きみの色に心と精神と脳を浄化された話
映画「きみの色」を観てきました。その感想&妄想&妄想を書こうと思います。
小説読了、2回目視聴後の感想となります。公式ガイドブックも少し読みました。
とりあえず本編の詳しい描写は小説を読むと解像度が上がるので、映画を見た人は是非読んで欲しいです。
本記事は本編のネタバレを含みます。
まだ観てない方は観てから読むことをオススメします。
まず、なぜこの映画を観ようと思ったかですが、2か月ほど前に、映画館に行ったときに流れた宣伝映像を観て面白そうだなと思ったのがキッカケです。特に監督が好きとか期待してた。というよりはなんとなく観てみようって感じです。
そんな感じで見に行ったので、まず絵の綺麗さに魅了されました。初回はIMAXで観たのですが、光の表現がとても良くて、映画を見たあとは、なんとも言えないほわほわしたような気持ちになました。また、音の表現にも魅了されました。なによりテルミンがいい。
その帰路で小説を買って今読んでいる最中です。全部読んでからの方がいいかなと思ったのですが、この気持ちが少しでも残っているうちに書こうと思ったので書いています。(小説は半分くらい読みました。
ゆっくり数日かけて読み終わりました。
私の過去記事をみれば分かる通り、私はガールズバンドクライに心と精神と脳を破壊された訳ですが、その破壊された全てをこの作品は浄化してくれました。
作品のテイストは全く違いますが、このきみの色はバンドというよりは音楽を始めるまで。までしか描かれていません。みんな演奏が上手いわけでも無いですし、バンドとしてはアマチュアです。トツ子は2本指で演奏してますし、きみもギターを始めたばっかです。ルイも受験勉強の合間で音楽をやっているので、本気というよりは趣味の範囲です。
そもそも作中の3人はバンドとして人生をかけるほどまでには到達してないですし、そのつもりもないのかなと思います。この作品のメインはバンドではなく"青春"です。
思春期の葛藤や人には言えない悩み、好きなものを好きと言えない気持ち。抱え込む悲しみ。楽しいことを出来る喜び。それを共有できる友達。全てが詰まってます。
この作品は、終始絵画を見ているような視点で描かれていて、世界に入り込む。というよりは、俯瞰視点でずっと見ているかのような作品でした。ストーリーも緩急があるわけでもなく、日常をただただ見ているかのような作品なのですが、そこには引き込まれる程の"奇麗な青"があり、それはトツ子がきみの色が"青"に見えるのと同じような感覚でした。
前情報無しで見に行ったので、タイトルの「きみ」は君ではなく、きみちゃんの事だと分かるわけですが、これについては割と序盤でタイトル回収されましたね。
しかし、トツ子本人は自分の色がわかりませんでした。これは映画のライブ後に分かるわけですが、これは事前に予測できます。
それは光の三原色をテーマだからです。きみちゃんは青、ルイくんは緑、トツ子は赤。3人合わさると白。つまり「しろ」ねこ堂です。
作中ではしろ猫がトツ子を導き3人を合わせました。
その時点でトツ子の色は赤だと推測できます。
また作品の冒頭では、トツ子から色の見え方の説明がありますが、そこでも赤、青、緑が使われています。
2回目は小説を読んだうえで、ストーリーの補完と光の三原色(赤、青、緑、ピンク、黄色、水色、白)に注目して見るとより楽しめます。
また、ニーバーの祈りもいいですよね。
それは自分自身を受け入れ、それを自分の中に閉じ込めておくのではなく、ちゃんと伝えること。です。
感情というのは目に見えないものです。テルミンという楽器が弦が見えないのと同じように。
本編では明確に描かれていないこと
きみはルイに恋心を抱いています。ただ、きみ本人はそれがなんなのかよくわかってなかったんだと思います。
おばあちゃんに今の気持ちを伝えたら、ライブに来てくれたように、「伝えること」が大事なんじゃないかと、きみの中では決断したんだと思います。またウジウジするのは違うって。
だから最後のシーンできみはルイに思いを伝えました。
「がんばれー!がんばってー!」と叫ぶ姿は流石に涙を堪えられませんでした。2回目の方がヤバかったです。目から水が止まんねぇや。
ただルイはきみの恋心には気づいていないんだろうなって。おい!気づけよ!
またED後のシーンでは録音された水金地火木土天アーメンがラジカセから再生されるシーンと、謎のワンカットが入りったところで映画が終わります。初見だとよくわからないまま終わってしまいますが、
これは小説を読めばどういう事なのかわかります。是非小説の方も読んで欲しいです。ここをあえて映像化しないかったのも良かったと思いました。
とにかく、それ以外のことは小説と公式ガイドブックを読んで欲しいです。
どちらも魅力的ですが、小説の方はよりキャラクターの感情に寄った描写。公式ガイドブックの方は世界設定の描写(クラスメイトや作品にほとんど映っていないような部分の細かい設定、光の加減など、細かいことが、わかります。)
では。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?