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【Blender】宝石を作る

Blender を始めてまだ日が浅い頃、「JewelCraft」というアドオン(Add-on)にお世話になっていた。

JewelCraft は、高価なジュエリー CAD ソフトウェアの簡易版の機能を備えていて、JewelCraft の操作を覚えれば、誰でもジュエリーデザイン(モデリング)ができるという超絶お得なアドオンだった。(注:当時は Blender 初心者だったから使いこなせなかったけど)

ちなみに日本語で検索すると、宝石モデルを利用する方法が多くヒットする。だから最初は宝石モデルを作成するためだけのアドオンだと思っていたし、自分自身もそのような使い方しかできなかった。

と、そんな Blender 初心者だった頃、Blender をバージョンアップして JewelCraft を消してしまった。

今にして思えば、最初にインストールした通りに、作者さんの Github からダウンロードした ZIP ファイルを Blender の Preferences > Add-ons(Get Extensions)でインストールすればいいだけの話。

ところが、初心者だったし慌ててたから頭が混乱して、Blender の Preferences > Add-ons のリストから選択してインストールしたものだと勘違いしてしまった。

Blender のバージョンアップに JewelCraft の作者さんが対応できていないのかと思い込んで、いつ対応してくれるのかなあ? と、ずーーーーっと待っていたが、待っても待っても、Add-ons のリストに JewelCraft が表示されない(当たり前)。

そして悩んだ末、宝石の勉強も兼ねて「マイ JewelCraft もどき」を作ることに決めた。(Python 出来ないし、そもそもアドオンを作れるほどの脳も無いので、作ったものの使い回しというチープ想定)

Add Mesh Extra Objects アドオン を使う

とはいえ、全てを一から作ることはしない。

JewelCraft が使えなくなってから見つけた「Add Mesh Extra Objects」という Blender コミュニティのアドオンは、ブリリアントカットのダイアモンドのモデルを持っていた。

今回、改めて Add Mesh Extra Objects を確認したところ、「Gem」から多様なカットの宝石モデルを作れることに気づいた。

これで、いいじゃん。

ただ、まだ使い方がよくわかっていないので、できるだけ欲しいカットに近づけたポリゴンメッシュを作って、あとは手作業で修正していく。

資料をかき集める

次は、趣味で購入したジュエリー関連の本から、「マイ JewelCraft もどき」の参考になりそうな物を集める。

黒い大型本は、『Gem』国立科学博物館 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」のカタログ。タイトル通り宝石の写真が豊富なので、全体を通して大変参考になる。

左の本は勢いで購入してしまった『図説 鉱物肉眼鑑定事典 松原聰 著 発行:秀和システム』。光沢の種類をマテリアルで参考にした。

水色の小型本は『Gemstones Quality Guide - The Quality Scale - 諏訪恭一 著 発行:アーク出版』

諏訪貿易(宝石の貿易商)の3代目兼会長、諏訪恭一氏の著書。宝石の格付けを尺度で表している。宝石モデルの色付け(プロシージャルマテリアル)の参考にした。

『THE GUIDE TO GEMSTONE SETTINGS: Styles and Techniques Anastasia Young 著 発行:HERBEAT PRESS』

膝の上に本を置いてたら、アイスコーヒーをこぼしてしまった(涙)

こちらのページの図を宝石のポリゴンメッシュの見本にする。

インターネット上では、GIA(Gemological Institute of America) のWEB サイトは必須。宝石の IOR(屈折率) 、比重はここで調べられる。

Mineral: Corundum
Chemical composition: Al2O3
Color: Red
Refractive index: 1.762 to 1.770
Birefringence: 0.008 to 0.010
Specific gravity: 4.00 (+/- 0.05)
Mohs Hardness: 9

鉱物: コランダム
化学組成 Al2O3
色: 赤
屈折率: 1.762から1.770
複屈折 0.008から0.010
比重: 4.00 (± 0.05)
モース硬度:9

https://www.gia.edu/ruby

UV展開やってみた

スタールビーの星模様は、カボションカットのポリゴンを UV 展開して、PhotoShop で星を描いて、Blender のマテリアルノードに追加することで表現できた。

カラットの計算

「カラット」とは、宝石のサイズや体積ではなく重さの単位で、国際的には「ct」と表記されます。かつて、粒が揃った「イナゴ豆(carob)」を分銅代わりにして重さを測定していたことに由来し、現在では、1ct = 0.2g と定義されています。

『Gem』国立科学博物館 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」のカタログより

JewelCraft は、カラットも自動で計算してくれる至れり尽くせりのアドオンだった。

が、カラットも手動(Google スプレッドシート)で計算することにした。(今回、重量の計算とか、小学生の算数レベルの知識も危ういことを自覚した・・・)

体積はコミュニティ製アドオン「3D Print Toolbox」に計算してもらう。

↓こちらはカラット計算のための自分用メモ

質量 g = 体積 cm^3 / 1000 ✖️ 密度(比重)
カラット(※イナゴ豆) = 質量 g ÷ 0.2 g

※ 比重 = 物質の密度 g/cm^3 ÷ 標準物質の密度 g/cm^3(水 = 1)
※ 体積   cm^3 = mm^3 / 1000

今回作成したものは左上から時計回りで、
スタールビー(加熱処理)、モゴック産ルビー(無処理)、ラウンド・ブリリアント・ダイヤモンド(無処理)、ファンシーシェイプ・イエローダイヤモンド(無処理)、カシミール産サファイア(無処理)、スターサファイア(無処理)、アレキサンドライト(無処理、自然光下)、アレキサンドライト(無処理、白熱灯下)、コロンビア産エメラルド(含浸処理)、アクアマリン(加熱処理)、キャッツアイ・クリソベリル(無処理)、タンザナイト(加熱処理)

を、想定している。

ものすごく時間がかかったけど、ここまでは何とか作れた。これから少しずつ宝石の種類を増やしていく予定。

継続は力なり、よ。

WEBデザイナー(自営業)のおばちゃんです。最近はBlenderネタ多めです。