるんだ」という点です。
新卒の手取りが13万円程度ですから、そこから奨学金や家賃を払ったりすると本当にカツカツです。
今の仕事をしていても思うのですが、日本はあまりにも残業代を当てにして生活をせざるを得ない人が多すぎる国です。
だからこそ、積極的に生産性を落として残業代にすがる、という構図ができがっています。
また、長時間働く人間が偉い、という空気感は日本人に必ず存在するものです。
私の現在所属している会社はいわゆるトリリオンクラブ、時価総額が1兆ドルを超えるような組織ですが「短時間で成果を出す人間」これが最も評価されます。
なぜか?
短時間で仕事を達成できる人間に給料を集中させることで、より優秀な人材に会社の金が廻りより生産性の高い組織を形成できるからです。
毎年給料は上がり続け、私は30歳のころには公務員だったころの4倍以上の収入を得るようになりました。
公務員もそういった体制をとることができればいいのでは?という声ももちろんあります。
結論として、無理です。
理由は2つです。
1つは、世論が許さないからです。
日本人は隣人が豊かになることを許せない民族なのだと、外資に行って改めて実感しました。
皆で豊かになるより、皆で貧しい生活を望む。
これが公務員の賃上げを阻み、能力の優劣で給料の差がつきにくい一つ目の理由です。
2つ目は、民間企業がこの30年成長していないから、公務員の給料も上げられないという理由です。
民間企業の成長と何の関係があるのか?とよく突っ込まれますが、これは重要な要素です。
日本の国家公務員は人事院が給料を策定する際にラスパイレス指数というものを用います。
民間企業の所得の平均値と乖離しないためにこの数字が用いられますが、つまりこれは民間企業の成長無くして公務員の給料が上がることはないということを指しています。
頭のいい学生さんたちはそこに気が付いていて、公務員になるよりも外資企業に就職をしたり、起業をしたりといった方が増えています。特に優秀な方ほど。
私も今の企業にヘッドハントされる際にいわれた言葉があります。
私は当時、省庁からもお誘いを受けていて、「日本の働き方を変えるためには省庁に入るしかない」と考えていました。
しかし、現在の会社の担当者から、
「省庁に入っても政治家にいわれた法律を作るだけになります」
「私たちは、その政治家がどんな法律を官僚に作るように指示するかをコントロールできる立場です」
「そして給料は官僚の倍以上、勤務時間は官僚の半分以下です」
「まずはご自身が一番イケている働き方をしていないと、働き方改革の話をしても説得力がないと思います。弊社ではそれができます。」といったことを言われました。
確かに、断る理由がなかった、それが私が今の会社に入った理由です。
今でも、霞が関では官僚の友人たちが朝まで働きタクシーで帰るといったことが繰り広げられていますが、そうしなければいけないほど公務員は人材が足りず仕事は終わりがないものが割り当てられます。
それで得られる給料は、僕の年齢で600万円ほど。
時給にしたらいくらになるのでしょうか。
だから私は、これから公務員を目指す人、外部から批判している人、興味が無い人たちにこのような実状を知ってもらった上でもう一度お尋ねしたいです。
「公務員は安定しています。でも公務員はおいしい仕事でしょうか。」
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