「経済効果」って何?犬でもわかる経済学の基礎
『経済効果』ってなんだろう?
『経済効果』は、最近、私が気になっている言葉だ。
せっかく経済学部に入るのだから、気になっているこの経済用語を調べてみることにした。
まず、『効果』というのだから、何らかのアクションがあって、それが引き起こしている現象なのではないかと考えた。
まだ、自宅に経済学部のテキストが届いていないので、ネットを使って調べてみた。
経済効果とは?
ん?
なんかしたら、お金の動きを生みました。それがどのくらいの規模でどのくらい影響を与えましたーというのが経済効果であるらしい。
計算、と言うからには数字で出るということだよな?
確かに『東京オリンピックの経済効果は◯兆円!』みたいなフレーズを聞いたことがある気がする。
つまり、計算式があるということだな。
では経済効果をどうやって計算するのだ?
経済効果の計算の手順を調べてみた
データを集める: まず、イベントやプロジェクトに関わるお金(チケット代、グッズ代など)や人(何人参加したか、どれくらい雇われたか)を調べる。
直接効果を計算: イベントそのものによって生じたお金の動きを計算します。たとえば、チケット代やお店での売上など。
間接効果を計算: 直接効果によって、他の産業や会社にどんな影響があったかを計算します。たとえば、飲み物を提供した会社の売上が増えたかどうか。
誘発効果を計算: 直接と間接で得たお金が、他の消費にどれだけ影響したかを考えます。たとえば、スタッフがもらった給料を使って買い物をするなど。
合計して経済効果を出す: 最後に、直接効果、間接効果、誘発効果を全部足して、イベント全体が経済にどれだけ影響を与えたかを計算する。
なんか専門用語っぽいのが出てきたぞ。
直接効果、間接効果、誘発効果
直接効果: これは、イベントやプロジェクトそのものが引き起こすお金の動きのこと。たとえば、コンサートのチケット代、会場を借りるお金、スタッフの給料など、イベントに関わるお金のことでだ。
間接効果: 直接効果が他の産業にも影響を与えること。たとえば、コンサート会場に使う食べ物や飲み物を仕入れるために、地元の会社が忙しくなって売上が増えることなど。
誘発効果: これは、間接効果で得たお金がさらに別の消費につながることだ。たとえば、コンサートで働いていた人たちがもらった給料で新しい服を買ったり、食事に行ったりすることで、また別の場所でお金が動くことだ。
例えで考えてみようか。
たとえば、ある街で大きなコンサートが開かれたとする。
その街にたくさんの人が来て、チケットを買い、お店で食事をし、ホテルに泊まるだろう。
これが『直接効果』。
コンサートが開かれることで、地元のお店は準備に忙しくなり、食べ物を仕入れたり、たくさんの人を雇ったりする。
これが『間接効果』。
さらに、そこで働いた人たちはもらったお金で自分たちの家族にプレゼントを買ったり、外食をしたりする。
これが『誘発効果』。
ふむふむなるほど。
では、この『経済効果』は一体何に使われているのだろうか?
ここまでの解説を見る限り、『事後』の計測であり、プロジェクトをした人たちが、『ほら見てください!私達のプロジェクトはこんなに経済効果があったんですよ!やってよかったでしょう?!』ってドヤるためにしか見えない。
これでは役に立たないのでは?
うーん、たしかに、『効果はありましたよ!』と宣伝するにはいいかもだけど、経済効果って、プロジェクト前にはだせないのか?
そう思ってさらに調べてみたら、まぁ、当然だけれども、事前にも経済効果は使われている。
経済効果はこうやって使われる
たとえば、新しいテーマパークを作るとか、大きな国際スポーツイベントを開催するとか、そういった大きなプロジェクトを計画する前に、「どれくらいの経済効果があるか」をあらかじめ計算しておくことがよくある。というか、それなしにプロジェクトなんてGOサインが出るわけないわな。
じゃあ、どうやって事前に経済効果を計算するのか?
それは、過去のデータや統計を使って、「もしこのプロジェクトが実現したら、こんな感じの経済効果が見込めますよ」と予測するんだね。
例えば、過去のオリンピックやテーマパーク建設時の経済データを参考にして、今回のプロジェクトがどのくらいの観光客や支出を生むのかをシミュレーションするわけだ。
ああ、統計。
やっぱり経済学に統計はつきものだよね。そりゃそうだ。
で、この予測ができると、次のようなことに役立つわけだ。
政府や企業が投資すべきかどうか判断するため
たとえば、巨大なイベントやインフラ整備には大きなお金がかかる。もし経済効果があまり期待できないなら、無駄にお金を使ってしまうことになる。だから、事前に経済効果を計算して、「このプロジェクトに投資する価値があるか」を判断する材料にする。
どのくらいの支援や予算が必要か計算するため
もし「経済効果がとても大きい」という予測があれば、それに見合った予算や支援を政府や企業が積極的に出そうとする。経済効果の予測がなければ、どれだけのお金が必要で、どれだけのリターンがあるか見えにくい。
地域や産業への波及効果を見越すため
特定の地域や産業にどんな影響があるかも事前にわかると、その地域にどのような準備が必要かを計画できる。たとえば、新しいテーマパークができるなら、周辺の宿泊施設やレストランも増やして、観光客を迎える準備が必要だ。これも経済効果の予測によって見えてくる。
このように、経済効果の事前計算は「プロジェクトを実行する価値があるか」「どれだけの経済的な波及効果があるか」を事前に判断するために重要な役割を果たしているのだ。
つまり、経済効果というのは、単なる「結果報告」だけでなく、未来を予測するための強力なツールとしても使われているのだ。
よしわかった。
これで明日から、『経済効果』という言葉にとても敏感になれそうだ。
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