N大動物医療センターへ
5月1日(月)
N大に行くには、近所のK病院とは違い電車とバスを乗り継ぐ必要がありました。我が家には車がありません。
駅まで歩かせ、駅からはキャリーバッグで電車に乗って移動です。
10キロ対応のキャリーバッグに12キロほどのフレンチブルドッグを入れます。ショルダーベルトで肩に担ぎますが壊れないか心配です。
キャリーバッグに入る時も、頭から入ると中で方向転換出来ず逆向きになってしまいます。なので「ハウス」と声をかけて体が半分ほど入ったところで、「よし」と声をかけます。そうすると入り口付近で出てこようとして方向転換し頭から出てくるので、そこで「ハウス」ともう一度声をかけるとバックで入ってくれます。
(よくよく考えたら、後ろ側のチャックを開けてそこから入れればよいということに気づき、自分のアホ加減に辟易しました。どうでもいい話ですが。)
各駅停車の電車で5駅。そして駅からバスで10分程度。病院の予約は10時からだったので幸い電車は空いており、駅からのバスも始発のため楽に乗れました。家または駅からのタクシーも考えましたが、私はどうも見た目でなめられがちで、与しやすいと思われるのか運転手には気分の悪い思いをさせられる事が多いため、できればタクシーは避けたいという思いがあり、ヨメには迷惑をかけない範囲で自分で苦労すればよいと思いました。
バス停から5・6分ほど歩くと、大学の門がありそこから中に入りました。門から入ると動物医療センターの建物がすぐに見えました。外から見た感じでは建物もきれいで大きく、診察室がいくつもあって、待合室にはたくさんの犬や猫が待っていました。
行程がスムーズで予定よりだいぶ早くついてしまったので、建物の前にあったベンチで座って時間をつぶしました。ベンチが何か所かあって他にも予約時間待ちと思われる犬が待っていました。駐車場が使えるらしく、ほとんどの人が車で通ってきているようでした。
予約時間が近づいたので、受付を済ませ待合室で待ちました。初診なので、問診票などを記入しました。しばらく待つと、名前が呼ばれ診察室に入りました。研修医の方が対応してくださり、これまでの経緯の聞き取りです。
三月半ばに舌の表面にできものをみつけ、一か月たっても治らないので腫瘍の疑いが高いと診断され、口の中を調べてもらいに来た事を説明しました。フランは血液検査とエコー検査をするので一旦あずかりますということでした。CTやら口の中を診るために麻酔をすると聞いていたので絶飲食できましたが?と思いましたが待合室で待つことに。
K病院で、よくやってくれるいい先生と聞かされていた先生とは違う研修医の先生の対応だったので、紹介されたとはいえ、その先生には診てもらえないものなんだなと思いました。
麻酔をかけるのでしばらく時間が空くと思っていたため、その間にお金を下ろそうと思っていて手持ちのお金を用意していませんでした。
フランを預けるとき、お金を下ろしに行きたいのでどれくらい時間がかかるか聞きましたが、明らかに迷惑気味で、かかる時間はわからないので、その間は待合室で待っていてください。そういうものなのでという回答でした。わたしが一人で待合室に残り、ヨメがお金を下ろしに行きました。
二時間ぐらい待ったでしょうか。やっと名前を呼ばれ、フランを返してもらいもう一度診察に入りました。エコー検査をしたため、お腹が濡れていました。今度はK病院でいい先生と言われていた先生が対応してくれました。まずは研修医が対応して本丸はそれから登場するようです。
研修医を横に立たせて、厳しく指示・質問を飛ばしながら、私たちの対応をします。教育の場でもある大学病院では、このように診療が進むようです。
血液検査は白血球数が高いとのことでしたが、エコー検査の結果については特に触れられませんでした。いずれにしても、口の中を見なければわからないので、検査の日程調整をという話になりました。
今日それをするということで予約してもらったし、今日は絶飲食で来たのですがと言いましたが、いやいやそれは違う。混んでいるところにねじ込んであげて、それから検査の日程を調整しましょうという話なんだから、K先生ちゃんと伝えておいてもらわないと困るなぁと先生は言いました。
K先生の普段の感じからすると、わからない話でもなかったのでしょうがないなぁという感じでしたが、また無駄に時間がたってしまうことが確定しました。
舌の腫瘍は進行が早いので、検索している暇があるなら、高度医療機関に駆け込みなさいというブログを読んだ後だったので、既に後悔し始めていました。
先生は研修医に厳しい口調で手術の予定を確認しながら検査日程の調整をしています。それを聞きながらわたしは、昔観た家系ラーメン吉村家のドキュメントのあるシーンを思い出していました。
そのドキュメントは吉村家の名物社長に密着したものでした。弟子に厳しい社長として有名で、厨房でラーメンを作りながら、客前で弟子を怒鳴りまくるし蹴り飛ばす。あるとき、客の一人が弟子を怒鳴りまくる社長に、飯食ってるのに気分が悪いからやめてくれないかと苦情を言うが、社長は金要らないから帰ってくれと言って、その客を逆に追い出してしまうというシーン。もちろん最終的には人情に溢れた社長だっていう構成ではありましたが、裏でやれよと自分も思ったのを思い出していました。
結局5月10日(水)に麻酔をかけ口の中を見て、生検・CTを取ることになりました。生検は病理に回し5月15日(月)に結果が判明。5月9日(火)夕方に病院へ連れていきその夜入院。翌日検査を行い、翌5月11日(木)に退院という二泊三日の日程になりました。
そこで、一つ言われたのはフレブルは鼻腔狭窄や軟口蓋過長があるため、麻酔時の呼吸状態によっては鼻の入り口と軟口蓋をカットする可能性があるということでした。フレブルがブーブー呼吸をしたり、いびきをかくのはそのせいだそうです。ただ、フランはフレブルに関してはブーブー言わないし、いびきもあまりかきません。そういう点では、優秀なフレブルであるのでカットする必要はないかもしれませんと言われました。ようするにフレブルっぽくないってことのようでしたが。
フランは奈良のブリーダーから直接買いました。買って何年か経ってそのブリーダーのホームページをみてみると、結構グレードアップしており、事業に力を入れ始めたのがわかりました。わたしがフランを買った時は、いかにも個人のホームページという感じで、全く事業化されていない感じでした。それが不安でもあったのですが、フランの写真に一目ぼれし、連絡を取りました。
しかし、久しぶりに覗いたホームページは、いわゆるブリーダーのホームページ的なものになっていました。そこには「最初の数年は思うような形のフレブルをつくることができませんでしたが、最近理想の形が出来るようになりました。」と書いてありました。
その「最初の数年」出身であるフランは、正統な価格だったのに思うような形ではないということか、とその時は微妙な気持ちでしたが、それがここにきて役に立つとは因果なものです。
その日は血液検査とエコー検査をしただけで連れて帰ることになりました。
結局のところ、3月半ばに舌の表面のできものに気付き、4月半ばに腫瘍だろうと言われ、5月の頭の時点で、何も進展ないままの状態でした。そしてさらにまた一週間以上ムダに時間が過ぎることになりました。
ヨメと話し合って、待ってでもK病院とN大の高度医療に賭けるという結論でしたが、そこから何も進展していない事で、もやもやとした気持ちだけが残りました。
帰りは、その足でK病院に寄り、絶飲食で連れていったけど血液検査とエコー検査のみで特に進展もなく、元々そういう予定だったと言われましたよと軽く嫌味を言い、追加の軟膏をもらって帰りました。
<費用> N大 初診・検査 約27000円
K病院 診察・軟膏 2700円