映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:124 とある上映会
過日、限定された方達への上映会があり、近藤恵さん、慶應大学名誉教授の金子勝先生、龍谷大学の大島堅一先生とパネルディスカッションをご一緒した。
大島先生とは『日本と原発』の撮影以来10年ぶり、金子先生とは『日本と再生』の撮影以来7年ぶりにお会いして本作を初めてご覧いただけた。お二人ともずいぶんと気に入ってくださって、大島先生は大学での授業上映を検討してくださっている。
両先生の講演は短いながらも個性あふれるものだった。
大島先生は著書「原発のコスト」さながら数字をもって解りやすく日本のエネルギー政策の瑕疵を指摘。そのお人柄から実に朗らか、弁舌爽やか。要点がスッと頭の中に入ってくる。どうしていつもあんなにニコニコしてるんだろう?
落語好きの金子先生はマイナ保険証噺のまくらから入り、エネルギー自給、食糧自給へぐるりと回って主催団体へのエールで締めると思わせ、マイナ保険証で落とすという経済学落語。
両先生とも人気あるのは当然だと心底思うし、自分のようなアホには分かりやすい書物や映像も大切だが、なんといっても好きになれる面白い先生が必要なのだと身に染みた。
自分のトークはお客様のツカミとしてこういう話から始めることがある。
「この映画は、実は世にも珍しい作品なんです。お気づきでしょうか?登場人物全員がカッコいいという珍しい映画なんです。劇映画でもドキュメンタリーでも普通は悪い奴やセコい奴が登場するからドラマティックになるんだけど、この映画は登場人物全員がカッコいい、それなのにドラマティックなんです」。
これを話すとお客様は笑いと共にグッと自分の話に聞き入ってくれる。今回もこの話から始めて短いながらもトークを楽しんで聞いていただけたと思う。
終わってから金子先生と駅への道すがらお話しした。
「とにかく樋口さんのキャラが立ってる。だから悪者や小者が登場しなくてもドラマを引っ張っていける。構成は実に映画商売人って感じで、うめぇなぁ」
褒めていただいた。
こういう自慢話も日記だから許されるのだ。
8/18(金)より、東京・杉並区のMorc阿佐ヶ谷で公開。
たくさん舞台挨拶を行います。劇場でお会いしましょう!
<モーク阿佐ヶ谷ホームページ>
https://www.morc-asagaya.com
8/18(金)~20(日)、8/27(日) 15:10上映
9/2(土)~3(日) 12:50上映
9/9(土)~10(日) 10:30上映
●監督小原の舞台挨拶(上映後)
8/18、19、27 9/2、3、9、10
●河合弘之弁護士&監督小原の舞台挨拶(上映後)
8/19
<自主上映会お申込・スケジュールサイト>
https://saibancho-movie.com/wp/
<映画公式サイト>
https://saibancho-movie.com