たった1%の希望を見つけられる人は、誰かの人生を照らすことができる人
オンライン漢方というサービスを、最近受けてます。
以前は近所にある漢方の病院に通っていたのですが、最初は月1万円くらいだったのに「これも飲んでみましょうか」「この漢方も必要そうですね」と飲まねばならないものが膨らみ、月3万を超えたところで「これ以上の継続はムリ」と辞めてしまいました。
一方、オンライン漢方は店舗がないぶん安価。月額の料金は決まっているし、メールかzoomか選べるカウンセリングはめっぽう丁寧。まだ飲み始めて数日だけど、貧血が楽になってきているのを実感してます。
中でも、朝起きるのが楽になったのがありがたいです。
ちょっと遠出したり緊張が続くことがあると、翌朝身体が重くなる。学生時代・お勤めをしていた頃は根性で頑張っていたけど、最近はどうしても動けないという日もありました。
「どうしても動けない」という時というのは人生誰しもあると思います。
NLPやカウンセリングで有名なミルトン博士が若い時、友人のお母さんが夫を亡くしてショックのあまり動けなくなったと聞き、お見舞いに行った時のこと。
「主人が亡くなってから、もう何もできないの。私はおしまいよ・・」と塞ぎ込む友の母に、ミルトンさんもただ黙って話を聞くしかできません。
するとリビングから見えた別の部屋の窓辺に、すみれの花が咲いている鉢植えがあるのをミルトンさんは見つけます。
カーテンが少し空いていて、すみれの花は窓辺に差し込む静かな光を受けていました。
ミルトンさんは「綺麗なすみれの花ですね」とうなだれるお母さんに話しかけます。
お母さんは「そうね、ああしてカーテンを開けて、光を入れると綺麗に咲くのよ」と言った後「でもそれ以外、何もできないのだけど・・」またうなだれます。
ミルトンさんは「ということは、すみれの花に光を当てることはできるのですね」と聞くと「そうね、それくらいならできるわ」という返事が返ってきます。
「それ、続けてみたらいかがですか」とミルトンさんが勧めると「ふーん、まあそれくらいだったらできるかも・・」と下を向いていたお母さんの目線が、少し前向きになりました。
またお母さんは人間関係のつながりは、基本的に家族だけ。
あとは教会から発行されるお便りだけが、お母さんと外の世界をつなぐただ一つのツールでした。
そのお便りには町の誰かが亡くなった時と生まれた時、その人の名前がお便りに乗る習慣があったそうです。
ミルトンさんは「せっかくすみれの花を育てるなら、誰か大切な方を亡くした方、それか誰かが生まれた時、そのご家族に花をプレゼントしたらいかがですか。ほら、新聞に載ってますよ」と提案してみると、お母さんは「あら、素敵ね。それはちょっとやってみようかしら」と少しだけ表情が明るくなりました。
それから数年後のある日、ミルトンさんが新聞を開くと「紫すみれの女王、死去」というニュースを目にします。よくよく読んでミルトンさんは驚愕。新聞に書いてある「紫すみれの女王」とは、あの数年前に話をした友人の母だったのです。
あれからお母さんはせっせとすみれを育てては周囲にプレゼントし、すみれの栽培に精通していき、植物学の世界でちょっとした権威になっていたそうです。
私たちはこの日常を生きる時、しばしばX=Yと歪曲して人や物事を見ています。
あの人はすぐ怒る、あれは使えない、私はいつも大事な時に動けない・・
人は今この瞬間も変わり続ける生き物ですが、そうやって単純化して見る方が、この複雑で忙しい社会を生きる上で都合がいいです。
でも目の前の人や自分に、ほんの少しでも何か光を見つけてみる。無理に相手をコントロールしようとしたり変えなくてもいいので、「何もできない」「いつもだめ」の中にある、1%の例外に光を当ててみる。
そうやって蒔いた小さい小さい種が、やがて土に根を張って大きく成長していくように、人の可能性もぐわっと大きくなる時があるから、人生って素敵だなあと思ったりします。
ベッドから動けない自分への叱責をやめて、スマホで見つけたオンライン漢方が、この先自分の未来にちょっとでも光を当ててくれますように。
今日もお疲れ様でした。
書くのが楽しくなる入門ワークショップの最終回、残2席です。
書くよろこびを思い出す。
10月5日(土)から始まる文章講座、あとお一人大丈夫です。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
明日も適当にしっかりで参りましょう〜〜