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老化に伴うアレコレ 。その①美容モドキ

ある朝。
鏡の前に80代くらいのおばあさんがいた。

「誰?このヒト」

そう。
他ならぬ私自身だった。
完全なる中年だと言うのに
自分に手をかけていない顔面に
秋のアレルギーが重なり
寝ている間に擦りあげたのであろう目元が
一旦腫れたあと虚しく萎みきって
シワッシワのカッサカサになっていたのだった。

昔から美容カンケーには疎く、関心も持てなかった。
それでも若い頃
そして
そろそろ気をつけた方がいいのでは?
と思い始めた30代
いい加減目覚めなければ
と臀を叩いた40代
と節目毎に色々と買い集めては
お肌のお手入れなるものにトライをしてきた。

「お高いものなら勿体なくて」
「お安いものなら遠慮なく」

とか何とか理由をつけて
デパートからドラッグストアまで
様々に試してみたけれど
何せ
ブラジャーさえ
しないでいいならしたくない程のズボラーが
お肌のお手入れなんてハードルを越えられるはずも
なく、完全なる無駄遣いとしてオブジェ化していく瓶だのジャーだのを見て見ぬふりする日々だった。

が、しかし
50歳を越えてくると目覚めぬ訳にはいかない瞬間に
立ち会うハメになるのね。

ある朝
突然シッワシワになっちゃったりするのである。
私は
声高にアンチ!アンチエイジング!
と言う程ではないが

「まあ、シワやシミのひとつやふたつ、仕方ないでしょ」
「年相応にアレやコレは変化するでしょ」

等と言い訳めいた考えを持ち
更にズボラーであるからして
先に書いたようにお手入れをしてこなかった訳だから
50歳が50歳に見える事に関しては
全く問題無いのであるが
50歳が80歳に見える事に関しては
話が変わってくる。
私をじっくり見る人等おらず
更に言えば
私が80歳に見えたとて
誰にも関心のない事だとは重々承知ではあるけれど
それでも

「これは流石にアカン」

と臀に火がつき
ケア用品を大慌てで買い
乾き切った顔面に水を与える毎日。

どーにかこーにか
60代までこぎ着け
もう
こうした日々の小さな事無しには
お天道様の下で前を向いて歩けないのだな、、、
と遠い目をした秋の始まり。

歳を重ねると心だったり、考え方だったりは
若い頃に拗らせがちなものといい距離を取れるようになってきて、少しずつ身軽になるように感じるけれど
ボディの方は
それはもう1日毎
いや1秒毎に
あちらの世界へと近づいているのだから
メンテナンスがいらないはず等ない。
それに加えて
私はあまり身体が丈夫ではない方なので
本来
人一倍メンテが必要なワガママボディ(死語)なのであるからして、いつまでもズボラーで押し通す訳にはいかない。

長生きしたい訳じゃない。
アンチエイジングしたい訳じゃない。

ただ
痛くも痒くもない1日を過ごす為に
メンドクセーけど
かなりメンドクセーけど
ご自愛しなければならないと

55歳くらいまで戻ってきた顔面に
今日も水をやる。

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