高齢者にこそお肉が必要
健康寿命を伸ばすためには、しっかりたんぱく質を摂る必要があるというデータをご紹介します。
総エネルギー量に占めるたんぱく質の割合を、日本人の平均値と100歳以上の高齢者とで比較したものです。
日本人の平均値は14.6%です。それに対し、100歳以上の男性は16.0%、100歳以上の女性は16.9%という結果でした。
また、総たんぱく質に占める動物性たんぱく質の比率も比較しました。
日本人の平均値が48.7%です。対して、100歳以上の男性は59.6%、100歳以上の女性は57.6%でした。
健康寿命を長く保っている方は、お肉をたくさん食べているんですね。
成人において、全身にあるたんぱく質の約3%が代謝されて日々入れ替わっています。毎日たんぱく質を摂取しなければ、体を維持できません。
大豆や魚と比べて哺乳類の方が生物学的にヒトと近く、たんぱく質の形も似ています。たんぱく質を構成するアミノ酸の組成が似ているため、効率的に再合成されると考えられています。
脂肪も十分な量を摂取する必要があります。動物性脂肪と植物性脂肪を1:1の割合で摂取することが理想的とされています。
大豆や魚に偏らず、肉をしっかり食べましょう。
体内で合成されるたんぱく質にアルブミンがあります。血液中に100種類以上も存在するたんぱく質のうち、もっとも多くを占めます。
血中アルブミン濃度が低いと免疫力が低下し、病気のリスクが高まります。
高齢者は低栄養が大きな問題になっています。高齢者の肺炎の原因は、低栄養による免疫力の低下であると考えられています。
低栄養を解消し免疫力を高めるためには、たんぱく質の摂取量を増やすことが大切です。
少食な高齢者が効率よくたんぱく質を摂取するには、やはり肉をしっかり食べることが最善ということになります。
腎臓に疾患があると、たんぱく質の摂取が腎臓への負担となり、症状を悪化させてしまう恐れがあります。かかりつけの医師や管理栄養士と相談して、適切な量を摂取するようにしてください。
肥満傾向の人や血中脂肪が高い人は、脂肪の少ない部位を選ぶようにしましょう。