公務員っておいしい仕事だろうか
1社目の民間企業を辞めて公務員になったとき、いろんなことを考えました。
公務員を辞めて2社目の民間企業(現在の外資系企業)で働いていて、いろんなことを考え続けています。
公務員は安定していると、よく言われますよね。
その通り、とても安定しています。
公務員というだけでローンも組みやすくなり、よほどの処分を受けない限り毎年給料は上がります。
夏休みは条例によって3日から6日の取得が可能(実質義務みたいなもの)でして、賞与は夏・冬で計約4ヶ月出ます。
有給?とても取りやすいです。
登庁して午後から急に休むことも多々ありました。
総務省が発表する、平成27年度の地方公務員の平均給与は残業なども含めた場合、月額421,050円です。これを賞与も含めた年収に換算すると、概算で656万円となります (賞与分は1月376,959円×4にて計算)
※ちなみに国税庁が発表している日本人全体の平均年収は、約414万円といわれています。
ここまで見て、いかがでしょうか。
家族がいて、ひとつの都市で落ち着いて過ごすには十分な環境ですよね。
これが、私が公務員を安定していると考える理由です。
ここまで持ち上げておいてなんですが、今回のコラムの結論は「公務員そんな甘くないしあんまりおいしくないんで、よほどやりたいことが無いなら消去法で選ぶ仕事ではない」というものです。
先ほど言ったように、公務員はとても安定しています。
ただ、それは結果としてそうなのであって、安定を目的として選ぶとただただ退屈で、延々と続く日々が40年間待っています。
私は安定を目的としていたわけではないですが、そこに耐えられなかったこと、もっとやりたいことが今の会社で見つかったことを理由に、職を辞しました。
順を追ってみていきましょう。
よほどのヘマをしなければ毎年給料は上がりますし、平均年収は国民平均を超えます。
では、どのくらい毎年給料が上がるのか、何歳でいくらになるのか。
この点に関して、結論からいうと新卒として入庁した私の手取りは13万円前後でした。
一人暮らしをしていると、本気でカツカツですし、奨学金の返還も半年に一度のボーナスでやっとです。
給料は毎年の給与改定で10万円程度、月給で約7千円から8千円上がります。
※公務員の給料、どれくらい給料が上がるかは、各市町村や都道府県、人事院の条例などに明記されています。初任給や退職金なんかも公開されておりますので、見てみたい人は「○○市職員の給与に関する条例」等で調べてみてください。
また、災害が発生しましたら、自分の家族がどのような状況であっても真っ先に出動が求められます。これは防災に携わる職だけではなく、公務員全般に言えることです。
公務員の守秘義務(地公法第34条第1項、国公法第100条第1項)があるため、飲み会の席はもちろん、家族にも仕事の話をおおっぴらにすることも出来ません。
もちろん民間でもコンプライアンスを遵守するため同様の規定はありますが、公務員の場合は懲役刑が科せられることもあります。
職場のストーカーに悩まされていたために警察に相談した私の知人は、「同じ公務員たる警察に迷惑をかけた」という理由から、処分されたこともありました。
地方上級職・国家一般職の場合、大学へ通い、教養科目23科目、専門は最低15科目の勉強を行い、高倍率を抜けてこのアルバイトとも差の無い給料で生きていく、これはよほどの覚悟が無いと出来ないことです。
年功序列という構造が崩れない以上、上司達は成果を上げることよりも何事も無く年を取り、退職のその日をただひたすら待ち続ける人間も多いです。
優秀な人材ももちろんいます。しかし優秀な人が上に立ったとしてもトップダウンの指揮系統に対し、ボトムアップ式の稟議が採用されている以上、若手や優秀な人間の意見はことなかれ主義にかき消されます。
一度職場内で問題を起こすと、その職場で息苦しく残りの公人としての人生を送るしかありません。
公務員という職業の特性上、そこで身についた技術は民間で活かせるものはほとんど無く、公務員から民間への転職はかなり難しいためです。
※英語が流暢に出来る、PCのスキルが異常に高い、組織全体の支出の○○円の削減に成功した等の実績があるような人は例外です。
1年を終え、ようやく給料が上がっても月々の給料が8,000円上がるだけで、残業でも無理やりしない限りは+αのお金が入ることは決してありません。
兼業は厳罰に処されます。
私が体験した公務員は、この様なものでした。
だから私は、これから公務員を目指す人、外部から批判している人、興味が無い人たちにこのような実状を知ってもらった上でもう一度お尋ねしたいです。
「公務員は安定しています。でも公務員はおいしい仕事でしょうか。」
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