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オランダに差別はあるのかしら?

このタイトルは、私たちがオランダに引っ越すことになった時に、母親から受けた質問。いつまでも親として私を心配してくれてありがとう。


まず数字から:アジア人差別

オランダに住むアジア系人口の36%が、過去1年に差別を受けたことがあるとのレポの英文概略↓。

肌感覚としては、「そうね〜、一年に1回くらいは何かあるかな?」というところ。

大人のお作法としては言語道断

教育を受けた大人は、もちろん見える差別はしない。むしろ、差別にならないよう気をつけてくれているのが分かる。様々なバックグラウンドがある人で社会が成り立っているので、見た目で出身・言語・文化は判断できないし、大人はまず差別しない。
私はアジア人の相貌だが、オランダ語で他人から道を聞かれたり、話しかけられたりすることもよくある。もちろん、見た目から、念の為(?)無難な英語で話しかけられることもある。ほとんどのいい大人は、差別をしない、むしろ差別に反対している・・・はず。

小僧たちの差別

たま〜に、通りすがりに吊り目をされたり、「チンチャンチョン」とアジア言語の物真似をされることがある。ほぼ間違いなく、攻撃してくる輩は10代の少年グループで、少年たちの肌色は様々。

さあ、どうするのがいいのか。差別は違法だし、カッコ悪いって分かって欲しい。ただ、あまりに強く刺激すると、分別のない彼らからさらなる暴力を受けそうで、これは避けたい。
今までの戦歴はこちら:

・自転車を停めて「あなたたち、アジア人の友達はいないの?」と英語で言ってみた。→理解できないオランダ語(おそらく侮蔑)で何か言われて唾を吐かれた。

・自転車を停めて「差別だよ。警察呼ぶよ。」とオランダ語で言ってみた。→「は?警察は来ないよ。」みたいなことをオランダ語で言われて、笑われた。まぁ、確かにね。おそらくこんなことでは来ないだろうね。

今のところ、自分の子どもと一緒にいると言われない。もちろん男性である夫といる時も言われたことがない。夏場にサングラスをかけている時も言われたことがない。さぁ、どうするのがいいんだろう。冬でもグラサンか。

お店での差別(?)

これは(?)。差別ではないかもという微妙なライン。

・薬局でコーヒーマシン洗浄剤の場所を聞いたところ、最初の人に「売り切れよ」と即答された。次に聞いたお姉さんが案内してくれて、もちろん売り切れてなかった。まぁ、単に最初の人が嫌々仕事をしていただけかも。

・スーパーの無人会計で商品をスキャンしていたところ、一人の職員がずーっと横に立って私の動作を監視していた。最初から最後まで。思わず「盗みませんよ。」と言ったら、「それは私が見て決める。」と仏頂面で言われた。ちょうどこの日にお店が万引き被害に遭ったのかもしれない。プロファイリングに沿って仕事をしていただけかもしれない。ただ、こんなことはそれまで一度もされたことなかったし、その後もない。不快。

子どものお友達からの発言

子どもが6歳だった時、放課後うちに遊びに来ていた娘のお友達がこんなこと
を言っていた。

「私のパパがね〜、『obentoの家は、親のうち一人が移民なのに、大きい家に住んでいる』って言ってたよ〜」

そのお友達はいわゆるオランダ人の白人家庭。無邪気な子どもの発言を聞いて、そうか、こういう見方をする人もいるよね、と気持ちの折り合いをつけようと思いつつ、ショックだったな。移民として。
特に何もしなかったけど、気が強い人はこういう発言を聞いたらその親に問いただすんだろうか。

オランダは悪い国ではない

例えば、こんな団体が、差別を受けた人の保護と再発防止をしている。

嫌なエピソード(↑のような)は心に残ってしまう。ただ、オランダに住んでいて親切にされたエピソードは数で言えば何倍、何百倍と多く、通りすがりの人に助けられたことばかり。住んでいて心温まることの方が断然多い。

なので、母親からの問いに答えるのであれば、「学校にいじめはあるの?っていう質問と同じだと思う。でも、味方になってくれる人の方が圧倒的に多いよ。」

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