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【忘却度40%】「いま堂々と読むSEX BOOK」

2011年6月8日。
 
 と、悲しみにくれていたはずなのにこんな本。
 かつて「ホットドッグ・プレス」という雑誌があったことは、「ノーライフキング」「1973年のピンボール」「この頃は、めっきりラブレター」「業界くん物語」などで書きました。
 北方謙三先生が「小僧ども、ソープへ行け」と小僧を叱咤されてたのもホットドッグ・プレスです。

 そんな豪華連載陣を擁したホットドッグ・プレスですが、80年代の大ヒット特集が「デートマニュアル」「セックスマニュアル」でした。どんなファッションで、どんなドライブをして、どんなレストランに行って、どんなプレゼントを渡して、どんな高級ホテルに誘って、どんな前戯をして、どんなテクニックを使って、どんなピロートークをするのか。
 いまでは信じられないですよね。

 本書はそんな特集記事をまとめたムック本です。
 それが懐かしくて買ったと思うのですが、このころ、昔の雑誌自体もよく探していました。
 その理由を以下、前にある本に掲載した文章を少し抜粋します。

<ネットで調べてみる>
 
<最初にホットドッグ・プレスがセックス特集を出したのは、まだ中学生のときだった。後に村生ミオ先生の表紙でお馴染みになる、最初の「いま堂々と読むSEX BOOK」。
 喉から手が出るほど、というありがちな慣用句があるが、このときばかりはチ○ポからガマン汁が出るほど、このホットドッグ・プレスは欲しかった>

<しかし結局、本屋のカウンターに持っていく勇気も、ページをめくって立ち読みをするガッツも持ち合わせず、その内容を想像しては悶々とするしかなかった>

<そして後日、別の特集号を買ったときに読者プレゼントの応募ハガキを送った。新型のラジカセが当たるかもしれないとワクワクしながら、そのハガキには「編集部にメッセージを一言」とあったので、そのときに思っていたことを一文書き添えた>

<なんとその純粋な少年のそのコメントが、勝手に読者投稿欄に流用されて1か月後の誌面に思いっきり載ってしまったのだ>

<「中学生の僕はとてもはずかしくて買えません。これからは買いやすい表紙にして下さい。(東京都・●●●)」(*本名)>

<本屋の立ち読みでこれを見つけたときは、喜びよりもこれが学校の皆にバレたらという怖れのほうが大きく、ガクガクに震えた。おのれホットドッグ・プレス編集部、セックスどころかオナニーだって覚えたての郊外少年のハートを踏みにじりやがって! こうなったら消火器持って講談社に殴り込みだ!(本当の事件の数年前)>

<しかしその数日後、ホットドッグ・プレスの封筒が届いた。なんだろうと思って封を開くと、そこには村生ミオ先生の光り輝く表紙のホットドッグ・プレスが……!
 思えばこのときが初めて、編集者という職業に憧れた瞬間だったのかもしれない。その見知らぬ読者欄担当氏の粋な計らいに感謝をし、いただいたホットドッグ・プレスはすりきれるまで読み込んだ。普通はレコードに対して使うフレーズだが、すりきれそうになったのは違うモノなので、この一文は校正ミスではない。>

 後年、無事にこの投稿が載ったホットドッグ・プレス(上の表紙の号)を、親切な人が見つけてくれました。大事に保存しております。

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