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群衆雪崩はどのようにして起きるのか
群集事故には大きく分けて2種類あります。
将棋倒しと群集雪崩です。どのような違いがあるのでしょうか。
一般によく知られている将棋倒しは、1㎡あたり5人という比較的低密度で発生します。
そして一方向に力がかかります。特に後方から前方に向かって力がかかり、その方向に向かって人が倒れていきます。
満員電車などで電車のドアが開いたときに、ドアに向かって奥から人が倒れていくような場合です。
それに対し群集雪崩は、1㎡あたり10人以上という高密度な状態で起こります。
そして群衆の中で力のかかる方向があちこちに向かっています。
複数の方向に力がかかり、中にいると周囲から押されて自分の体が浮き上がるほどになります。
四方からの圧力が拮抗し合い、その状態でバランスを保っています。お互いにもたれ合っているため倒れることはありません。
しかしこれは雪崩の一歩手前の状態であり、非常に危険です。
圧力が拮抗し合っている中で誰かがつまずいて倒れる、あるいは失神した状態で倒れるなどした場合、そこにできた隙間に向かってバランスを失った人々が倒れ込むことになります。
するとその周囲でもかろうじてバランスを保っていた人たちが一斉にバランスを崩していくため、人々の転倒がどんどん広がっていきます。
人間は呼吸するときに、肋骨の間にある筋肉を使って横隔膜を収縮させています。
四方から数百キロもの圧力が加わると肋骨を圧迫され、呼吸ができなくなります。呼吸ができなくなると人間はパニックに陥ります。
また、群衆の中にいるとき、多くの人は防御のために自然と両腕を体の前に持っていきます。
その腕が群衆に押されて自分の鳩尾を圧迫したり、無理な圧力がかかって肩を脱臼するようなことも起こります。
カバンやリュックを前に持ってきていたためにお腹や胸を圧迫されてしまうこともあります。
事故を防ぐためにはどのような対応が求められるのでしょうか。
まず細い抜け道は封鎖しなくてはなりません。あるいは一方通行にすることで流れを作る必要があります。
一方通行が難しければ大きな通りの左右で流れを分けるといった対応になります。いずれにしても十分な数の警備員が必要です。
群衆事故は、どうしても女性や子供、お年寄りの犠牲が多くなってしまいます。
巻き込まれないためには、人混みを避けることが一番の対策になります。少しでも危険を感じたら一刻も早くその場を離れることが大切です。
そのためにも、身動きが取れなくなるような場所には入り込まないようにしましょう。
警備員がしっかり配置されているのか、人の流れがきちんと統制取れているのか、状況を見極めて冷静に対処しましょう。